「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。
第67回 ブラック企業・ホワイト企業の境界線

今日は「ブラックな企業」トゥモローゲートさんを経営されている西崎さんに、ブラック企業・ホワイト企業の違いというか、定義についてあらためてお聞きしてみたいなと。

それで言うと、僕はそもそも企業をブラック・ホワイトでわけること自体、ちょっとナンセンスだなって思っているんです。人によってその定義って全然違うし、外から「ここはホワイト」「ここはブラック」って決めつけるのって、ちょっと乱暴だなと。

そうなんです。だからブラック・ホワイトっていう枠組み自体にあまり意味がないんじゃないかなと。たとえば僕も以前、世間的には「ブラック企業」って言われがちな企業にいたことがあります。でも僕からするとすごくホワイトだったんですよ。

ああ、そうですよね。スキルアップも成長も「今できないことをできるようになる」わけだから、相応の負荷はかかるでしょうね。まぁ個人的には「ラクして儲ける」「ラクしてスキルアップする」ってのも別に悪いことじゃないと思うんですけど。

ありがとうございます(笑)。でも中には、社員を搾取することを前提としたビジネスモデルで回している会社もあるじゃないですか。社員たちは「この会社で働きたくて働いてるんだ!」って言うんだけど、そうやって洗脳するのも手の内というか。

それ、怪しい宗教やセミナーにも通じるものがありますね。違法じゃない限り、本人が納得して参加したりお金を払うのを止められない。でもそのせいで本人の生活が破綻してしまったり、家族が不幸になったりしてしまうこともあって。

そうなんです。百歩譲って本人はいいとしても、周りをしんどくさせるのは違いますよね。…そう考えるとね、「あのブラックな環境を超えたから成長できた」っていう意見も、もしかしたら周囲からは違って聞こえるのかもなと。
対談している二人
西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社 代表取締役 最高経営責任者
1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数19万人とSNSでの発信も積極的に展開している。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。