
そうだね。今回、私が取り扱ってほしいテーマは、伝統品の必要性についてです。たとえば織物や焼き物や竹細工といった、一昔前は生活の中で需要があったものが、いま現在ではより便利な代替品により必要性を失ってしまったものたちの今後はどうあるべきなのでしょうか?生活に必要でなくても、歴史や文化、目で見るだけでも価値がある品もあると思います。職人だけでなく、素材や風土全体で長年継承してきた技が、いま、各所で担い手がいなくなり、消えてしまうところが出てきています(成功しているところもありますが)。移りゆく時代の中で淘汰してしまうのは必然なのでしょうか。それとも、ただマーケティング力が足りないだけなのでしょうか。お考えをお聞かせいただけたら幸いです。ということです。

だから、つまり、世の中に自分と奥さんと、僕だったら、2人しかいなかったら、結婚なんてべつにする必要ないんですよ。自分たち2人以外の人間に「私たち2人は夫婦である」ということを宣言するためにありますんで。

よくね、何かにこだわって、たとえば「日本酒ってすごくおいしくて奥が深いのに、売れない」みたいな、最近売れるようになってきましたけど、そういう人に限って、それ以外のものに対する、人がこだわってるものにはあまり興味なかったりするんですよ。

だから、なんで自分がそれがいいと思うのかっていうのと同時に、「他の人が“見るだけで価値がある”って言うものを、なんで自分は興味わかないんだろう」っていうふうに思えば、答えはおのずと明らかになるわけですよ。

伝統工芸であろうが、たとえば古い骨董の器とかもね、「ただ粘土こねて焼いただけじゃないか」というふうにしか見えない人もいるし。たとえばゴルフのドライバーとか、僕、ゴルフなんかしないんで何の興味もないわけですよ。すっごい、パターを1日中愛でて、なで回してる人とかもいるわけで。だから、誰にとってのどういう価値なのかっていうのを、もう1回見直したほうがいいと思うんですよね。

有利じゃないですか。歴史があるっていうことも売りになるし、それだけ長い間、誰かに支持されてきたっていうことで、母集団とか好きになってもらえる下地みたいなものができてるわけですよ。だから、ポッと出の商品を、たとえばiPhoneとかを、世界中で流行ってますけど、あれを流行らせるよりぜんぜん楽なはずなんですよね。

まあ、どっちとも言えますよね。本当に必要とされるものじゃなくなって、一目みたいものじゃなくなっちゃってるのかもしれないし、「それはみんながその良さをわかってないだけで、一目見る価値があるんだ」って思うんだったら、その価値を伝える努力はいりますよね。

どうなんでしょうね。まあ、ものによりますよね。でも、正直言って、歴史とか文化とかいったってわかんないじゃないですか。「なんでも鑑定団」に出てきて「本物です」って言われたら本物にになりますけど、本当なのかと。

だから、探せばきっとあると思うんで、ポッと出の商品よりは、ぜんぜん本当はチャンスがあるはずなんで、もう1回きちんとアイデアを練ってみたらいかがでしょうかということで、本日は以上です。ありがとうございました。
*本ぺージは、2020年3月4日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから
ポッドキャスト番組「安田佳生のゲリラマーケティング」は毎週水曜日配信中。