// 本コラム「原因はいつも後付け」の紹介 // |
原因と結果の法則などと言いますが、先に原因が分かれば誰も苦労はしません。人生も商売もまずやってみて、結果が出たら振り返って、原因を分析しながら一歩ずつ前進する。それ以外に方法はないのです。28店舗の外食店経営の中で、私自身がどのように過去を分析して現在に至っているのか。過去のエピソードを交えながらお話ししたいと思います。 |
起業してから私は多くの失敗をしてきました。
もちろん、好んで失敗を選んできた訳ではありません。
失敗するよりは成功したほうが嬉しい。
こう考えるのは私だけではなく、このコラムを読んでいただいている皆さんも同じだと思います。
だから私たちは、できるだけ失敗しないための選択肢を考える訳です。
そして、できるだけ失敗を避けようと考えた結果、私たちの多くが行き着く答えというのが、「失敗するのが嫌だから試さない」という選択だと思います。
ただこの選択の問題点は、失敗を避けるために「試さない」という選択をし続けても、成功には近づけないという事。つまり成功に近づくためには「試さない」という選択以外の、新たな選択肢を見つける必要があるという事です。
「失敗するのが嫌だから試さない」という選択。
この選択以外で失敗を避ける方法とは何か?
私の考える、この問いに対する答え。
それが、「失敗するのが嫌だから試し続ける」という選択。
こんな事を書くと、「それじゃあ失敗の連続になる可能性があるじゃないか」と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
確かにその通りだと思います。
試し続けたところで失敗が連続することはよくあります。
事実、昨年私がコロナ禍で始めた新しい事業は、正に失敗の連続だったと言えます。
ただ、ここで大事なのは、その失敗を「どれ位の期間で捉えるか」の違いだと思うのです。
何かを試してみた結果が期待通りでなかった時。
その結果を短期で捉えて試すことを途中でやめれば、失敗は確定します。
でも、その結果を長期で捉えて試し続けることができれば、その失敗は成功の原因に変えることができます。
失敗するのは途中でやめてしまうから。
成功するのは途中で諦めずしつこく続けるから。
私の新しい事業が今後の収益に育つ手応えを感じられるようになったのは、当初の失敗続きの段階でやめるのではなく、しつこく試行錯誤を続けたからだと思います。
「試さなければ成功しない」というのが確実ならば、試してみる以外に選択肢はないということ。
そして、試して失敗するのが嫌ならば、試し続ける以外に選択肢はないということ。
「失敗するのが嫌だから試さない」のではなく、「失敗するのが嫌だから試し続ける」。
これこそが私の考える失敗しないための選択であると同時に、成功へ向けた確かな選択だと思うのです。
著者/辻本 誠(つじもと まこと)
<経歴>
1975年生まれ、東京在住。2002年、26歳で営業マンを辞め、飲食未経験ながらバーを開業。以来、現在に至るまで合計29店舗の出店、経営を行う。現在は、これまで自身が経営してきた経験をもとに、これから飲食店を開業したい方へ向けた開業支援、開業後の集客支援を行っている。自身が経験してきた数多くの失敗についての原因と結果を振り返り、その経験と思考を使って店舗の集客方法を考えることが得意。
https://tsujimotomakoto.com/