この対談について
住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。
第1回 「肝臓マーケティング」からの卒業
第1回 「肝臓マーケティング」からの卒業
渡邉さんとはワイキューブ時代の腐れ縁と言いますか。確か新卒2期生だったんですよね。
そうです。ワイキューブの社員がまだ30人いるかいないかくらいの頃ですね。
なんでまたワイキューブを選んだんですか。他に内定がもらえなかったんですか。
いやいや(笑)、僕はわりとイケてる学生だったんで、大手企業からも結構内定はもらってましたよ。ただなんというか、これは前から公言してるんですけど、「人生すべてネタ作り」だと思ってまして。
つまり、ワイキューブに入ったのは「ネタ」だったと。
そういうことです。一番ネタになる会社に入りたいと言うか、皆が反対したり馬鹿にしたりするような会社がいいなあと思ってまして。安田さんに対してはちょっと失礼な話ですけど。
かなり失礼ですね(笑)。
すみません(笑)。あとは当時から社長になりたいと思ってたんです。で、社長になるなら、看板に頼らなくても仕事が取れる営業力が必要だなと。そんなときにワイキューブの入社案内が届いて。
覚えてます。三越乗っ取り計画とか、大阪城買収計画とか、そんな話ばかり書いてあるやつですね。
そうそう(笑)。何屋さんか全然わかんなかったんですけど、「ここに入ろう!」と決めまして。
あれに騙されてしまったわけですね(笑)。
そうです(笑)。絶対に受かりたかったので、面接のシミュレーションめちゃくちゃしましたから。安田さんや役員さんが喜びそうな話を4パターンか5パターン考えて。
「私を採用したら売上を100倍にします」とか、めちゃくちゃな営業をされた記憶があります。
「3年で辞めますけど、そのときには銅像立つくらい活躍してるはずですから」とかね。
それを信じて採用してみたら、入社1年くらい売上ゼロでしたけどね(笑)。そのせいでワイキューブは潰れちゃって。
ちょっと、そんなことはないでしょう(笑)。まあでも、2年目からは社長秘書をやらせてもらって、そこで「なぜお前は売れないのか」を教えてもらいましたね。
そんなことしましたかね。ちなみに私は何と言っていたんですか?なぜ渡邉くんは売れないのか。
「君は営業力というものを勘違いしている」とよく言われてました。
私の記憶にあるのは、傘の持ち方を怒ったことくらいなんですよね。なぜか渡邉さんは、傘を地面と平行に持っていたんですよ。
そうでしたっけ。
そうですよ。それじゃあ尖った先端が後ろの人に刺さっちゃうじゃないか、危ないだろうと怒ったんですけど。営業って相手の心を読む心理戦なのに、そんなこともわからない奴が売れるわけないじゃないですか。
なんか当時は「遅れてきた反抗期」みたいな感じだったんですよね(笑)。
反抗期は上司じゃなく親にぶつけてほしいですけど(笑)。
親にはなかったんですけど、安田さんにはなぜかあったんですよね。
まあ、ともあれその後は会社を作って独立されて。あれは何歳くらいの時でした?
28歳くらいですかね。入社3年で辞めると言いながら、結局6年くらいはワイキューブにお世話になりました。起業の際もたくさんアドバイスをいただきましたし、出資もしてもらって。
「お金を借りれるだけ借りて、使えるだけ使え」って言ったら、本当にそれをやって数年で潰れそうになってましたよね(笑)。
2年目で2億くらい借金をしたんです。銀座にオフィスを構えて、20人社員を雇って。これで安田さんの言うように絶対売上があがる!と思っていたのに、人件費と家賃だけで借入金があっという間に溶けまして(笑)。
まあ、それで絶対儲かるなら経営者さんは苦労しませんから(笑)。ところで昔話はこれくらいにして、今回この対談に申し込まれた理由は何だったんでしょう。
そうですね。実は私が株式会社ランリグを立ち上げて来年で20周年なんですけど、今だに「何屋さんかよくわからん」って言われるわけですよ。
住宅業界の会社に対するサービス全般やってますもんね。ホームページも作るし採用の手伝いもするしブランディングもやるしっていう。
そうそう。住宅業界の経営者さんの「こんなことで悩んでるんだけど」「こんなのできないの?」っていうニーズに全部応えるっていうのが大きなテーマで。
しかも渡邉さんは、そういうニーズを飲み会で拾ってくるんですよね(笑)。
ええ、「肝臓マーケティング」って呼んでるんですけど(笑)。飲み会を毎日のように開いて、そこで社長さんたちの話を聞くことがお仕事のスタートです。
住宅業界の社長さんたちが相手だと、お金もけっこう大変な気がしますけど。
まあ、ある種の宣伝費ですよね。広告を出さない代わりに肝臓を捧げていると(笑)。ただ、うちはいま20人くらい社員がいますが、肝臓を捧げているのは私だけなんです。
このままいくと、会社が大きくなるより先に渡邊さんの肝臓がダメになってしまうと(笑)。
そういうことです(笑)。ということで肝臓マーケティングを卒業すべく、新しい事業を考えたんです。それが「その道のプロ」という事業なんですけど。
本対談のタイトルにもなっている新事業ですね。今後はこの事業に注力していくと。
ええ。「その道のプロ」事業をしっかりブランディングしていくために、安田さんにも協力してもらおうという狙いです(笑)。
なるほど、わかりました(笑)。では次回はその「その道のプロ」事業についてじっくりお聞きしていきたいと思います。
対談している二人
渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役
1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。