「商売のコツを教えてください」【読むPodcast | ゲリラマーケティング】

第501回「商売のコツを教えてください」
というご質問。
商品クオリティーか。サービスクオリティーか。
商売を始めるならどちらが重要だと思いますか?
栃尾

こんにちは。安田佳生のゲリラマーケティング。ナビゲーターの栃尾江美です。

金子

ユニクロで買ったパーカーに、ずっとサイズシールが貼りっぱなしで着てました!かね…金子亜佑美です!すいません(笑)

安田

安田佳生でーす。

栃尾

縦長のビヨーってやつ?

金子

そうです、縦長のシールですねー。

栃尾

何サイズだったの?(笑)

金子

Lです、はは(笑)

栃尾

まあいいけど(笑)なるほどね。外に行っちゃってたの?

金子

外行っちゃってましたね。

栃尾

なるほどなるほど。

金子

誰もご注意いただけず、でした。はい。

栃尾

そうだね。……はい、では(笑)

金子

(笑)

安田

では。

金子

では。

栃尾

はい。えー、今日は50代・事務員の方からいただいております。安田さん、栃尾さん、金子さん、こんにちは。

金子

こんにちはー。

安田

こんにちはー。

栃尾

こんにちはー。安田さんがよくツイッターで言っておられる、「まずは売ってみる、小さい商いから始めてみる」というのを真剣に考えている、いまは雇われの事務員です。商いのあり方について質問します。私の職場の近所にとてもおいしいパン屋さんがあります。サンドイッチがおいしくて、2つも3つも食べたくなる、そんなパン屋さんなのですが、昼に買いに行くと忙しいせいか、レジの店員がものすごく態度が悪く、不機嫌な空気をまき散らしています。

金子

(笑)

栃尾

「もう買うもんか」と思うものの、パンのおいしさにまた行ってしまうのです。一方その近くに、何度食べても味はいまいちなのですが、店主らしいおばちゃんにはなかなか味があり、会いに行ってしまうという中華料理屋があります。「モノはとてもいいけど雰囲気最悪」というお店と、「モノはいまいちだけど気分はいい」というお店、どっちがつづけていけるお店となるでしょうか?私が商いを始めるとして、モノか、サービスか、雰囲気か、どれもいいに越したことはないけれど、なにが大事かを知りたいです。よろしくお願いします。

金子

うーん。

安田

はーい。

栃尾

はい。

金子

ああ、面白い。

安田

どう思いますか?金子さんは。

金子

私はサンドイッチ屋さんを推します。

安田

おいしいほうがいいと。

金子

おいしいサンドイッチ食べたいんで。はい、おいしいやつがいいです。

栃尾

ふーん。

安田

店員さんがあれですよ?態度が非常に悪いんですよ?

栃尾

(笑)

金子

お金パーン!って投げられてもかまいません。

栃尾

ああ、そうなんだ。

金子

はい。

安田

いいんだ?

金子

とりあえずおいしいやつ食べさせてくれれば大丈夫です。

栃尾

へぇ~。

安田

「また来やがったよコイツ」みたいに、ちょっと小声で聞こえたり(笑)

栃尾

ひどい(笑)

金子

ははは(笑)それはどうでしょうね(笑)でも、結構そういうぶっきらぼうな人って、なんか、ちょっとしたタイミングで仲よくなったりすると、結構いいひとだったりするんで。

安田

すばらしい。

栃尾

うん。

安田

なんで中華料理屋は嫌なの?

金子

中華料理屋は「味がいまいち」っていうところが。ただ、おばあちゃんは好きなので、そこがちょっと線引き……かなと思います。

安田

おばちゃんです、おばちゃん。おばあちゃんじゃなく。

金子

あ、失礼しました(笑)おばちゃんね。

栃尾

(笑)

安田

おばちゃんは好きでも、まずいと行かないってことね。なるほどね。

金子

まずいとやっぱり……ご飯食べるっていう目的があって、っていうことを考えると味ですかねえ。

安田

なるほど。

金子

江美さんは?

安田

栃尾さんは?江美さんは?

