泉一也の『日本人の取扱説明書』第81回「道をひらく国」

明治以降、国が外国への移民政策をはじめた途端、ブラジルやアメリカをはじめ世界中に日本人は次々と移住をした。現在、外国に住む日系人は380万人といわれている。横浜市の人口とほぼ同じである。

これでわかっただろう。日本人が定住民族というのは先入観に過ぎず、移動し、交流し、新天地を探すDNAを本来持っている民族なのである。定住民族という先入観に縛られ、DNAのスイッチがオフになっているのが現代日本人といっていい。本来の情熱を眠らせているのだ。
もしこの情熱のスイッチがオンになると、日本は世界ともっと交流を始める。宇宙に飛び出していく人も増えるだろう。狭い日本社会に不満を言っている暇もなくなり、世界のいいところをどんどんマネしはじめるだろう。そして外国の人たちと組んで、アベンジャーズのようなチームを作るだろう。

ということは本来の日本人に戻すなら「定住民族化」させているものをとっぱらっていけばいい。マイホーム政策、義務教育、終身雇用といったものをなくす。親は子供の教育費と住宅ローンがなくなり、会社に縛られなくなる。子供は奨学金返済の縛りもなくなる。お金にも所属も自由になったことで、新しい道をつくりはじめるだろう。

日本人がビザなしで訪問できる国は190カ国。世界最強のパスポートを持っているなら、その武器を使わない手はない。世界中には380万人の同じルーツをもつ日系人たちもいる。世界覇権をしたにも関わらず、先人たちのおかげで親日の国もたくさんある。言葉もスマホとグーグル翻訳アプリがあれば問題ない。

令和の時代は海外旅行や海外交流ではなく、インターナショナルなチームを作る時代である。インターナショナル・チームという言葉に、ワクワクしたあなた、すでにDNAのスイッチがオンになっている日本人である。もう、和ベンジャーズのメンバーなのである。

著者情報

泉 一也

(株)場活堂 代表取締役。

1973年、兵庫県神戸市生まれ。
京都大学工学部土木工学科卒業。

「現場と実践」 にこだわりを持ち、300社以上の企業コーチングの経験から生み出された、人、組織が潜在的に持つやる気と能力を引き出す実践理論に東洋哲学(儒教、禅)、心理学、コーチング、教育学などを加えて『場活』として提唱。特にクライアントの現場に、『ガチンコ精神』で深く入り込み、人と組織の潜在的な力を引き出しながら組織全体の風土を変化させ、業績向上に導くことにこだわる。
趣味は、国内外の変人を発掘し、図鑑にすること。

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