第84回「大企業では採算が合わない市場での小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「大企業では採算が合わない市場での小さなブルーオーシャン」


「小ロットの受注がリピートを生み出している」

最近、コンビニエンスストアや
スーパーマーケットでは、
プライベートブランドの
自社商品を出すようになってきましたね。

ご存知の通り、
企画や開発段階で携わっていたとしても、
実際の製造は関わっていないことが
多いのがプライベートブランドです。
これらを
「OEM」(Original Equipment Manufacturing)と言い、
OEMを専門とするメーカーも
あるくらいです。

x3によるPixabayからの画像

製造を依頼する側は、
できるだけ安い金額で、
頼みたいわけです。

一方、受ける側は、
できるだけ高い金額で、
受注したいわけです。

当然ですよね?

その両者の思惑を解消するのが、
「数」です。

受ける側は、小ロットでは、
採算が合いません。
ですから、安い金額受ける代わりに、
たくさんの数を受注するわけです。

これを逆手にとっている会社があります。

名古屋に本社を構える、
「株式会社解決本舗」。
ヘアサロン向けの、
シャンプーやトリートメントを
製造販売をしているメーカーです。
この、株式会社解決本舗は、
10本という小ロットでも
OEM製造してくれるというのです。

大手の化粧品メーカーでも、
OEM対応は行なっています。
しかし、10本のような小ロットで
受注している会社はほぼありません。
小ロットでのOEM販売は、
大手化粧品メーカーにとって
採算の合わないのです。
数十本からの受注を
謳っているメーカーも
あることはあるのですが、
これは、集客のための手法であり、
ゆくゆくは、数百、数千単位に
していく流れです。

しかし、これで儲かるのでしょうか?

株式会社解決本舗の主な顧客は、
オリジナルの化粧品を求める美容室や
エステサロンです。
こうした美容室やエステサロンは、
一度、オリジナル商品を作ると、
他店との差別化が図れること、
そして高収益をもたらしてくれることから、
継続的に取引してくれるようになります。

小ロットのオリジナル商品。
一見すると、面倒くさそうだし、
受注単位も少ないから儲かりそうも
ないように思えます。

だからこそ、他社が真似してこない
株式会社解決本舗とっての
小さなブルーオーシャンになっているのでしょう。

 

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佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

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