「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第62回 高い給料を払うだけでは、社員の定着は見込めない?

昨今は「賃上げ」のムードも高まってきてますが、経営者さんは頭を悩ませてると思うんですよ。上げろ上げろと言われても、給料なんてなかなか簡単には上げられないわけで。中辻さんはそのあたり、どうお考えですか?

そうですねぇ…社員さんのお給料は高ければ高いほど良いと思いますけどね。特に私は、社員の子たちに「自分のプライベートを豊かにするために働いてもらいたい」と思っているので、お給料は渡せるだけ渡したいと思っています。

うーん…もし本当に苦しい状況になったら、みんなに謝ってダウンさせてもらうかな。ウチみたいに小さい会社だからできる対応かもしれませんけど。

ウチは「決算賞与」という形で支給しています。利益分のいくらかを社員みんなで山分け、という形で。

なるほど、そこは平等にわけるんですね。ということはマメノキカンパニーさんでは、会社が儲かっているならば「毎月の給与」の方をアップさせていく方針だと。…でもそれって普通の会社と逆ですよね(笑)。

ああ、なるほど。要はボーナスで「一時的」に給料を増やしてあげると。うーん…ただウチは今のところ年に1回しかボーナスを渡すタイミングがないので。それならば毎月の基本給をアップする方が社員にとっても嬉しいだろうし、モチベーションも持続するんじゃないのかなと思っていて。

おぉ、素晴らしい! 女性が、男性の平均年収と同じ額をもらえれば、本当の意味で、女性が社会で自立して生きていけますもんね。ちなみに今って「大卒の初任給が30万円」というのが当たり前の時代で。企業によっては新卒に40万円払うところも出てきているんですよ。
対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。