第340回 信念を語る背中たち

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/信念を語る背中たち

 

近年、多くの大手企業にて「パーパス経営」「サステナビリティ経営」などの言葉を聞く機会が増えました。

「企業は何のために存在し、社会にどんな価値を提供するのか?」

利益だけでなく、顧客、従業員、地域、環境まで見渡して経営を考える。いまや理念は、“額縁に飾るもの”ではなく、“成長戦略そのもの”になりつつあります。

そんな中、某大手さんの関連会社にて、「これからの若手が働きやすい職場」について考える意見交換会に同席しました。集まったのは、長年現場を支えてきたベテラン社員たち。

有志の会にもかかわらず、“経営陣までもが参加”してくれた場で。

トップが「ウチの理念は……」と、その“必要性や重要性”を丁寧に語ります。

すると、一人のベテランさんが静かに口を開きました。

「理念も大事です。でも、私たちが大切にしてきたのは信念です」

親会社から派遣される経営陣は、“数年単位で交代”する。

一方、現場の社員は何十年もの間、顧客や仲間と向き合い、会社を支えてきた。

その言葉には、理念を軽んじる響きではなく、「理念を実行してきたのは、現場一人ひとりの信念だ」という重みがありました。

理念はWebに載る。けれど、信念は現場の背中に出る。

立派な理念だけでは、職場は変わりません。

理念が社員の信念と重なったとき、初めて“会社の文化”になる。

経営陣はその言葉を受け止め、「今後もこの会に参加します」と表明しました。

パーパス経営の第一歩は、新しい言葉を掲げることではなく、すでに現場にある信念に耳を傾けることなのかもしれません。

帰りがけに“歴戦の猛者”であるベテランさんたちが

「今度の社長は、違うな」

「こんなオッサンらの会に“継続参加”してくれるやなんて!」

と口々に言い合っている。

その背中が、“飛びきり嬉しそう!”なのでありました。

 

 

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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