vol.68【『流域シリーズ(1997)』|クリエイティブな思考をしたい、と思い始めた時に盲点になりやすいことは?】

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

『流域シリーズ(1997)』|クリエイティブな思考をしたい、と思い始めた時に盲点になりやすいことは?

「門間さんの絵を眺めていると、なんだか落ち着く。だから、Facebookやインスタグラムに登録してみた。他にも気に入っている画家を何人か登録したのだけれど、なぜか門間さんの絵は他の人の絵と違っていて、目に飛び込んでくる。ああ、門間さんの絵だ、とすぐにわかる。絵は全然わからないけれど、門間さんの描く感じが好き。気になる。

だから、何を描いて欲しいかわからないけれど、依頼してみよう」と訪れる人はたくさんいます。

その時に、よく対話で取り上げるのが「自分にはこれが合っている感覚は何か?」です。

この感覚を自覚できると、自分だけのオーダー絵画が手に入りますし、仕事でクリエイティビティーを発揮できるようになります。そして、人生が充実します。数字では測れない価値を得られるのです。

この感覚は、言葉できない部分が多くて、感情や身体で表現されることが多いです。もしも言葉にすると【なんだかよくわからないけれど、きっと、この方がいい気がする】などぼんやりしがちです。芸術やスポーツでこの感覚は使われますが、後で述べるように、プロでも創造的に使いこなしているとは限りません。

「自分に合っている」感覚を生かすには、まず何気ない小さな試行錯誤をして、言葉にするのですが、これが、意外と難しいようです。オーダー絵画のためにセッションでお話を聞いていると、試行錯誤をする以前にやめてしまうか、始めてすぐやめてしまったとよく聴きます。実は、これは誰にでも起こることです。

例えば、大リーグの大谷翔平選手が、【二刀流】をやり始めた時は、プロの間でも否定が多かったようです。実際、投手だけ、バッターだけ、に集中するのが当たり前なのでしょう。でも、その【当たり前を生きる】のと、【個性を活かす】のとが重ならない人います。大谷選手もそうでした。彼は、自分を理解して、個性を才能に育てる決意をして、行動に移しました。その後、支える人々が生まれ、実現をサポートする流れができ、二刀流の一流選手になりました。

「才能は素質があるからだ」と言われます。例えば「あの人は元々素質があるから」など。では、素質とはなんでしょうか。辞書を引くと、「持って生まれた性質」とあります。持って生まれた性質なら、それぞれ誰にでもあります。才能の発揮は、【個性=素質=才能の芽】と感じることから始まりまるのです。。単に癖や性格、パーソナリティと解釈しては、才能に育ちません。

個性を素質と捉えるか、それとも癖と捉えるか、が大きな別れ目になります。

しかし、個性を素質と捉えるのは意外と難しいようです。大谷選手以外にも「自分はピッチングもバッティングも好きだな」と思っていた選手がいたかもしれません。今だから野球解説者も「これから大谷選手を見て二刀流を目指す若い人が生まれるでしょうね」など肯定しますが、実績が出るまで慎重なコメントがほとんどでした。

しかし、大谷選手は若くして、自分の個性を素質と捉えて才能を発揮しました。

二刀流は人の目にはっきりわかる形になった、わかりやすい例ですが、「あの人は才能を持っている」と言われる人は、みんな、個性を素質と捉えて育てています。

個性を素質と捉える第一歩は、自分の感覚をつかむことから始まります。これは、やり方がわかれば誰でもできるようになります。その一つが、個性を肯定することです。オーダー絵画のセッションの中でもよくあるのが「自分はこれでよかったのですね」など自己肯定感を取り戻す会話です。

しかし、才能の発揮につながるクリエイティブな考えや行動ほど、否定されるのが見受けられます。「この仕事はそんなやり方をしない」から「それでは成功しない」という善意のアドバイスまで、感覚を揺るがし否定する場面は日常に転がっています。

だから、その人の感じることを丁寧にたどったあとに「あなたの感覚を大切にしてください」と伝えると、皆ホッとします。ここの部分は、一人ひとり違ったきめ細やかな対応が求められるので、ワークショップや本では解決できない盲点になりがちです。
でも、これが盲点になりがちなのだ、と理解し、日々自覚できると、独りでも盲点を補ってクリエイティブな生き方ができるようになります。自分のことだからこそ、自分をきめ細やかに丁寧に扱うのです。
不思議なことに、それができると、今までより人に優しい自分も見つかります。今回の作品は、私自身、枠組みのなかに収まりきらない自分をどうしたらいいのか模索していた時期の絵です。

 

今回完成した作品 ≫「流域シリーズ(1997)」

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 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

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