栃尾

えー、これ、「どっちのお店が好きか」じゃなくて、「自分がやるとしたら」ですよね。

金子

そうですね。

栃尾

私ね、たぶん、自分のいままで仕事してきた経験からして、そこまでモノをめちゃくちゃクオリティこだわったものを、他を犠牲にしてまでつくるっていうことが、できそうにないですね。

金子

なるほど。

栃尾

なので、えーと……まあ、味もいまいちだと困りますけど(笑)もうちょっとサービスとか雰囲気とか、そちらのほうががんばれそう、かな。だから、どっちがお店としていいかというよりは、「自分がどちらに向いてるか」とか「注力しやすいか」みたいなことで、「自分なら」ってことで考えますかね。

安田

なるほどね。

金子

なるほど。

栃尾

安田さんは?安田さんのお答え、めっちゃ気になります。

金子

そうですね。

安田

僕は……時と場合によりますね。ほんとにおいしいもんを食べたいときは、おいしい店で買うと思いますけど、たとえば、よく昔行ってたルノアールという喫茶店はですね、よさそうな店だったんです、昔はね。

栃尾

はい。

安田

いつ行っても空いてて、寝てるおじさんとかがいっぱいいて。

栃尾

いますね(笑)

金子

うん。

安田

そういう雰囲気が好きっていうか、空いてて、まあ、快適だから行ってましたね。

栃尾

うんうん。

金子

うん。

安田

まあ、でも、基本的に日本人は両方求めるんですよ。

栃尾

そうですよね。

安田

はい。「味がおいしいから、対応はいまいちだけどいいや」って言う人はあんまりいなくて、おばちゃんはいい人だけど、まずいと来ないし、やっぱり両方求めるんですよね。「味もおいしいし、店の対応もよくないとだめだよね。金払ってんだから」っていうのがあって。だから日本の商売は、どんどん儲からなくなるんだと思うんですよ。

栃尾

うん。

金子

そうか。

安田

そう。たとえばIKEAとか行くとぜんぜん接客してくれないし、組み立てるための道具なにが必要とかも教えてくれないから、帰ってみたら「手作業でこんなの組み立てられないぜ」みたいなのがあったりするんですけど。

金子

あるある(笑)

安田

でも、そんなのは承知のうえで安く彼らは売ってるわけでね。

栃尾

うんうん。

金子

うん。

安田

だから世界中で、あれだけでかい会社になるわけですよ。

栃尾

はい。

金子

うん。

安田

だから、まあ、ビジネスとして考えるならば、やっぱ「偏り」はすごい大事なんですよね。

栃尾

ああ、なるほどなるほど。

金子

うーん。

安田

つまり、サービスがすごいよくて、味もよくて、値段が高かったらいいんですよ。そうすると高級フレンチみたいに、それはそれで成り立つんですよね。

栃尾

はい。

金子

うんうんうん。

安田

ところが日本の顧客っていうのはですね、「味がよくて、サービスがよくて、値段も安い」っていうのを求めるんで。

金子

うんうん。

栃尾

うん。

安田

これをやろうとすると破たんしますね。

栃尾

ああ。じゃあもう1個、「値段」っていう物差しを入れて考えたほうがいいって感じですかね。

安田

そうですね。味もよく、サービスにも徹するんだったら……だから、この店員さんがなんでこんなに機嫌が悪いかっていうと、忙しいからですよね。

栃尾

はい。

金子

うんうん、そうだそうだ。

安田

だけど、そのサンドイッチが5倍の値段で売れるんだったら、客数減らしてレジも暇になるわけですよ。だけど十分儲かる。

栃尾

うんうん。

金子

なるほどー。

安田

だけど、おそらく、そこまで高くすると、人が来なくなっちゃうわけですよ。

栃尾

はいはい。

金子

むずかしいですね。

安田

むずかしい。

栃尾

そっか、値段が見合ってないから、結局どっちもバランス悪くなっちゃうってことなんですね。

安田

そういうことですね。

金子

えーっ、どうしたらいいんだろう。

安田

まあ、だからバランスなんですよ、サービスと、クオリティと、それから価格。これをぜんぶやろうとするとなんで失敗するかっていうと、まあ、儲からなくなるっていうのがひとつなんですけど、もうひとつは、それでも儲かる程度にやろうとすると、ぜんぶが中途半端になるんですね。

栃尾

うん、たしかに。

安田

だから商品も、まあ、悪かないけど、べつに商品では行かないし、サービスも悪かないけど、サービスだけで選ぶほどじゃないし、値段もべつに安いってわけじゃないし、みたいな。だから、値段でいくんだったら「とにかく安い」と。「とにかく商品クオリティが高い」とか、「とにかくサービス抜群」とかでいかないといけないんですけど、重要なのは、他が0点でいいわけじゃないってことなんですよ。

