この記事について
自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。
『【対画:肩のり龍:下絵】|愛に満ちた龍の絵に込められた音楽の【喜び】と音の《思い出》Tさんの場合』
「私にとって、音楽とは【喜び】です」
谷 有由子さんは、オーダーメイド絵画のためのセッションで、目を輝かせて教えてくれました。ああ、きっと音楽が作品のキーになる、と、直感しました。
谷さんは、シンガーソングライター。「愛に満ちた龍の絵がほしい」との依頼。その想いはどこから来るのだろう?と色々とお話を聞く中で、ぽんっと飛び出しました。
「音楽を作るとき、【喜び】の感覚を大事にしたい。
たとえ、悲しさに結びついたものでも、何かの喜びが響くようにしたいのです。
震災のあった女川をテーマに曲を作った時も、「ただいま」「おかえり」という言葉で、優しい喜びを曲にのせました」
そして、「谷さんにとっての音楽のテーマはなんですか?」と尋ねると「テーマは《思い出》です。さまざまな体験を覚えている《記憶》という言葉も好きですが、音は、心揺さぶられる大切な思い出に結びついているから、大事にしたい。
大好きだったけど、もういなくなってしまった人、たとえばおばあちゃん。思い出すことで、いなくなった人と結びつくことができて、幸せな気持ちになれるから‥‥。思い出って、子供の頃からずっと好きな言葉でした。」
谷さん自身、音と思い出はしっかりと結びついて、生きる喜びを育んでいました。
そのうちの一つが、おばあちゃんの思い出と昭和歌謡。
大好きで憧れたおばあちゃんと一緒に聞いた昭和の歌謡曲が結びついていて、今でも昭和歌謡が大好きだそうです。
おばあちゃんは、174センチの長身。四国出身だけど、谷さんのお母さんを育てながら、早いうちに別居。別居の理由は「面倒くさいから」。とんでいます。離婚でなく、単なる別居。おじいちゃんの仕事がうまくいっていたのもあり、お手伝いさんを雇えて、谷さんのお母さんは伸び伸びと育ったという。
「ときに厳しいことも言うけれど、不動産の目利きでもあるカッコイイ大好きなおばあちゃんでした。」
だから、おばあちゃんと結びついた昭和歌謡が大好きで、それを喜んでくれる年配の方々との交流もとっても楽しい‥‥、年配の人とともに、若い人も楽しむことができるのが昭和歌謡なので、世代を超えての交流も生まれるのも楽しい‥‥、だから、昭和歌謡&歌声喫茶ライブを定期的に開くのだと言います。
今、昭和歌謡は、癒し効果があるとされて、高齢者の認知機能改善に期待される『回想法』
に取り入れられています。
アメリカの精神科医、ロバート・バトラーが1960年ごろに提唱した心理療法のひとつが「回想法」。その方法はいたって簡単で「思い出などを蘇らせて過去の記憶を思い出し他者に話すこと」だけです。過去の思い出を『思い出そうとする』際には、自然と記憶力や集中力が使われます。そしてこの回想を行うことで脳が刺激され精神状態の安定と認知機能の改善が期待されます。
「話す」「聞く」「コミュニケーションをとる」という3つの行為が重要で、昔の思い出にじっくりと耳を傾け、時折問いかけて、記憶を蘇らせます。
昭和歌謡は思い出と一緒に記憶されていることが多いので、聴いたり歌ったりすることで元気な気分になる脳内物質も分泌されますし、脳の活性化やストレスの解消、リラクゼーションにも効果をもたらします。
ライブを開くことで、谷さんは自分と参加者が楽しむとともに、なんと心理療法、認知機能改善も行っていることになります。
ライブは二部構成で、第一部は昭和歌謡。二部は懐かしい曲をみんなで歌う参加型と聞きました。
おばあちゃんとの素敵な思い出。昭和歌謡の心理療法的効果。さてさて、一体どんな感じなのだろう‥‥?ライブに行ってみたい!と自然に思いました。そして、素敵なご縁いただき、昭和歌謡&歌声喫茶ライブに行ってきました。
谷さんの透明な歌声と、楽しいトークに、参加者が段々とリラックスしていくのが伝わってきました。参加者の飛び入りダンスやサンシン演奏もあり、会場が一体化していく空気感がとても素敵でした。
ライブ終了後は、ケーキ、飲み物を頂きながら、ゆったり過ごせる、素敵な会場。
谷さんと目元がそっくりな、とっても素敵なお母様もご紹介いただきました。
谷さん大応援団と谷さんの透明な歌声‥‥、全部全部、温かくとっても素敵でした。
心温まる音楽の広がりが、一層楽しみです。
谷さんは、オーダー絵画を依頼した後から、個人の想いのためのオーダー楽曲や、役所からの依頼など、ユニークで心温まる音楽活動も開始されました。
実は、谷さんにオーダーを依頼されるきっかけになるストーリーがこれらにあるのですが、
また、別の機会にお伝えします。
著者の自己紹介
ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。
今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。
人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。
人生
の節目には様々なテーマが訪れます。
経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。
こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。
でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。