原因はいつも後付け 第31回 「見えない不安の答えはどこにあるのか?」

// 本コラム「原因はいつも後付け」の紹介 //
原因と結果の法則などと言いますが、先に原因が分かれば誰も苦労はしません。人生も商売もまずやってみて、結果が出たら振り返って、原因を分析しながら一歩ずつ前進する。それ以外に方法はないのです。28店舗の外食店経営の中で、私自身がどのように過去を分析して現在に至っているのか。過去のエピソードを交えながらお話ししたいと思います。

《第31回》見えない不安の答えはどこにあるのか?

不要不急の外出自粛要請。
この要請により、多くの店舗が休業状態になっています。

私も起業して18年経ちますが、ここまで先の見えない時期は経験したことがありません。

「この先、自分の商売はどうなってしまうのか?」

今、多くのオーナーが抱えているこの不安。
この不安を解消できる答えは一体どこにあるのでしょうか?


先の見えない状態は誰だって不安なもの。
その不安を少しでも解消するために多くの人が取る行動。

それが「ネット検索」。

同業他社の取り組みをネットで調べて、自分の不安が解消できそうな答えを探す訳です。
でも、私にはこの行為がとても危険に思えてならないのです。

なぜならそれは、「他と同じ選択をする」という行為だから。
他と同じ選択をした先にあるものが正しい答えだとは限りません。
むしろ私には、他と同じ選択の先にあるのは「答え」ではなく、「競争」に思えて仕方がないのです。

つまり、「他の人が決めたやり方で競争をする」という選択をしているということ。

では、今抱えている不安を解消できる答えはどこにあるのか?
それは、「ネットの中」ではなく、「自分の頭の中」だと思うのです。

「他がどんな事をやっているか?」を調べるのではなく、「自分がやりたい事は何なのか?」を自分の頭で考える。

もしかしたら、他がやっていないことを選択することに不安を感じる方もいるかも知れません。
でも、私は思うのです。

「他の人の真似事をしようとするから努力ができない」
「自分で考えて決めたことだからこそ努力ができる」のではないかと。

私も今、こういう状況の中で新しい事業を準備しています。
ここで偉そうな事を書いていますが、私の事業だってうまくいく確証はありません。

ただ少なくとも、自分で考えて決めたと言えるものであるからこそ、これが正解だったと言えるまで努力ができるのだと思います。

ネットの中から正解を探すのではなく、自分の頭の中から正解を作り出すということ。

自分の頭の中に問いかけることをせず、ネットの中のどこかに答えがあると思っている限り、自分だけの答えにたどり着けることなんてないと思うのです。

 

 

著者/辻本 誠(つじもと まこと)

<経歴>
1975年生まれ、東京在住。2002年、26歳で営業マンを辞め、飲食未経験ながらバーを開業。以来、現在に至るまで合計28店舗の出店、経営を行う。現在は、これまで自身が経営してきた経験をもとに、これから飲食店を開業したい方へ向けた開業支援、開業後の集客支援を行っている。自身が経験してきた数多くの失敗についての原因と結果を振り返り、その経験と思考を使って店舗の集客方法を考えることが得意。

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