第27回 社長に向いている2つのタイプ

この対談について

住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。

第27回 社長に向いている2つのタイプ

安田

渡邉さんも日々感じていらっしゃると思うんですけど、社長ってやることいっぱいあるじゃないですか。


渡邉
ありますねぇ。採用から資金繰りから商品開発から営業から……会社を始めて間もない頃は、特に何でもやらないといけません。
安田
そうなんです。とはいえ、何でもできる人ってあまりいないと思うんですよね。

渡邉

言われてみるとそうですね。どこかしらに偏っている気がします。

安田
そうですよね。日本は「何でもできるゼネラリスト」が求められがちですが、人には向き不向きがありますから。

渡邉
どんなに頑張ったところで、全員が100mを11秒台で走れるわけじゃないですし。
安田
ええ。仕事も同じなんですよ。経理に向いている人や受付に向いている人がいるのと同じように、リーダーに向いている人がいるだけで。

渡邉
そうですね。社長業にも「向いている人」「向いていない人」がいますもんね。前提として、ある程度神経が図太くないと駄目だと思います(笑)。
安田
そこは外せないですね(笑)。他にはどんなタイプが向いていると思いますか?

渡邉
大きく分けると2パターンある気がします。1つは現場のオペレーションに強いタイプで、もう1つはまだ世の中にないビジネスを見つけるのがうまいタイプ。
安田
ははぁ、なるほど。つまり、まだないマーケットを自分の感性とアイデアでゼロから生み出していく「CEO」タイプと、それを実際に商品開発から営業、納品の仕組みまでを考える「COO」タイプにわかれると。

渡邉
仰るとおりです。その両方の掛け算でビジネスが成立するんだと思うんです。
安田
確かに。私はゼロイチを考えるのは好きですけど、組織運営やオペレーションは嫌いなんです。だからそういう人が一緒にいないと成り立たない(笑)。
渡邉

僕もそのタイプですね(笑)。でも中小企業の経営者って、どちらかといえば現場のオペレーションに強い人が多いですよね。

安田
そうですね。というか、そういう人に有利な時代だったんだと思います。無駄遣いせず、公私混同せず、厳しいこともしっかり言って、やるべきことをやっていれば成立してましたから。

渡邉
そうなんですよね。今後ももちろんそういう能力は必要なんですが、必ずしも社長がやらなくてもいいんじゃないのかなと。
安田

なるほど。社長の代わりに実行してくれる人がいればいいわけですからね。番頭さんみたいな。


渡邉
そういうことです。でも中小企業では、その役割を社長が担っている会社が圧倒的に多いんですよね。今までは「経営のオペレーションをやる人=経営者」っていうイメージだったので。
安田

経営オペレーションができる人を社内で育てたかったんだけど、結局育て切れなかった。それで社長がその役割を続けているというケースが多いんでしょうね。


渡邉
そうかもしれません。先ほど安田さんが仰ったように、今までは「新しい価値を生み出す」みたいなゼロイチ的発想がなくても会社は成り立っていた。でも、これからは難しいんじゃないかと思います。
安田

私もそう思います。ということは、社長がもし番頭さん的なタイプなら、他にゼロイチの部分ができる人が必要になりますよね。

渡邉
ええ。逆に社長がゼロイチ型なら、現場のオペレーションを回せる人を採らないといけない。
安田

社員をそこまで育て切るのが難しいとすると、外部のスペシャリストを充てていくしかないですよね。


渡邉
そうですね。僕自身、現場オペレーションが回せるフリーのスペシャリストが欲しいですから(笑)。
安田
欲しいですよね(笑)。でもこれからそういう人は絶対出てくると思いますよ。それなりの報酬を払わないといけないでしょうけど。

渡邉
最低でも年収2000万円くらいからでしょうね。ここをケチって1000万円程度で採ろうとすると、中途半端な人しか集まりませんから。
安田
まあでも、社員をそのレベルまで育てるコストと労力を考えたら、そう高くはないですよ。

渡邉

そうですね。ちなみにそういうことができる人って、数的にはどのくらいいると思いますか?

安田
日本全体で1000人くらいでしょうね。実際はその10倍はいると思うんですけど、既に自分で会社を経営していたり、同族経営の仕組みの中にいたりする人がほとんどなので。

渡邉

ああ、なるほど。フリーで動ける人となると、実質1000人ぐらいになると。どういう経歴の方たちなんですかね?

安田

大きい会社で1部門を任されていたり、子会社の社長経験があったりする人たちでしょうね。頭もよくリーダーシップもあって、さらに性格も良くて。

渡邉
僕や安田さんみたいなゲリラ的な人じゃなくて、オーソドックスな王道のキャリアを歩んでききたわけですね(笑)。

 


対談している二人

渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役

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1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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