「見える選択肢・見えない選択肢」【読むPodcast | ゲリラマーケティング】

第513回「見える選択肢・見えない選択肢」
いま安田が深掘りしているテーマだそうです。
なぜサーカスの玉乗りにならなかったのか。答えられますか?
栃尾

こんにちは。安田佳生のゲリラマーケティング。ナビゲーターの栃尾江美です。

金子

最近、テストで90点から100点をいっぱい取ってウハウハです。金子亜佑美でーす。

安田

安田佳生でーす。

栃尾

すごいじゃないですか(パチパチ)

金子

ありがとうございます!人生ではじめてです、90点とか。

安田

なんのテストですか?

金子

えーと……介護福祉士になるための手前の実務者研修っていう、授業を受けるためのWebテストですけど。

安田

なるほど。

栃尾

すごい(パチパチ)

金子

ありがとうございます。

安田

僕も、でもね、ほんとに高校生ぐらいまで0点ばっかり取ってたんですけど……

金子

おお(笑)

安田

アメリカの大学に行って帰ってきたら、試験で点取れるようになってましてね。

栃尾

へぇ~。

金子

へぇ~。うれしいですよねえ。

安田

なんで昔点取れなかったのかっていうのが逆に不思議でしたね。

栃尾

へぇ~。わからないままですか?

安田

……うん、わからないまま(笑)

金子

(笑)

栃尾

なぜ点取れなかったのかはわからないままですか?(笑)

安田

たぶん、「どうやったら点が取れるか」っていうことを考えずに勉強してたんでしょうね。

栃尾

ふーん。

金子

なるほど。あるかもしれない。

安田

「試験期間までに点取るためには、これとこれを覚えなきゃいけない」とか、「この使い方をマスターしなきゃいけない」みたいなのがあって、それをやれば点が取れたんで、そういう意味では、「自分はバカではなかったんだな」ということはわかりましたね。

金子

なるほど。

栃尾

なるほど。

安田

で、今日のテーマなんですが。

栃尾

はい。

安田

今日はですね、「“見える選択肢”と“見えない選択肢”の境目」というテーマでお話ししたいなと。

金子

境目?

安田

「見えない選択肢」って、なんとなくわかります?言ってること。

栃尾

えーと……はい、「思いついてない」みたいな意味ですか?

安田

そうそう、思いついてないっていう。たとえば「大学に行くか行かないか」とかね。

栃尾

ああ。

金子

うんうん。

安田

たとえば、履歴書を見て「なんで大学行ったんですか?」とか、「なんで1か月で会社辞めたんですか?」とか、「なんで家を建てたんですか?」みたいなことは人間って答えられるわけですよ。

栃尾

はい。

安田

べつに「家を建てなかった」でもいいんですよ。「なんで私は賃貸に住んでるかというと、お金がありません」とか、「家を建ててもローンが大変だからです」とか、いろいろ答えがあるじゃないですか。

栃尾

はい。

金子

うん。

安田

ところが、人間には答えられない質問っていうのがありましてね。たとえば「なんでサーカスの玉乗りにならなかったんですか?金子さんは」みたいな質問とか。

金子

おお!あ、たしかに!

安田

「なんで土偶のフィギュアを買わないんですか?」みたいな質問とか。

栃尾

(笑)

金子

いや、たしかに!「なんで」って言われてもな。

安田

答えられないわけですよ。

栃尾

はい(笑)

