ついにグローバルダイニングさんが、東京都に損害賠償を求めましたね。
あれ、すごいですね。
小池都知事は「時短に応じない店に罰金を払わせる」と言ってまして。グローバルダイニングさんは堪忍袋の尾が切れた感じです。
まあ現状を考えたら、誰も暴動を起こしてないのが不思議なぐらいですから。
そうですよね。飲食店は補助金で潤ってるとか言われてますけど。そんなのすごく小さな店だけで。
やっぱり説明つかないですもん。「なんで飲食店だけか」っていうのが。
そもそもみんな「時間じゃない」って言ってるじゃないですか。時間ではなく「人数を絞らないとだめだろう」「昼間に大人数で行ったら意味ないだろう」って。
そうですね。「一蘭」みたいな店だったら時間は関係ないし。
普通に考えたら「時間を延ばして人数制限するほうが感染しにくい」ってなるはずで。
私もそう思いますね。
時間を短くしたら、空いてる時間にみんな詰めかけるわけで。実際に早い時間ってめちゃくちゃ混んでるし。ほんと不思議な対応をしますよね。
今回も狙い撃ちにしたんですよ。グローバルダイニングを。
狙い撃ちですか。
はい。SNSで発信してたことを問題視して。事業停止命令を出した27店舗のうち26店舗がグローバルダイニングの店舗だったんです。
もはや権力を使ったいじめですね。
いじめです。「都の対策がよくないからこんなことになった」「営業の自由がある」ってことを訴えて。干された感じ。
公権力がこんなことしていいんですか?
ダメですよね。ちゃんと問題を切り分けなきゃいけない。いちばん問題なのは都民も国民も納得していないこと。よくこれで我慢してるなって思います。
そりゃあ納得できないですよ。緊急事態宣言も「500人切ったら解除する」と言ってたのが解除しなくて。2週間延ばしてる間に感染者が増えてるのに解除して。なんか、もう、むちゃくちゃな状態です。
根拠があってやってるようには見えないですよね。
「飲食店で時短やることがとにかく正しい」って決めつけて。「今さら方向転換できない」という大前提でやってるように見える。
過去の政策を「間違いじゃなかった」と証明するために、やってる感じがします。
かなりお金も撒いちゃいましたし。責任問題になるんでしょうね。
それが一番よくないです。それをやっちゃうと新しいことが生まれなくなるので。間違ってたことを「間違いでした」って言えるリーダーが必要です。
たとえば時短をやめて人数制限にして。一気に感染者が減ったら、国民はうれしいけど政治家はうれしくない。
だって、これまでの失敗がバレるじゃないですか(笑)
「あの6万円の責任は誰がとるんだ!」ってことになりますよね。
払った6万円より、失われた経済活動に対して言われると思う。もう1年も経ってるのに何も改善されてない事実があって。
確かに。莫大な損失ですよね。
新しいことをやったがために「なぜ今まで思いつかなかったんだ」と言われるのが嫌。「夜の飲食店がそもそも原因じゃなかった」という事実はまずいんでしょうね。
昼間から高齢者がカラオケに行って、感染してたり。どう考えたって、大声で昼間から歌ってるほうが感染するに決まってる(笑)
不思議ですよね。第2波・第3波のときは、カラオケはべつに制限かかってないですもんね。
そうなんですよ。過去の決断が「間違ってた」って言えないから、いまも継続してるとしか思えない。
ですね。
そもそも「政治家は結果責任だ」って言うじゃないですか。先どうなるかわからないときに決断するのがリーダーなので。
はい。誰もやりたくない決断をするのがリーダーの仕事です。
「結果責任をとって俺は辞める」という意欲がないのなら、そもそも政治家になっちゃいけないですよ。
そうじゃない人がやってますけどね。
マスコミにも問題があります。過去の犯人捜しばかりしないで、新たな決断をしたリーダーをもっと支持するべき。
マスコミは視聴率のことしか考えてないですから。
元を辿れば国民が悪いんでしょうけど。そういうゴシップが好きなので。
政治家を選んでいるのも国民ですからね。
ですよね。解散して選挙やったら、また自民党が勝つかもしれないわけで。そしたら次はもうやりたい放題ですね。
どうなるか想像つかないですね。
このままいったら、えらいことになりますよ。
リーダーは有事に弱いし誰も身を捨てられない。かといって、どこを選んだらそれが実現するのかがわからない。だからまた同じことをくりかえすわけです。
断崖に向かって着実に進んでますね。
国民もチャレンジしてないと思う。自民が違うと思えば別の党に全員がベットすればいい話なんです。けどそれすらやれない。
政治家だけの責任ではないと。
お互い様みたいなとこはあります。
官僚組織もそうだし、大企業もそうじゃないですか。人のミスを許さないし、だから忖度しあって、不正があってもうやむやになっていくし。
そういう国民性ですね。残念ながら。
ミスがあったら全員で袋叩きにしますからね。「誰がやったんだ?誰が決めたんだ?」って。叩かれるのが嫌なので何も新しいことができない。
たたく文化みたいなのはすごいですよ。
それが日本国の最大の課題なんでしょうか。
日本人の課題は、本当のピンチになっても何も変えられないこと。
ピンチに弱いですよね。戦争で負けたときと何も変わってない。「作戦は間違ってない!」って言いながら玉砕していくだけ。
めちゃくちゃ炎上しそうな話ですね(笑)
でも事実じゃないですか。
企業であれば外国人の経営者が来て、一気に変わることもあるんですけど。
ゴーンさんは追い出されましたよ。
ゴーンさんは色々問題がありましたから。でも叩かれる風潮はありますね。
外資に買われそうになると「日本の大企業を守れ!」とか言うくせに。「誰のせいなんだ!責任とれ!」ってチャレンジして失敗した人を追い詰める。
政治の世界はもっとひどいです。
海外から呼ぶわけにもいかないですしね。
失敗できない空気が蔓延してますね。新しいことや画期的なことを自分たちでは何もやれない雰囲気。
海外から呼べなくて、自分たちでも出来ない。じゃあどうすればいいんですか?
その答えが第三者委員会ですね。いろんな人を呼んできて決めてもらう。
政権に忖度する人ばっかりじゃないですか。
忖度しそうな人を呼んでるんです。だから審査する能力も弱い。もう完全に行き詰まってます。
久野勝也 (くの まさや) 社会保険労務士法人とうかい 代表 人事労務の専門家として、未来の組織を中小企業経営者と一緒に描き成長を支援している。拠点は愛知県名古屋市。 事務所HP https://www.tokai-sr.jp/
安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。