【読むPodcast | ゲリラマーケティング】「優秀なルートセールスと駄目なルートセールスの境目」2018年10月10日配信

第315回「優秀なルートセールスと駄目なルートセールスの境目」
顧客が固定化していて、営業成績は相手の状況次第。こんな仕事にも優劣は付けられる? 
栃尾

こんにちは。安田佳生のゲリラマーケティング。ナビゲーターの栃尾江美です。

金子

反骨精神が歳と共に減衰していますが、これはまずいですか?金子亜佑美です。

安田

安田佳生です。

金子

今回は40代ルート営業マンの方からご質問いただいてます。安田さん、栃尾さん、金子さん、こんばんは。

栃尾

こんばんは。

安田

こんばんは。

金子

私は商品(包装資材など)の販売をしている会社の営業をしています。担当先の企業は大小合わせて100社ほどで、地元の会社になります。最近いつも考えているのが、「優秀なルート営業マンとダメ・普通なルート営業マンの境目はどこか」ということです。売上や案件の数自体が担当先の企業の業績にされがちで、大して営業してなくても売上がある場合もあるし、売上が伸ばせないが手間がかかる客もいたりします。営業マンの判断で客を切ることもできません。そんな中でデキる営業マンに表れる特徴を教えていただきたくお願いします。ということです。

安田

はい。

金子

デキる営業マンに表れる特徴。

安田

ルート営業マンってわかります?

金子

なんとなく。

栃尾

私もあんまりわかんないです。

安田

新規の顧客開拓をバンバンやるわけじゃなくて、お客さんがもう決まってるんですよね、固定で。決まったところに行って「今月は何個必要でしょうか?」みたいな感じで注文をとってくるということで、ルートが決まってるんでルート営業マンと言われてますね。だから顧客は決まってるし、お客さんのニーズがあれば売れるし、なければ売れないし、「営業マン、差出ないよね、ルート営業」っていうことだと思うんですよね。

栃尾

「最初に大口の担当を任されたら、そのまま業績も良いよね」っていうことなんですかね。

安田

そうですね。

栃尾

あ~。

金子

あ~。

安田

じゃあ、優秀なルート営業マンとダメな人は何が違うの?という質問でございます。

栃尾

はい。

金子

今なんか締めようとしてませんでした?(笑)

栃尾

もう終わっちゃうみたいな(笑)

安田

(笑)

栃尾

よく聞くのはビールとかの成功事例とかで、居酒屋にビールを卸しながら居酒屋の集客にアドバイスする、コンサルタントもやるとトップ営業マンになれるみたいな成功事例みたいなのを聞いたことありますけど。

安田

そういう人多いですよね。自社の商品とは関係ないものでお客さんの役に立つっていう。

栃尾

付加価値ですかね。

安田

はい。それによって「じゃあ君んとこの商品買ってあげるよ」みたいな。

金子

気に入られれば?

安田

気に入られるっていうか、お客さんの業績を伸ばしてあげるってことでしょうね。

栃尾

商品だけじゃなくて、その人自身の時間も買うみたいな意味合いがあるって感じじゃないですかね。

安田

そうですね。

金子

ほぉ~、なるほど。へぇ~。

安田

ひとつはそういう特徴がありますよね。自社の商品を売るっていう以外のことをお客さんのためにやってるっていう。あとは経営者の立場で言わせていただくと、「ルート営業だから、ここは現場の営業マンはコントロールできないよね」っていうのはちょっとイマイチかなっていう感じがします。たとえばお客さんが断れないとか、自分でお客さん選べないとか。やっぱりルート営業だったとしても本当にトップって言われているデキる人は、たぶん会社の指示どおりにやってないと思います。

栃尾

なるほど(笑)

安田

自分でお客さん選んで行きたいとこには行くけど、行きたくないとこには行かなくて、新規開拓を勝手にやると思いますね。

栃尾

あ~。やっちゃいけないわけじゃないですもんね。

安田

やっちゃいけないわけじゃないじゃないですか。っていうか、会社の業績がそれでどんどん伸びて怒るんだったら会社がおかしいわけなんで、そんな会社……

栃尾

「新規で取ってくんな!」って言われたら(笑)

安田

だったら辞めりゃいいわけで。

栃尾

たしかに。

安田

だから、新たなお客さんつくるとか、あるいは任されてる商品だけじゃなくて新たな商品自分で考えて売るとか、さっき言ってたような商品は売れないんだけどお客さんの役に立つことをやって、商品をそのかわり買ってもらうとか。あるいは売るための戦略をべつにルートセールスって決まってるわけじゃない。今までがそうだっただけなんで、会社全体のことを考えて「もっとこういうやり方したほうが会社の売上とか利益伸びんじゃないの?」っていうことを考えて、そういう人がたぶん「こいつ現場に置いとくのもったいないから、上に引き上げよう」ってことで経営幹部になっていくんだと思うんですよね。

金子

それだ。うん。

栃尾

なるほど。ルート営業マンだけに甘んじないっていうか。

安田

そう。だから、デキるルート営業マンとデキないルート営業マンを分けようとしないほうが良いと思うんですよね。

栃尾

ああ。そこだけで考えちゃうと「担当顧客によるよね」みたいになっちゃう。

安田

「ルート営業マンはここまでが仕事で、こっから先やっちゃいけない」みたいな。でも、たしかにそういう仕事もあるんですよ。たとえばマクドナルドでバイトに雇われて、「新しいハンバーガー今つくってます」とか言ったら「おまえふざけんなよ」っていうことになるわけじゃないですか。

