第263回「製薬会社のドロドロ物語」

この記事について

2011年に採用ビジネスやめた安田佳生と、2018年に採用ビジネスをやめた石塚毅による対談。なぜ二人は採用ビジネスにサヨナラしたのか。今後、採用ビジネスはどのように変化していくのか。採用を離れた人間だけが語れる、採用ビジネスの未来。

前回は 第262回「エンジンがなくなる日」

 第263回「製薬会社のドロドロ物語」 


安田

過去最高益なんですか?塩野義製薬が。

石塚

コロナですよ。コロナの薬で大儲けしてます。

安田

だけど過去最高益なのに希望退職を募るっていう。

石塚

50歳以上に絞ったリストラですね。

安田

そこは業績関係なしってことですか。

石塚

ちょっと前のSONYと同じですよ。最高益の時にリストラして。次を見据えて、さらに筋肉質な会社にすると。

安田

税金を払うぐらいならリストラするってことですか。

石塚

退職金が大きいので、退職金債務を減らしていくってことですね。

安田

コロナで儲かって先行き安泰じゃないですか。

石塚

いやいや。先行きはたぶん不安だらけですよ。塩野義製薬の規模だと世界競争には生き残れないと思ってるでしょう。

安田

なんと。塩野義製薬でもムリですか。

石塚

新しい薬の開発に膨大なお金がかかるから。これは僕の私見ですけど、塩野義はもう売却したいんだと思います。

安田

え〜!売却しちゃうんですか。

石塚

そう。出来るだけ高く売る。創業家はそれなりのものを手にして、あとはグローバルのグループに入ってくださいと。

安田

今回のリストラはその準備でしょうか。

石塚

僕はそう思ってます。製薬会社の50歳以上って、間違いなくそれなりのポジションにいるから。報酬1500万を下る人なんか誰もいないはずです。

安田

そこを整理しておきたいと。

石塚

その人たちの退職金って8千万円ぐらいありますから。

安田

そんなにあるんですか!8千万円?

石塚

製薬会社っていいんですよ。だからみんな行きたい。

安田

今回は200人のリストラですからすごい金額ですね。

石塚

8千万×200で160億円ですよ。

安田

すごい。

石塚

160億の将来債務を外して若手にどんどん権限移譲をしていく。

安田

でも、それなりの退職金は払わないといけないでしょう。

石塚

もちろん。だから最高益でやるんですよ。手元にキャッシュあるから。納税するぐらいだったら先に整理しておこうと。

安田

それは外資に売るためですか。

石塚

グローバル化するために。「英語も話せねえようなやつはなるべく減らそう」「ディレクター、マネージャークラスで英語が喋れないやつはいらない」と。

安田

なるほど。

石塚

アメリカ系かドイツ系かイギリス系かは分かりませんが、どっかのグループに入ろうよと。スイスでもいいし。

安田

武田薬品さんも、実はもう外資だっておっしゃってましたよね。

石塚

外資というか武田はもう完全なグローバル企業なんです。創業家が武田家ってだけです。

安田

創業家はどうしてるんですか。

石塚

創業家は見事ですよ。もう完全に所有と経営の分離でデーンとやってます。

安田

製薬事業は日本人には向いてないってことですか。

石塚

向いてないというより、研究開発コストの桁がでかいから「1社で持てるのか」って話ですよ。

安田

グローバル企業が狙わないような小さな市場を狙えばいいじゃないですか。

石塚

その市場をやるのにどんだけ新薬の開発金がかかるか。しかも患者が少ないとあんまり儲からないし。

安田

競合も少ないでしょうから、そこで堅実に儲けるとか。

石塚

いや、特許が切れたらすぐコピー品が出てきます。

安田

厳しい世界ですね。

石塚

それに市場が小さくても開発費は同じなので。下手したらもっとかかったりして。

安田

患者が多い病気が増えた方が大手製薬会社は儲かるってことですね。

石塚

だからファイザーのワクチンとか美味しかったわけですよ。ボロ儲けってああいうこと言うんでしょう。

安田

コロナが3年に1回ぐらい来てくれたら嬉しいわけですか。

石塚

よく陰謀論と言われる所以がそこですよ。病気って製薬会社が仕掛けて起こしてるんじゃないかって。

安田

野生の動物は薬を飲まないから病気にならないって言われますもんね。

石塚

病院に行くと病気になるとか。よく言われる話です。

安田

恐ろしい。

石塚

こんな話をすると来月あたり東京湾に浮いてるかもしれない(笑)

安田

流石にそれはないでしょう。日本は法治国家ですから。

石塚

製薬会社ってほら、政府も絡むので。しかも世界規模ですから。

安田

なんと。もはや武器と同じですか。

石塚

そうですよ。ウクライナとロシアを停戦させないのも、ドイツやアメリカが武器売りたいからで。「停戦の時期は慎重に考えないと」ってバイデンが言ってるでしょう。

安田

古い武器を全部あそこで使っちゃいたいとか。

石塚

そうですよ。トルコのエルドアンも言ってるでしょう。「NATO入り一応OKするからウチのドローンたくさん買えよ」って。

安田

薬もそれと変わらないドロドロした世界だってことですか。

石塚

結局どちらもビジネスなんです。戦争や未知の病が5年に1遍ぐらい起きてもらって。

安田

そう言われると疑いたくなりますね。コロナは一体なんだったのかって。

石塚

コロナみたいな未知の病気って、わかんないからみんな警戒するじゃないですか。

安田

そりゃしますよ。味覚がなくなるとか肺炎で死ぬかもとか言われたら。

石塚

でも終わってみりゃ、そんなに亡くなってなくて。

安田

日本ではいまだに8回目のワクチンとか打ってる人がいますけど。

石塚

何も考えてないんでしょう。メッセンジャーRNAワクチンなんて、我々が生きてるうちに検証できるかどうかもわかんないですよ。

安田

政治家や医者はあんまり打ってないって言われてますよね。

石塚

そう聞きますね。プーチンもロシア製のワクチンは一切打たないっていうし。

安田

それを国民に打たせるなんて。製薬会社と政府は本当に繋がってるんですかね。

石塚

そりゃそうですよ。厚生労働省に新薬の承認をもらわない限り販売できないんだから。それはもうズブズブ、ドロドロでしょ。

安田

製薬会社のグローバル化もあっさり承認されますか。

石塚

されると思います。必ずどこかのグループに入らざるを得ないし。

安田

今後は外資系の製薬会社とズブズブ、ドロドロになっていくんでしょうね。

石塚

もうなってるでしょう(笑)

安田

そこで働く日本人の社員はどうなるんですか。

石塚

重宝されると思います。半導体と同じで日本人の作る技術は世界的に見ても高いんです。新しい薬をレシピ通り作るスタッフとしてはすごく優秀なんです。

安田

開発は得意じゃないけど、言われた通り高品質で収めることに関してはすごく優秀だと。

石塚

はい。そこに関してはジャパンイズナンバーワンです。

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石塚毅
(いしづか たけし)
1970年生まれ、新潟県出身。前職のリクルート時代は2008年度の年間MVP受賞をはじめ表彰多数。キャリア21年。
のべ6,000社2万件以上の求人担当実績を持つ求人のプロフェッショナル。

安田佳生
(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

 

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