安田

それはなんでかっていうと、考えたことがないからなんですね。

栃尾

はいはいはい。

金子

うんうん。ほんとだ。

安田

だから、選択肢として現れるものは考えるわけですけど、現れないものは考えないですよね。

栃尾

はい。

安田

なにが言いたいかっていうと、人間、「自分で選んできた」みたいに思ってるじゃないですか、目の前の選択肢から。

栃尾

うん。

金子

うん。

安田

でも、実はその選択肢って、たくさんあるなかの99.99パーセントぐらいは見えてないってことなんですよ。

栃尾

はい。なるほど。

安田

見えてないものは選べないってことなんですね。

栃尾

うんうん。

金子

あ~。

安田

たとえばね、実家がサーカスだとするじゃないですか。

栃尾

はい。

金子

はい。

安田

そしたら「サーカスのピエロになる」とか、「玉乗りをする」とかいう選択肢が入ってくるんですよね。

栃尾

ほんとそうですよね。

安田

はい、そうなんですよ。

金子

実家がサーカスじゃなかったばっかりに……

栃尾

(笑)だから親に結構影響を受けますよね、そういう意味だと、職業選択ということでいうとめちゃめちゃ。

安田

はい。親にも影響受けるし、年齢的なものもあるし。

栃尾

うん。

金子

うん。

安田

まあ、なにが言いたいかっていうとですね、「ほんとのことをいうと、もっと選択肢はいっぱいあるよ」ってことなんですけど。中学生とかがね、居場所がなくなって自殺しちゃう子とかを見て「ほんとはもっと社会は広いのに」って大人は言いますけど、本人にはそれが見えないわけですね。

栃尾

はい。

金子

そうか。

安田

で、見えなくなっちゃうと、やっぱしんどいわけですよ。

金子

うん。

安田

「自分には赤に非常に近いピンクぐらいなのとか、そういう選択肢しかない。どれ選んでも私の人生真っ暗だ」って思っちゃうんですよね。

金子

うん。

安田

だけど、実際はそれ以外にも無数にあるわけですよ。

栃尾

うん。

安田

たとえば僕ら3人だって、明日からラーメン屋やってもいいわけですけど、まあ、やらないですよね。

栃尾

たぶん(笑)

金子

いや、楽しそう(笑)

安田

楽しそうですけど、まあ、たぶん明日やってないですよね。

栃尾

真剣には選ばない(笑)

金子

明日はやってないです、うん(笑)

安田

なんでやってないかっていうと、選択肢に入ってないからなんですよ。

栃尾

はい。

金子

うん。

安田

選択肢に入ってない人生はスタートしないと。だから、まずは見えない選択肢を見える化するっていうかですね。

栃尾

そうですね。

安田

ね。

金子

はい。

栃尾

私、最初の会社で、すごいキツいのにすごいがんばってやってて、泣きながらやってたんですよ。

安田

へぇ~!

栃尾

で、そのときに「辞める」ってことが選択肢になかったんですね、驚くべきことに。

金子

へぇ~。

栃尾

で、「なんで辞めないの?」って聞かれて、「あっ!“辞める”って選択肢にあるんだ!」って気づいて、あっという間に辞めることを決めたんですけど。

金子

そうなんだぁ。

栃尾

だから、「つづけるものだ」みたいに思い込んでたっていう。「どうやってつづけるか」しか選択肢として考えてなかった、みたいな感じですね。

金子

すげー。

栃尾

いま思うとビックリだけど、まあ、昔だったっていうのもありますけど、すごい実感値ありますね。「見えるだけでそれを選べるのに」っていう。

安田

そうなんですよね。

栃尾

はいはいはい。

安田

で、「なんで見えないか」ってことなんですよ、問題はね。

栃尾

はい。

金子

なんで見えないんだ?

安田

なんで見えないかっていうとですね、それは、選択肢って本当は無限に近いぐらいあるんですよ。

栃尾

はい。

金子

うん。

安田

たとえば、いま、われわれがこの瞬間に、先ほどまでの記憶を完全にリセットできるとしたらですよ、まあ、つまり記憶喪失になると。

栃尾

ああ、はい。

安田

そしたら可能性は無限になるわけですよ。

金子

はいはい。

栃尾

そうなんだ。

安田

で、「俺は何者なんだ?」っていうことから始まるんで。

金子

なるほど。

安田

つまり大変なんですよ。たとえば旅行にいくときに、旅行の行き先とか、どうやって行くかとか、いつ行くかとか一切決めずに「旅行にいくぞ!」って決めても、なかなか大変でしょう。

金子

うん。

栃尾

そうですね。

安田

実際それで旅行にこぎつけようと思うと、えらい大変じゃないですか。

栃尾

ツアーから選ぶほうが楽ですよね。

安田

楽なんですよね。なので大変だから、ある程度までは選択肢を自動的に狭めるようになってるんですよ。

栃尾

うんうん。

金子

えっ、人生がですか!?

