vol.45【出会いと誕生|受験する子供のために絵画を選ぶ】

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

出会いと誕生|受験する子供のために絵画を選ぶ

「門間さん、無理なお願いかもしれないですが、聞いていただけますか?」と、Iさんが訪ねてきました。Iさんは営業の仕事をしています。物柔らかな物腰、丁寧な口調から、顧客に頼られる人柄が伝わってきました。

「門間さんが描くオーダー絵画の依頼主には、経営者のお客様がいると聞きました。経営者なら、きっと成功している人がいますよね。成功者の絵のコピーでもいいから、分けてもらえないでしょうか。いますぐ、絵がほしいのです」身を乗り出すように話す様子から、なんだか切迫した様子が伝わってきます。

「実は、私には高校3年生の子供がいます。この子が、受験を控えて落ち着かなくて、集中できないようなのです。何をしてあげたら助けになるんだろう、と思った時、絵が好きなことを思い出したのです。勉強部屋に絵を飾ってあげたら落ち着くのではないか。しかも、感性が豊かだから、成功への想いを込めた絵なら、受験への励ましにもなるし、元気になるのではないか‥‥そう思ったらもう、いてもたってもいられなくなりました」

子供の幸せを願う、Iさんの気持ちが言葉の端々に滲み出ていました。

「子供には、受験にしっかりと向かい合って、自分の限界へ挑戦してほしい。でも、挑戦をする中でも、肩の力を抜いたホッとする時間も大切だと伝えたいのです。だから、わがままなようですが、挑戦しながら癒される絵画があれば最高です」

絵画には、人の気持ちを癒す効果がある、と、美術や医学の論文でも発表されています。また、絵を依頼する経営者は経済的に成功し安定した人が多いです。だから確かに、彼らが持っている絵に関連するものは、受験が成功するイメージを与えられるでしょう。それに、彼らは、陰で自分の限界に挑戦し続ける努力家でもあります。それを伝えることで、勉強の励みにもなるでしょう。

でも、コピーはお勧めできないと感じました。オーダーを描くたびに、「本物の絵の存在感は、送っていただく画像とは全く違いますね」と言われるからです。オーダー絵画を描いている時間はないけれど、コピーは勧められない‥‥と思った時、「下絵がいいのではないか」と思い浮かびました。
オーダー絵画の下絵は、私の手元にあります。家に例えると、下絵は設計図、完成した本画が家だからです。設計図といえども、いや、設計図だからこそ、下絵には、存在感がぎゅっとこめられています。本物の絵の力も宿っています。
さらに、下絵が受験生に役立つことを喜んでくださる方の絵がいいなと思いました。作品の持ち主も喜んで応援していますよ、と、いえば、さらにお子さんの力になるでしょう。

アイデアを話すと、Iさんは「ぜひお願いします!」と、さらに身を乗り出しました。下絵に決定です。

さて、どんな下絵がいいか。成功者で、癒しを求めつつ今後も前に進んでいこうとする方。そう思ったとたん、ぴったりの絵が思い浮かびました。

上に光に向かってどこまでも駆け上がる青龍がいて、画面には優しい光が溢れている作品です。

「非常に高い志を持って常に成長を続けている方のオーダーの下絵です。よいエネルギーと癒しの力を持っています。お子さんのやる気、突破力と癒しの後押しとなると思います」といって、Iさんに画像を見せるとこの絵に即決しました。すぐにそのオーダーをした方に連絡をしたら「受験生のために役立つなんて素敵です」と、喜んでくれました。

とにかく急いでお子さんの部屋に届けなければなりません。次の日には額装をして宅急便で送りました。
すると、Iさんからメールが届きました。「無事つきました。本当に素早い対応に、感謝でいっぱいです。門間さんが言った通り、実際の絵の方が数段いいですね。上昇していく登り龍が躍動感とエネルギーを感じます。
光が自分に差し込んできてさあ、やるぞと元気がでてきますね。
いい絵を譲って頂きました。包装も随分丁寧に緩衝材で覆っていただき、感謝致します。
子供はまだ、学校から帰ってきていませんが、喜んでくれると思います。ありがとうございました」

その後、絵を気に入ってくれたとIさんから嬉しい連絡が届きました。

そして、寒い冬がやってきました。受験の季節です。Iさんのお子さんはどうしただろうか、とふとした時に頭によぎりました。よぎるたびに、「受験がうまくいきますように」と祈りました。
そんなある日、Iさんからメールが届きました。
「おかげさまで、受験はうまくいきました。落ち着いてできたらしく、実力以上のものを発揮して、担任の先生にも褒められました。子供が頑張ってくれました。絵が好きな子だから、絵から後押しをもらえたと思います。ありがとうございました」

 

今回完成した作品 ≫「出会いと誕生」

 

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「門間さんに描いてもらい」とひそかに思いを育んておられた皆さま、是非ご確認くださいませ。

https://brand-farmers.jp/blog/monma_vision-paint/

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 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

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