栃尾

なるほど(笑)

金子

まあ、たしかに。

安田

ここが大事なんですよ。偏りは大事なんだけど、じゃあ偏ってれば他は0でいいのかっていうとですね、やっぱ限界はあるわけですよ。

栃尾

うん、そうですね。

金子

ああ、そうですよね。

安田

うん。「高くてもいいです」っていっても、やっぱり、どこまでも高くてもいいってわけじゃないんで。

栃尾

うん。

金子

うーん。

安田

だから、どの程度偏って、なおかつ、うまくお客さんが納得するバランスに整えるかっていう、これが大事なんですよね。

栃尾

はいはい。

金子

うーん。

安田

まあ、でも基本的には、自分がもっとも得意とするところ、栃尾さんだったらば、クオリティよりはサービスのほうに寄せたいのかもしれませんし、金子さんは、サービス・接客よりは、商品力を上げるほうに寄せたいのかもしれませんし。

栃尾

うんうん。

金子

なるほど。

安田

大事なのはね、そのときに、ちゃんとお客さんに伝えるってことなんですよね。

栃尾

ああ、なるほど。そうですね、たしかに。

金子

あ~。理解してもらえると……

安田

理解してもらうってことが大事で、「なんでこんなに値段がどうしても高くなってしまうのか」とかですね、「レジでは、どうしても忙しい時間は丁寧に対応できないけど、この価格を維持するためなのでご勘弁ください」とかですね、理解してもらうことが大事で。

栃尾

なるほど。

金子

すごい。急に雰囲気よくなりますね、それ。

栃尾

うんうん。

安田

そうなんですよ。

金子

ほ~。

安田

「言わなくてもわかるだろ、この味なんだから」みたいなのは通用しなかったりするんで。

栃尾

うん。

金子

うーん、すごい、人間関係みたい。

安田

そうなんですよ。他の点数が低くても納得してもらえるようにするには、どうしたらいいかってことを考えないといけない。

栃尾

なるほどー。

安田

ここが商売の面白いところ。

金子

お~。

栃尾

自分が伝えられてるかっていうと、あんま伝えられてない気がしますね。

金子

江美さん?

栃尾

うん。

安田

伝え方もありますしね。

金子

ほんと!?上手な気がする。そっか。

栃尾

取引先に「なんでこの値段なのか」とか、あんまり伝えてない気がしますが。

金子

ああ、そっか。

栃尾

うん。

金子

へぇ~、面白いですね。

安田

伝え方も、どう伝えるかっていうのも、そこも考えどころなんですよ。

栃尾

そうですね。

金子

へぇ~。

安田

「この材料を使ってるから」みたいなのを言っても、「そんなの店の都合だろ」みたいに思う人もいるし。

栃尾

うん。

金子

うんうんうんうん、そうですよね。

安田

たとえば「年に1回は家族で旅行にいきたいから」みたいなのを言うと、「そんなの知らねーわ!」みたいになるかもしれないし。

栃尾

なるなる(笑)

金子

(笑)

安田

逆に、たとえばバーで、「年に2か月は休んで、スコットランドに酒の勉強に行ってます」みたいに言うと、「そういうところが好きなんだ」みたいな人もいるし。

栃尾

うん。

金子

うん。

安田

だから、お客さんによるんですよね。

栃尾

なるほど。

金子

なるほど。

安田

ターゲットをきちんと意識することですよ。

栃尾

はい。

金子

はい。

安田

じゃあ、おまとめを。

栃尾

盛りだくさんでした。

金子

おまとめを。

栃尾

(笑)モノかサービスか雰囲気かで聞いていただきましたけども、値段という尺度をもう1個入れたほうがいいなということと、あと、なにか偏りが必要で、偏りの低い部分はちゃんとお客さんに伝えましょう。っていう感じで、ちょっと長めになりましたが、そんな感じでどうでしょうか?(笑)

金子

ばっちり。

栃尾

(笑)

安田

はい、ばっちりです。ありがとうございます。本日は以上です。

栃尾

ありがとうございましたー。

金子

ありがとうございましたー。


*本ぺージは、2022年5月4日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから

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安田佳生
境目研究家

 

 

 

栃尾江美
emitochio.net

 

 

 

金子亜祐美
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