小学生男子のなりたい職業1位が会社員だそうです。
見ました。ビビりましたね(笑)
女子も3位が会社員。1位がパティシエで2位マンガ家。ところが中学生になると男女ともに1位が会社員。高校生も男女ともに1位が会社員。
そもそも会社員って職業じゃないですから(笑)
ですよね。マンガ家やパティシエは分かるんですけど。
職業じゃなく雇用形態ですから。会社員って。
医師や弁護士でも会社員の人っていますからね。
そうなんです。
小学生はともかく、高校生も「会社員」が職業だって思ってるんですかね。
これ、どういうふうに聞いたんでしょう。
聞き方が偏っているのかもしれませんね。
1位が会社員で2位がプログラマーとか。もう、わけがわからない。
どっちも会社員だろ!って(笑)
ですよね。3位の公務員も会社員みたいなもんだし。
もう洗脳なのか、あるいはユーチューバーに対するカウンターなのか。
会社員といっても、いろんな会社があるし。
「いい会社の会社員」ってことだと思いますよ。有名企業の会社員とか。
なるほど。きっとこれ「大企業の会社員」なんでしょうね。
そういうイメージです。
ハードワークが嫌だってことでしょうね。うちの子どもが私の働き方を見て「もっと楽に働きたい」と言ってました(笑)
経営者は嫌だと(笑)
「大変そうだ」って。
悲しいですね、お父さん。
でも、会社員も結構大変ですよ。悠々自適な窓際族なんて、なかなかなれないです。これからの時代はとくに。
ですよね。なぜ会社員がこんなに大人気なのか。
2位以下はどんな仕事でしたっけ?
1位が会社員、2位が公務員、3位がプログラマー、4位が教師、5位が学者・研究者。会社員と公務員を除くと全部スペシャリストですね。
確かにそうですね。
これってジョブ型の会社員になりたいってことですか?
いや反対じゃないですか。大手のゼネラリストになりたいのかも。
パートナーシップ型のいわゆる終身雇用の会社員になりたいと。
私が小学校のときは、夢を聞かれたらジョブを答えないとだめでしたけど。
普通はジョブを答えますよね。なぜ会社員なのか。
仕事はなんでもいいんだけど、「大手のちゃんとした会社で処遇のいいところ」ってことでしょうね。
ジョブ型に対するカウンターでしょうか。
ジョブ型とか専門職とかフリーランスに対するカウンター。
なるほど。
「ひとつの追求より何でもやる」「その方が安定してる」ってことでしょう。
つまり「雇われゼネラリストになりたい」ってことですね。
そのまとめ方が正しいかどうかは分かりませんけど(笑)
小学生がなりたい1位が「雇われゼネラリスト」って、ちょっと虚しい。
僕らの頃は、無理だとわかっていても「プロ野球選手」と書いておく雰囲気があって。
ありましたね。そんな雰囲気が。「お金持ち」とか。
そんな人はいなかったです(笑)
いなかったですか?「なりたい職業 お金持ち」って人。
いなかったですよ。サッカー選手と野球選手の争いでしたね。「公務員」って書く小学生もいなかった。
親が子供に言うんでしょうね。「公務員になれ」って。
先が見えない時代ですから。
公務員だって先が見えないですよ。
会社員よりは安定してるイメージなんでしょうね。
だけど1位は会社員ですから。
やっぱり大手の会社員は安泰だって感じるんでしょう。
公務員よりも?
大手は今どんどん給与を上げてきてますから。公務員だとそんなに増えないし。
中小企業との差がますます開いていきそうですね。
中小企業なんて全くイメージしていないと思います。
トヨタやソニーぐらいしか知らないかも。
小中学生は大手しか知らないと思いますよ。
だったら「トヨタの正社員」と書いてほしいです。その方がわかりやすい。
なりたい職業1位がトヨタの社員ってことですか?それはないでしょう(笑)
いや、実際そうかもしれませんよ。なりたいのはトヨタの正社員。
そうかもしれないですね。
トヨタは「会社員になりたい」というような安定思考の人を欲しがってませんけど。
欲しくないでしょうね。
チャレンジ思考の人とか、専門性を追求したいスペシャリストが欲しいわけで。
そうですね。たぶん教育現場と企業の現場でズレがあるんでしょうね。
ズレてますよ。教育現場では「会社員になりたい」という人を育てている。だけど企業の現場ではもう欲しがっていない。
かつての教育としては大成功しているわけですよ。「エリート会社員になりたい」って人が増えて。
それって大成功なんですか?
昔はそれで大成功だったんでしょう。企業もイエスマンが欲しかったから。
そうか。企業だけが変わっちゃったわけですね。
そう。ゴールが動いてしまった。
だけど教育現場はそこに気がついてない。
教育の仕組みを考える人が昔と同じ思考なんでしょう。このままだと本当にマズいです。
久野勝也 (くの まさや) 社会保険労務士法人とうかい 代表 人事労務の専門家として、未来の組織を中小企業経営者と一緒に描き成長を支援している。拠点は愛知県名古屋市。 事務所HP https://www.tokai-sr.jp/
安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。