「当たり前が景気を良くするのだ」【読むPodcast | ゲリラマーケティング】

第569回「当たり前が景気を良くするのだ」
と断言する安田。
人に何かやってもらったら喜んで高い料金をお支払いする。
日本に欠落しているのはこの感覚なのです。
栃尾

こんにちは。安田佳生のゲリラマーケティング。ナビゲーターの栃尾江美です。

金子

干し芋にハマっています。金子あゆみです。

栃尾

いいね。

金子

いいんですよ。干し芋。

栃尾

私もこの間買いました。一昨日ぐらい。

金子

あ、タイムリー。

安田

おいしいですよね。干し芋。

金子

おいしいですね。ええ、ええ。

安田

ということで今日のテーマ。

栃尾

ということで、はい。

安田

当たり前が景気を良くすると、題しまして。

栃尾

はい。

安田

今、給料がね、初任給が上がり続けているわけなんですけどね。

金子

いやー、知らんところで。

安田

新卒の初任給も上がってますし、バイトの時給なんてもう今2000円出しても取れない。

栃尾

バイトはね。はいはいはい。

安田

そう、だから雇う側はものすごく大変なんですが。でも僕は基本的に時給が上がるのは素晴らしいことだと思ってまして。日本全体を考えればね。だってみんな収入が増えるわけで。増えたお金を使い、世の中の景気が良くなり、さらにまた収入が増えるという。

栃尾

はい。

金子

すごい。

安田

お2人はどう思いますか。時給、給料が増え続ける時代について。

金子

上がってないっす。どこでそんな話があるんですか。

栃尾

初任給だけなんですかね。

安田

いや、そんなことないですよ。全体的に上がってます。中途だって上がってます。上げる方法はいくつかあると「給料の上げ方」という本に書かれてまして。

金子

えー、知りたい。

安田

日本人に向いている1番の方法が、まあ、転職ですね。

栃尾

あー、なるほど。確かに。

安田

転職、海外に行く、起業する、もう1つが、会社と直接交渉するっていう、この4つなんですね。

金子

うん、なるほど。

安田

で、海外に行くのはいきなりハードル高いし、起業っていうのもハードル高いじゃないですか。普通はまず会社と交渉してダメだったら転職するんです。けど日本人の場合は交渉せずに給料に不満があったらすぐ転職しちゃう。圧倒的に転職が多いそうです。

金子

ああ。

安田

まずは会社に交渉してみたらいいと思いますよ。給料が増えないんだったら「私、転職しようと思ってます」って言ったらたぶん上がりますよ。

栃尾

あゆみちゃんやんないと。

安田

それを「黙っててもあげてくれるんじゃないかな」と思うのが日本人で。

金子

はい。

安田

よくない。黙ってたら上がらないに決まってるんですよ。海外はみんなそうなんです。必ず交渉があって、黙ってたらどんなに仕事ができても上がらないんです。

金子

うーん。

安田

この人はこれで満足してんだって思われちゃう。向こうからあげてくれって言われて、それに見合う仕事じゃなければ当然あげないし、キープしたい人材なら上げるっていう。シンプルなんですよ。

金子

うーん。

安田

日本人もそうした方がいいと思うんですよ。転職する前に、まず自分の会社に交渉して「あげてちょうだい」と。「上がんなかったら辞めます」と。お金で揉めて「給料少ないから辞めました」なんていうのは、すごい恥ずかしいこと、よくないことだと、思いがちなんですけど。

栃尾

がめついみたいなね。

安田

そうそうそう。そういう発想は良くないですよ。

金子

うん、良くない。うん。

栃尾

でも、一緒に働いている人に「がめつい」って思われちゃう可能性がありますよね。

安田

いや、そこがまた良くないですよね。みんな我慢してるのに、1人だけ交渉してたら「あいつだけなんかがめついぞ」みたいな。

栃尾

上がればいいですけど、上がんないのにがめついと思われたら最悪ですよ。…あ、そしたら転職するからいいのか。

安田

勇気のある1人2人じゃなく、全員がちゃんと年に1回交渉した方がいいと思うんですよ。

金子

あー。

栃尾

なるほどなるほど。

安田

ま、とにかくですね、今どんどん働き手も少なくなっていて、人を雇うとものすごいお金がかかるんですね。給料も高いし、残業手当も高い、社会保険料も高いし。

金子

はい、高い高い。

安田

だから、もう飲食店とかね、宿泊施設とか、続けられない。人不足で倒産するところもいっぱいあるわけですよ。だから経営者はもう「人を雇うと高い」ってことを、ちゃんと考えて雇わないといけない。こういう時代なんですね。今までは安く雇って、うまく使って利益を出そうって発想だったんですけど。

金子

うーん。

安田

それができないと。あと、これは経営者以外の一般の人も含めて、「人に何かを頼むと高いんだ」と。サービスはタダじゃないんだってことを、みんなで理解した方がいいと思う。