栃尾

はいはい。「他にやることあるでしょ」みたいな(笑)

安田

「お客さん値段知らなかったんで高めに売っときました」みたいな、「ポテトちょっと減らしておきました」みたいな。

栃尾

怒られるから(笑)

安田

「ふざけんな!」ってことになるわけなんで。だから、とにかくもう完璧にビジネスモデルが決まってて、「言われたとおりとにかくやってくれ」っていう仕事はスキルアップしようがないんですよね。だから、もしそういう仕事なんだったら、デキる・デキないとかではなく「そういうもんなんだ」っていうことでやりゃ良いし、そうじゃなくて「やっぱり自分はデキる人になりたい」とかっていうんだったら、デキるっていうことを評価してくれるところにやっぱり移るべきだと思いますけどね。

金子

たしかに。

安田

僕は普通の経営者の常識から考えたら、一応ルールはあるものの、ルールを超えて会社のために「こうやったほうがもっと売上が伸びんじゃないか」って言ってくれる人、たとえばさっきのマクドナルドの話で言うと勝手に集客してきちゃったりとか、「こうやったら売れんじゃないか?」っていう方法を勝手に考えてくれるバイトがもしいたら、店長レベルだったら「ふざけんな」って言うけど、もし経営に近い人がその子見たら「こいつはこんなとこに置いとくのもったいない」っていうことで絶対マーケティング部隊とかに引っ張ると思うんですよね。

栃尾

なるほど。

安田

なので、自分の直の上司とか直接近くにいる人とかではなく、もうちょっと会社の上層部とか社会の上のほうにいる人から見て「デキるやつ」っていうふうに思われるような動きをすりゃ良いんじゃないですかね。

金子

なるほどね~。ホントそうだな、たしかに。

安田

何やっても良いんですよ、だから、ホント仕事なんて。犯罪はいかんですけど、ホントにどんなやり方で売ろうが、何を売ろうが、全然自由なんで。

金子

ホントだ。

安田

そういうふうに思い込んじゃってるだけっていうのが多いと思いますね。

栃尾

そうすると、でも、ちょっと時間が必要じゃないですか。決まってることより余計なことをするっていう。それは普段の仕事をギュッと濃縮するなりして効率アップするとか、必要がないところは手を抜くとかして時間を作らないと、ってことになりますかね。

安田

たとえばこの人は「売上伸ばせないけど手間がかかるお客さんがいる」って書いてるじゃないですか。売上伸ばせないけど手間かかるお客さんのところに売上伸ばせないけど手間をかけにいく営業マンが果たして優秀なのかな?ってことですよね。

栃尾

なるほど。

安田

会社の側から見たら「1円でも売上になるんだったら落としてくるな」って言われるかもしれないんですけど、やっぱり僕だったら面倒だけど売上になんないところは仕事として減らしますね。先に時間つくんないと何もできないんで、つくった時間でそれ以上の成果を上げる方法を考えるっていうことをやりますね。

金子

なるほど~。

栃尾

じゃあ、顧客を減らすのは、どういうやり方をするのかはいろいろあるけれど、って感じですかね。

安田

そうですね。

金子

あ~、勉強になるわぁ。

安田

収入が増えていかない人も同じなんですけど、構造は。やっぱ今の仕事を減らしたら絶対収入が下がっちゃうんで、安い仕事なんだけど受けちゃって、減らしたくないっていう思いで。1回それを減らさないことにはやっぱ増えないんですよね、売上も収入も。だから、いったん減らす勇気っていうか、そういうのが必要なのかと思いますけど。

栃尾

ちょっと怒られるかもしれないけど、みたいな。

金子

手を抜く勇気ですね。

安田

はい。いいんですよ、結果的に業績上げれば。

栃尾

そうですよね。

金子

たしかに。ホントだ。

安田

ということで、おまとめを。

栃尾

まとめると、優秀なルート営業マンと普通なルート営業マンを境目を決めるというよりは、ルート営業マンを超えた動きをすると良いんじゃないかっていうことですよね。売る以外の付加価値を付けるとか、新規顧客を連れてきちゃうとか、あと何でしたっけ、経営のこととかも考えるとか?

安田

そうです。だから、ホントに優秀な人はデザイナーなんだけど営業もできちゃうし、販売戦略も考えてしまえますし、営業なんだけど商品の企画開発ができたりとか。やっちゃえばいいんですよ。

金子

やっちゃえ。

栃尾

そのために、ちょっと効率の悪い仕事を1回怒られても落としちゃうのもいいんじゃないかな、ってことですかね。

安田

はい。そっと落としていく。

金子

そっと。うんうん。

栃尾

誰かのせいにしたりして(笑)

金子

うはは(笑)

安田

ということで、本日は以上です。ありがとうございました。

栃尾

ありがとうございました。

金子

ありがとうございました。


*本ぺージは、2018年10月10日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから


ポッドキャスト番組「安田佳生のゲリラマーケティング」は毎週水曜日配信中。

安田佳生
境目研究家

 

 

 

栃尾江美
emitochio.net

 

 

 

金子亜祐美
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