好きと得意の関係

自分が本来望むことを仕事にできて、ちゃんと暮らしていければ、みんなもっと健康になるんですか?

なると思います。

そのためには、まず「自分が何をやりたいか」って声が聞こえないとダメですよね。

はい。そこがすべての始まりだと思います。

じつは以前、60歳で定年になった方が相談に来られたことがあって。

はい。

「65歳まで延長できるけど、ずっと社員をやってきたんで、思い切って辞めます。これから好きなことをやって生きていこうと思います」って言うんですよ。

素晴らしいじゃないですか。

私も「素晴らしいですねえ」って言ったんです。だけどその人「私はいったい何をやりたいんでしょう?」って聞いてくるんですよ。

そういうことはよくあります(笑)

「えーっ!?」って感じでしたけど。じゃあ、その人が特殊なわけじゃなく、みんなそうなんですね。

よくあります。

私はそういう人に会う機会がないので、すごくびっくりしたんです。これって普通のことなんですね。

みんな自分の好きなことがわからないから、とりあえずお給料をもらえているし、安定するように見えるから、頑張って働き続けるんです。

自分の好きなことが分からないものですか。

好きなことが明確にわかるってすごいことなんですよ。

へぇ~。

その時点で人生すごく自分らしく生きられているということ。みんなそれがわからないから、「なんかモヤモヤするけど我慢する」って方向に行くんです。

なるほど。

本当に好きなことって、ネイティブな感情を抑えていると絶対に見えないんです。

ネイティブな感情?

悲しみとか怒りとか。それをちゃんと見ていく。感じられるようになっていく。そのあとなんです。「ワクワク」とか「生き生き」とか「おもしろい」とかが出てくるのは。

なるほど。そういう順番なんですね。じつは私も最近発見した理論がありまして。

何ですか?

「好きと得意の関係」という理論なんですけど。「好き」と「得意」を一致させるには、好きなことを得意になるか、得意なことを好きになるしかなくて。

そうですね。

たとえばサッカー好きな人がプロになるって、難しいじゃないですか。

難しそう。

となると「得意」を好きになるしかなくて。天才と呼ばれる人は好きなことが得意なんじゃなくて、得意なことを大好きになれる人ではないかと。

なるほど。好きになれるところがすごいんですね。

そうなんです。問題は天才ではない人が、どうやって得意を好きになればいいか。

どうするんですか。

無理やり好きになるって難しいので、嫌いなことを減らしていけば自然に好きになるんじゃないかと。そう思い立ったわけです。

私もそう思います。「まず嫌なことをやめる」というほうが先。

おお!私の理論は合っていたんですね。

はい(笑)合ってると思います。
> 第9回「 人はいきなりプラスになれない 」へ続く