栃尾

飲食店でもキャッシュレスとかめっちゃ増えてますけど、多分人件費が高いからなんですよね。

安田

お客さんが安さばかり求めるからですよ。コンビニでも「袋の詰め方が悪い」とか怒る人がいるじゃないですか。

金子

いるんですか。

栃尾

いるんでしょうね。

安田

そもそも人間が袋に詰めるっていう価格は、そんなもんじゃないんだと。タダで詰めてくれるだけで、とてつもなくありがたいことなんだって理解しないと。

栃尾

うん。うんうん。

安田

ぐっちゃぐっちゃになっててもですね、それでもまだ有り難いぐらい。

栃尾

うん、確かに自分で入れたらぐちゃぐちゃですもんね。そうでもないかな。

金子

いや、そうですそうです。

安田

おいしいお寿司とかね、高いステーキを食べたら高いっていうのは、みんな納得してるじゃないですか。

栃尾

はい。

金子

うん。

安田

だけど安い居酒屋で人柄のいい人が、明るく接客してくれても、なんか安かったりするじゃないですか。接客やサービスって、タダだというイメージが強すぎるんですよ。

金子

そうですね、はい。

安田

とにかく、人に親切に心地よくサービスしてもらおうと思ったら、高いお金を払わなきゃいけない。それをちゃんと自覚しないといけないんです。

栃尾

はい。

金子

うん。

栃尾

気をつけます。

安田

経営者も人雇うと高いんだと自覚する。より良いサービスを提供して、高く販売する努力を、やっぱ経営者はしないといけない。

金子

うん。

安田

で、一般の消費者の人も、人からいいサービス受けたいんだったら、お金をちゃんとたくさん払え、と。

栃尾

はい。

安田

これがつまり、私が言いたいところの「当たり前」なんです。人に何かやってもらったら高いお金がかかるってことを、とにかく全員が当たり前だと思えば、景気なんてよくなるわけですよ。

金子

もうー。

安田

みんな景気よくなった方がいいわけじゃないですか。

金子

いいですね、その方が。

安田

その割に、なんかやってもらっても、ちゃんとお金を払わなかったり。払ってない割になんか文句言ったりとか、するわけですよ。

金子

うーん。

安田

そこを変えていくと。自分たちはサービスを受ける側であり、提供する側でもあるわけですから。全員労働者でもあるので。自分が現場でやったことはちゃんと評価されて、高い収入になって返ってくるってことでもあるんです。

金子

いいですね。

安田

サービスにお金をたくさん払うとみんなスッキリなんですけど、でも実際払う側になってみると、みんなそう思わないんですよ。

金子

何でだ。

栃尾

そりゃそうですよ。

安田

これからはサービスにもしっかりお金を取るので「値段を上げます」っていうと、人が来なくなっちゃうっていう。

金子

なんでだ。

栃尾

あゆみちゃん、わかんないの?同じオムライスに1000円だったのに2000円払えるかってことですよね。

金子

でも、その価値観をこうぐっと、少しぐっとこうこらえて、2000円を出すことで変わる世界があると思うと、自分が良くなると思えば払いたい。そんな気持ちです。

安田

安くて、愛想が良くて、サービスも良い店というのは、もう淘汰されてなくなっていくと思うんです。

栃尾

あ、やってけなくなると。

安田

やっていけない。そういうところは、もう働いてる人が大変なわけですよ。安くて良いサービスって、売り値が安いので働いてる人の収入も少ないわけで。

栃尾

たしかに。

安田

より高いお金を払ってくれる店に移動していくわけです。だから、よりサービスが充実している店は高いと。その代わり心地いいよと。安い店でサービスなんて要求したってそんなの無理だよと。

栃尾

うん。

安田

人が動いたら高いんだと。サービスは高いんだと。安い店はもう人がサービスしない。お水もガシャンとテーブルに置くだけ。

金子

うん。

安田

ま、海外行ったらそれが当たり前ですからね。安い店に行ったら愛想もくそもないですから。

栃尾

うんうんうん。

安田

そういうもんなんですよ。

金子

そうっすね。なんか日本にいたらその、経験がないので、経験したいっす。その、ガシャンって水置かれたいっす、私。

安田

じゃあちょっと、まず金子さんがそれやってください。率先して。

栃尾

やるんだ、やる方で。

金子

そっか。そうなるとハードル高いっすね。

栃尾

やりづらい?

金子

うん。

安田

安い店なのに、そういうサービスにケチつけて、文句言うお客さんが日本は多すぎるって。とにかくサービスを受けたいなら金を払おうと。

栃尾

うん。

安田

それがもう周り回って全員の収入が増えるための1番の近道なので。…ということで。本日の私の講演とさせていただきます。

金子

ありがたき。

栃尾

はい。本日も番組をお聞きいただき、ありがとうございました。私たち3人とリスナーさんとでギブの実験室というオンラインサロンをやってます。参加したい方はキャンプファイヤーで検索するか、境目研究家安田佳生のホームページ(安田佳生ドットコム)からお申し込みください。では来週もお楽しみに。


*本ぺージは、2023年8月23日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから

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