vol.22【絵を描くだけが画家じゃない、その向こう側にある世界をも伝える作品をつくる】

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

絵を描くだけが画家じゃない、その向こう側にある世界をも伝える作品をつくる

「私にその仕事が本当にできるのだろうか」Mさんがオーダーを依頼した時は、夢と現実が重なっていませんでした。Mさんは、人に教える仕事につきたいと思っていました。でも、会社員の経験しかありません。「あんな先生になりたいというモデルはいるのです。でも、とても自分には遠くて」とため息をつきました。「でも、本当にやりたい仕事につきたい想いだけは、あるのです」と、真っ直ぐな瞳で打ち明けてくれました。

こんな時、昔を思い出します。私も、「いつか画家専業で生きたい。でも、そんな時が来るとは思えない」という時期がありました。個展を毎年開いていたものの、実際には、会社員になって、先輩や取引先に可愛がられ「楽しく働きながら定年まで描いていける」安心と安定を手に入れるために働いていました。

しかし、<ああ、定年までこの会社でいることができる>、という未来が見えた時、「これが私の人生なのだろうか?」自分の人生を生きてないと気がつきます。そして、悩んだ末に、舵を切って、オーダー画家としての私があります。

だから、絵を描くだけが画家じゃない、と考えています。その向こう側にある世界を伝えていきたい。あるべき場所にいる自分、ストンと違和感なく毎日が充実している自分。その体感を絵に込めたい。そして、そこへの行き方がわからないなら、言葉でも灯火を掲げたい。

Mさんは、その時起業の知識がなかったので、現実にできることを洗い出しました。次に、夢を実現するための優先順位をつけました。そして、実際にどう行動スケジュールに落とし込むのか。スケジュールを引くセッションもしました。

これを読んで、「オーダー絵画で、夢を実現するための優先順位をつけたり、具体的な実行スケジュールを引いたりするの?」と、驚くかもしれません。実際、Mさんも、「ここまでしてくれるの???もはや、オーダー絵画の領域を超えている!」と、言いましたし、私も、超えていると思います。

しかし、私は、絵を描くとともに、その向こう側にある世界も伝えたいのです。

それには、深い理由があります。オーダーを描き始めてから、「絵のおかげで、居心地良い場所が生まれたし、見るたびに、落ち着いてやる気になる」ことで、成功しました、と教えてくれる絵のオーナーたちが現れました。一方、同じように、上質な空間で、自己肯定が高まっても、自己実現しない人たちもいました。

この違いはいったいなんなのだろう。

この疑問が、学会に所属するきっかけになりました。そして、検証をするうちに、成功する依頼者は、論理思考やマネジメント力、イシュー思考に優れていることに気がつきます。そこで、必要な人には左脳的な要素をくみいれるように、セッションを進化させたのです。

そうして、セッションを繰り返すうちに、Mさんの欲しいイメージがはっきりしてきました。あるとき、キラキラした瞳で、こういったのです。

「最初は、何を描いてほしいかわかりませんでした。でも、夢に向けて、行動してみて、実際に夢が現実に近づいていると感じるようになって、浮かんできたのです。富士山がほしいって」

しかも、Mさんの頭の中に浮かんできたのは黄色い富士山!独創的です。こんな時、私も一緒にドキドキワクワクします。

そして、富士山の構想画を描くと、今度は、「富士山に虹がかかるのが浮かんできました!」と、気がつき、虹を入れた絵を新しく描いたら、さらに「虹の上に月がかかっているのが浮かびました!」

Mさんに、心の化学変化が次々と起こって、Mさんだけの世界観が浮かび上がってきました。

この頃、週末起業というスモールステップを、Mさんは自信を持って踏み出します。自分で見つけた起業塾に通ったり、教室候補になりそうな場所の大家さんに声をかけたり、自分でどんどん行動するようになっていました。そしてある日、週末起業をサポートする方から、「Mさんならどうかなと思って」と紹介された場所を見て、一瞬で、「この場所でやる!」と自分の感覚と考えで決めたそうです。そして、「それは思い描いた以上の場所でした」と嬉しそうに教えてくれました。

そして、この春。ついに、「夢だった仕事が、順調なスタートをきりました!」と、Mさんから連絡がきました。今の時勢で、この言葉は、本当にほんとうに嬉しい。そして今、Mさんは、さらにその先の夢に向かって、進んでいます。

 

今回完成した作品 ≫「富士」

 

 

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 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

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