このコラムについて
小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?
と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。
「モノマネ芸人の中にもある小さなブルーオーシャン」
先日、縁あって、モノマネ芸人のホリ氏とお話をさせていただく機会をいただきました。お話しの中で、芸能という世界の中にも小さなブルーオーシャンがあるという気づきを得ましたので、お伝えしたいと思います。
ピンポイントの層にウケることの大事さ
ホリ氏が後輩のモノマネ芸人さんとのエピソードをお話しくださいました。
モノマネ芸人さんというのは、たくさんのモノマネの間に歌を挟むのが定石だそうですが、その後輩芸人さんはとても歌がお上手で、歌の間にモノマネを入れるという普通とは逆なんです、なんてお話しをされていました(これはホリ氏がネタとして話されていたことであって、実際にはどうなのかはわかりません)。
ある時、この後輩芸人さんが「TOM★CAT」という1980年代に活躍されたグループの歌唱にとても似ているということがわかったらしいです。そこでホリ氏は、現在、40歳以上の方々にウケるからやってみたらどうかと提案されたそうです。
しかし、その後輩芸人さんにはピンと来ない。モノマネは多くの方々が知っている人の真似をするからこそウケるわけであって、ピンポイントの層のウケを狙っても仕方ない、とでも思ったのでしょうか。
ある時、40歳代以上の方々がたくさんいる懇親会の場があり、ホリ氏はこの後輩芸人に「TOM★CAT」を歌わせてみた。すると、大盛り上がり!
私自身「TOM★CAT」世代なので、ぜひ聴いてみたいと思いました。
モノマネ芸人さんたちは、著名人、有名人の特徴を上手に捉え、少し誇張しながら、笑いにしていかれます。「面白い!」という場合もありますし、「似ている!」「上手!」ということも多々あります。
逆を言うと、特徴のある著名人や有名人は真似されやすく、モノマネ芸人さんたちも、いわゆる「被り」が生じるはずです。これってモノマネ業界のレッドオーシャン。すでにモノマネをしている人よりもさらにさらに面白くするか、上手にやるのか、先人を超えたモノマネをしなければなりません。
しかし、先ほどの後輩芸人さんのように、誰も真似をしていない著名人、有名人というのは「被り」がなかなか起きないのではないでしょうか。確かに、ピンポイントの層にしかウケないかもしれませんが、そこには確実に需要があるわけです。これって、小さなブルーオーシャンですよね。
モノマネをされる方はたくさんいることでしょう。しかしその中でもスターになっていけるのはほんの一握り。スターになっている方というのは、自分自身の小さなブルーオーシャンを見つけ、それを磨き続けているのかもしれませんね。