安田

人生が。まあ、言い換えるなら「自分の無意識が」ってことなんですけど。

金子

無意識が?ほお~。

栃尾

そうですね。それじゃないと生きられないような気はします、はい。

安田

そうなんですよ。

金子

なるほど。

安田

だから、明日からべつにラーメン屋やってもいいし、だんご屋やってもいいし、なにやってもいいんですけど、それを毎日毎日、「明日から俺、なにやるかな」みたいなことを考えてたら、えらい大変なわけですよ。

栃尾

大変すぎますね(笑)

安田

はい。だから、無意識のうちにほとんどの選択肢は除外して、たとえば「就職するか、進学するか」みたいなのとか、進学するとしても「A・B・C校のなかから選ぶ」みたいになっちゃうんですけど、ほんとはぜんぜんちがう選択肢なんて、いくらでもあるわけですよ。

栃尾

うんうん。

金子

うーん。

安田

そうなんですよ。

栃尾

でも、いろいろ見えたほうがいいんですよね、選択肢としてきっと。

安田

いや、だから、すべての選択肢を見てるとほんと気が狂っちゃうんで、ものすごいストレスなので、無意識が選択肢の幅を狭めてるっていうのは、これは悪いことじゃないと思うんですよ。

栃尾

はいはい。

安田

ただ、「その無意識が狭めてるだけで、実は自分には選択肢はあるんだ」っていう自覚が必要だってことですよね。

栃尾

あ~なるほど。「選択肢がない」って思っちゃわないってこと?

安田

思っちゃわないことが大事っていう。

金子

なるほど。なんでそれを選択したかは無意識なんですかね、それもまた。

安田

そうなんですよ。「なんで選択したか」っていう理由は、そんなになかったりするんですよ。だから、3つぐらいあるなかから、たとえば「大学行くか、就職するか」で、大学に行った理由とか就職した理由は答えられるんですけど、それ以外の選択肢は考えてないんで、答えられないわけですよ。

栃尾

はい。

金子

うん。

安田

だから、だいたい3つ4つぐらいまでは、無意識のうちに「これは考えてもしょうがない」とか、「これはやってもしょうがない」みたいなことを絞っていっちゃうわけですよ。

栃尾

うんうん。

金子

おお、なんか有能ですね、そう考えると。

栃尾

ああ、「私って」ってことね。

金子

私って(笑)

安田

有能なんですよ(笑)

栃尾

「選びやすいようにしてくれてるのね」みたいな(笑)

金子

すごいわあ。

安田

だから、最近はほんとに留学する人とか増えてきましたけど、私が18でアメリカ行ったときには、そんなこと考える人はいなかったんで、「は?」って言われましたよ、よく。

金子

えーっ。そっか。

栃尾

たしかに。メジャーリーガーとか1人出るとね、どんどん出てくっていうのは、やっぱ「選択肢に現れるから」っていうことが大きそうですね。

安田

そうなんですよ、はい。選択肢に入ってこないわけですよね。

栃尾

そうですね。

安田

だから、最初にやってくれる人とか見せてくれる人がいると、選択肢が増えていくという。

栃尾

はいはい。

金子

おお、選択肢の先駆者ですね、安田さんは。

安田

はい。見えない選択肢もたまには考えてみようね、ってことでした。

金子

はい。なるほど。

安田

ということで、今日はスーパーおまとめはなしでいきたいと思います。

栃尾

なしで?(笑)はい。

金子

(笑)

栃尾

よかったです(笑)

安田

本日はありがとうございました。

栃尾

ありがとうございました。

金子

ありがとうございました。


*本ぺージは、2022年7月27日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから

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安田佳生
境目研究家

 

 

 

栃尾江美
emitochio.net

 

 

 

金子亜祐美
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