このコラムについて
小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?
と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。
「非効率から生まれた小さなブルーオーシャン」
「もう終わった…からの大逆転」
「オワコン」
正式な名称は「終わったコンテンツ」。
ユーザーに飽きられてしまい、
一時は栄えていたものの、
現在では見捨てられてしまった、
ブームが去って流行遅れになった、
時代に合わなくなった漫画・アニメや
商品・サービスなどを意味する
インターネットスラングです。
世の中にはこのオワコンと呼ばれる
サービスはたくさんあります。
観光産業もその一つかもしれません。
コロナ禍でこれからの観光はどうなるか?
団体旅行やバスツアーなどが
オワコンと言われている産業です。
そんな中、人気絶頂のバスツアーがあります。
琴平バス株式会社が手掛けているバスツアー。
三密を避けなければならない昨今、
どんなバスツアーなのでしょうか?
日本初のオンラインバスツアー
「コトバスオンラインツアー」です。
日本初のオンラインバスツアーということも
小さなブルーオーシャンの要素ですが、
今回はこの琴平バス株式会社の
取り組み方に注目したいのです。
やまとごころ.jpからの画像
琴平バス株式会社は
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、
貸切観光バスは99.9%減という事態に。
観光客に人気だったうどんタクシーも
すべてキャンセル。
地元客が利用する一般タクシーも
70%減と厳しい状況に陥りました。
添乗員の山本紗希さんは、
「このままじゃ、会社がつぶれる」と思い、
オンラインバスツアーを社内で提案。
しかし、すぐに「よし、みんなでやってみよう!」
とはならなかったと言います。
メンバーは誰も乗り気ではなく、
「旅行をオンライン化して何が楽しいのか」
「琴平バスのお客さんは高齢の方が多い。Zoomなんて使えないはず」
などの反対意見。
そんな中、社長の楠木さんだけが
「やってみよう。すぐにやろう。3日後にテストだ」と。
日本初のオンラインバスツアーは、
楠木社長と山本さんの2名から始まったのです。
琴平バスがオンラインバスツアーを
世界で最初につくれたのは、
ふだんのバスツアーのつくり方に
あったと思われます。
琴平バスでは、ツアーの企画・調整・添乗の仕事を
プランナーが一人でまとめて担当しています。
実はこれ、業界内では珍しいこと。
観光業界では通常、企画・手配・添乗は
それぞれ別の人が担当します。
一人で企画・手配までしたとしても、
添乗をたくさんこなすことはむずかしいから。
一人のプランナーが企画・交渉・添乗を全部する。
これは一見、非効率に見えます。
しかし、お客さまにプランナーの想い、
ものの魅力が伝わりやすく、
リピートにつながりやすいのです。
当初のオンラインツアーは、
バスツアーの1日になぞらえて作ったそうですが、
すでにある写真をスライドとして見せるだけだったので、
参加者から「これは旅行ではない。単なるツアー紹介だ。」
と言われたそう。
「現地中継をやっぱり入れよう」
「バスが走っている映像が必要だ」
などの建設的な意見が出て手応えも感じ、
バスの車窓映像の撮影、中継の準備、
まち案内の練習をしての1週間後に2回目のテスト。
「後は現地の商品がお客様の手元に直接届くならいけるのでは」
となり、すぐにツアーの発売を決め、
なんと、最初の企画会議からたった3週間弱で
世界初のオンラインバスツアーが実施されました。
最初のツアーは関係者を除くとお客さんは5人だったそうですが、
2021年の5月時点で延べ1900人以上が参加という、
大人気オンラインバスツアーになったのです。
仕事において
効率化や最適化が求められる中で、
あえて逆を行く。
非効率、不適な仕事に、
小さなブルーオーシャンが生まれる
秘訣があるのかもしれません。
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旅行企画実施:琴平バス株式会社 コトバスセールス&ツアーズ
住所:〒760-0065 香川県高松市朝日町5-4-18ボイスビル1F
TEL:087-823-5678
コトバスツアー
https://www.kotobus-tour.jp/
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