第49回 移住候補地、美濃加茂市

この対談について

株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。

第49回 移住候補地、美濃加茂市

安田
実はここ最近、「美濃加茂」という場所に縁を感じる出来事が立て続けに起きているんですよ。

鈴木
え、そうなんですか?(笑)
安田
はい。まずは当然のことながら、鈴木さんとのご縁。で、同じように対談をさせていただいている造園関係の方がいらっしゃるんですが、その方も美濃加茂で。その方がお庭を手がけられた鍼灸院が美濃加茂にあるんですが……

鈴木
確かに美濃加茂続きですね(笑)。
安田
そうなんです。で、私が東京で一緒にお仕事をしている神奈川県葉山町の鍼灸院の先生がいるんですが、なんとその美濃加茂の鍼灸院の先生と親友だったんですって!

鈴木
へぇ! そんな偶然が。
安田
そうなんですよ。こんな感じで最近いろんな人とつながると、最終的にいつも「美濃加茂」に行き着くという現象が起きていて(笑)。人の「縁」というのはおもしろいですね。

鈴木
本当ですね。安田さんと美濃加茂にそんなに深いつながりができていたとは…(笑)。
安田
笑。というわけで今回は、鈴木さんから美濃加茂についていろいろお聞きしてみたいなと。

鈴木
なるほど。…安田さん、もしかしてこっちへの移住を考えられていたりします?(笑)
安田
実はちょっと思っているんです(笑)。私も結構いい年になってきたこともあり、そろそろ「終の棲家」を構える場所探しを始めようかなって。というのも私、今は東京にいますけど、都心で人生の最期を迎えるのは嫌なんですよ。

鈴木
それで美濃加茂も候補に挙げてくださっているわけですか(笑)。
安田
そうそう。この対談でも何度も登場している、納屋付き・畑付き・車庫付きで250坪200万円の物件ありますよね? あのお話を聞いてから、俄然、美濃加茂周辺に住むのも楽しそうだなぁと思い始めていて…。

鈴木
確かに安田さん、あの物件の話を何度もされるのでよほど気になっているのだとは思っていましたが。まさか移住まで考え始めているとは(笑)。
安田
笑。とはいえ現段階では何もイメージできていないので、美濃加茂がどんな場所で、どういう暮らしができるかというのを教えていただきたいと思っています。

鈴木

はい、もちろん。美濃加茂は「木曽川」と「飛騨川」が合流している場所にあります。古くは「中山道(なかせんどう)」の「太田宿」という宿場町として栄えていたところで。

安田
へぇ。そういえば木材などの荷物は、陸路ではなく船で運ぶことが多かったんですよね。

鈴木
そうそう。そういうこともあって川沿いに宿場が点在していて。で、美濃加茂は2本の川が合わさっていることもあり「要処」として賑わっていたと言われています。
安田
なるほど。昔からたくさんの人たちが行き交う場所だったんですね。今も県外から転入してくる方は多いんですか?

鈴木
多いと思います。最近は「住みやすい街ランキング」のようなものでも、わりと上位に食い込んでいますし。
安田
へぇ、そうなんですね。交通の便はどうです? やっぱり車がないと移動は大変ですか。

鈴木
そうですねぇ。買い物やちょっと郊外に行くにも車はあったほうがいいと思います。
安田
徒歩移動はなかなか難しいですか(笑)。

鈴木
東京のようにすべてがコンパクトにまとまっていないので(笑)。ただ、電車のアクセスは悪くないですよ。たとえば名古屋までは1時間かからずに出られるし。ちなみに車だと50分くらい。
安田
ほぉ。都心に出るのは、電車も車もあまり大差ないんですね。

鈴木
そうそう。あと、僕が名古屋や京都に出張する時によく使うのはJR「美濃太田駅」か、名古屋鉄道「犬山駅」なんですけど、主要駅への接続がいいから便利ですよ。
安田
なるほど。では、土地はどうですか。坪単価どれくらい?

鈴木
美濃加茂市だったら、高くても1坪20万円くらいじゃないかなぁ。
安田
え、ということはあの250坪200万円の物件ってめちゃくちゃ安かったんですね! 1坪1万円もしてないですよ?

鈴木
そうですね。まああそこは周りが山以外何もない場所ですし…(笑)。あと、正確には美濃加茂の隣町ということもあり、かなりお得な物件でした。
安田
そういうことだったんですね。ちなみに仕事はどうなんですか。やっぱり地元だとなかなか求人はなくて、名古屋とか都心の方に出ないといけなかったりしますか?

鈴木
いえ、そんなこともないですよ。ものすごい高給を望まなければ(笑)、美濃加茂でもわりと働き口は多いと思います。10年くらい前にはミツカンさんの工場も移転してきているので。
安田
あ、そうなんですか。地元に工場があると安定的な求人がありますよね。

鈴木
そうそう。で、ミツカンさんの工場移転の理由が、美濃加茂は災害が少ないからという理由だったそうです。この辺りって地盤が硬いから大きい地震が起きづらいんですって。しかも海なし県だから津波の心配もなくて。
安田
おぉ、それは終の棲家を構える場所として、かなりポイントが高いかも!(笑) ちなみに私にはまだ小さな子どもがいるんですが、教育環境はどうでしょうか?

鈴木
うーん…。もし田舎の方に住みたいというのであれば、小学校や中学校にはバスで通うことになると思います。
安田
さすがに徒歩通学は難しいですか。

鈴木
郊外だとそうですね。ただ行政が通学用のバスを出してくれているので、親がわざわざ送り迎えしなくても子どもだけで通学できますけどね。
安田
なるほど。私はどうせ住むなら田舎度の高いところがいいと思っているので、そういう情報はありがたいです(笑)。

鈴木
安田さんが思い描くような田舎暮らしだと、八百津(やおつ)もいいかもしれませんね。美濃加茂から車で30分くらい行ったところにあるんですが、ここは本当に周りは山ばっかり。森林浴、し放題ですよ(笑)。
安田
あ〜いいですね〜最高です(笑)。あと、私は食べることも大好きなので、ぜひ美濃加茂でおすすめの食べ物も教えてください!

鈴木
うーん…実はあんまり名物がないんですよ…(笑)。あ、お肉は飛騨牛が安く食べられますよ。
安田
たしか以前、鈴木さんに連れて行っていただいたお店で飛騨牛食べましたよね? すごく美味しかった記憶があります。

鈴木
お〜それは良かったです(笑)。あとは飛騨の郷土料理といえば「けいちゃん」かな。
安田
けいちゃん、ですか?

鈴木
はい。「とんちゃん」の鶏肉版。豚のホルモン焼きのことを「とんちゃん」っていうんですが、豚の内蔵の代わりに鶏肉を使うのが「けいちゃん」です。味噌味とかもあって結構美味しいんですよ。ぜひ今度食べに来てください(笑)。
安田
いいですねぇ。今回いろいろとお話を聞いて、ますます美濃加茂に興味が湧いてきました。近々、終の棲家となる場所の視察も兼ねて、遊びに行かせていただきたいと思います!

 


対談している二人

鈴木 哲馬(すずき てつま)
株式会社濃飛葬祭 代表取締役

株式会社濃飛葬祭(本社:岐阜県美濃加茂市)代表取締役。昭和58年創業。現在は7つの自社式場を運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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