第3回 営業経験ゼロで、すごいトークスクリプトを書く人

この対談について

住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。

第3回 営業経験ゼロで、すごいトークスクリプトを書く人

安田
外部のスペシャリストに会いまくっていたら、どんどんネットワークが広がって2000人規模になった。そんな話でしたが、実際どんな人達なんですか?

渡邉
もちろんいろんなタイプの方がいらっしゃるんですが、いわゆる「バランス型」の人はあまり多くないですね。
安田
というと?

渡邉
なんというか、いろいろなことを満遍なくこなすというより、ものすごくニッチなところに関して爆発的な能力を発揮するというか。例えば、「営業トークに特化した人」っていうのがいるんですけど。
安田
へえ、どんな会社からでも契約が取れる、という感じですか?

渡邉
そうじゃなくて、その人、営業の現場には一切出たことがないんです。
安田
えっ、営業現場に出たことがない??

渡邉
そうなんです。それなのに、彼が書いたトークスクリプト通りに営業すると、商品がバンバン売れていく。
安田
どういうことですか?なんでそんなことになるんでしょう。

渡邉
実は彼は役者さんなんです。で、「営業マン」という役柄になったつもりでトーク内容を考えるんだそうです。説明の内容はもちろん、表情とかタイミングとか。そのスクリプトを1000社分くらい作って持ってるんですよ。
安田
ははあ、おもしろい。つまり各社のトップ営業マンになりきるわけだ。

渡邉
まさにそういうことです。そういう意味では、トークスクリプトというより「台本」って感じですよね。
安田
なるほどねえ。それでバンバン商品が売れていくと。とは言え、その仕事を仮に正社員でやろうと思うと、厳しいですよね。

渡邉
仰るとおりです。「トークスクリプトだけを書きまくる仕事」なんて基本ありませんし、仮にあっても高い給与では雇えない。
安田
ええ。あるいは兼業で他の仕事をバンバン頼むことになるでしょうね。トークスクリプトだけじゃなく、ちょっとブログも書いといてよとか、SNSの運用も頼むよ、とか。

渡邉
ああ、ありそうですね(笑)。中小企業の社長さんは、なるべく外注せず社員さんにやらせようとしちゃいますから。
安田
そうそう。前回も言いましたが、確実に利益になる仕事以外を頼むと、赤字になっちゃんですけどね。実は私、企業の赤字の源泉は3つあるってことを突き止めたんですけど。

渡邉
へえ、それは何なんでしょう。
安田
1つ目は、社員にやらせてはいけないことをやらせてしまうこと。能力に見合わないことや、キャパ以上のことを頼んでしまうと。そして2つ目は、社員を育てようとすること。

渡邉
ほお、なんだか逆説的ですね。
安田
「今は赤字社員だけど、俺が育てたらこいつはできるようになるはず」って、頑張って育てて、それで育った人ってあんまり見たことがない(笑)。それから3つ目は、昇進させることですね。

渡邉
昇進もですか(笑)。
安田
日本の企業って、ご褒美的に昇進させるじゃないですか。現場に向いている人がマネジメントにも向いているかはわからないのに、頑張ったから、結果を出したからってマネージャーにしちゃう。

渡邉
それでマネジメントがうまくいかず、チームの成績は下がっていくと。確かに赤字の源泉かもしれない。
安田
そうなんですよ。だから逆に言えば、社員にルーティン以外の仕事をさせず、育てようとせず、昇進もさせなければ、会社は自然と黒字化していくんじゃないかと。

渡邉
なるほどなあ。その中の「ルーティン以外の仕事をさせない」っていうのは、外部の力を借りるしかないですね。
安田
ええ、それしかないと思います。社内で育てるんじゃなく、もう既に育ってる人を外部から連れてくる。そういう人は昇進させる必要もないわけですし。

渡邉
なるほど。安田さんの仰る赤字の源泉をすべて回避できると。
安田
ええ。一方で、例えばさっきの「トークスクリプトに特化した人」みたいに、超ニッチな人ってなかなか出会えないでしょう?ランリグさんはどう見つけたんですか。

渡邉
そうですね。いろいろなパターンがありますが、優秀な人って別の優秀な人とけっこう繋がっているんですよね。なので紹介してもらったり。あとは公募する場合でも、「営業できる人」みたいなフワッとした集め方はしないですね。
安田
「肝臓を捧げられる人」とか書くわけですか(笑)。

渡邉
「飲み会で営業するのが得意な人」は実際に10人くらい登録してもらってますね。そのうち4人は元ワイキューブの人たちなんですけど(笑)。
安田
なんと(笑)。ともあれ、そういうニッチな集め方はいいですよね。

渡邉
そうなんですよ。細分化していくと、意外と「これ俺のことやんけ!」って人が集まってきたりもするので。「とにかく面接で百発百中で口説き落とせる人」とかね。
安田
ああ、面接は私もよくやっていましたからわかります。ちなみに面接において私が必要だと思うのは「見抜く専門」の人なんですよ。

渡邉
見抜く専門の人?
安田
ええ。面接ってね、「惹きつける人」と「見抜く人」が必要なんです。で、社長っていうのはだいたい「惹きつけ上手」なんです。でもよくないのは、ビジョンとかを語った時にキラキラした目で聞いてくれたりすると……

渡邉
それだけで採用したくなっちゃう(笑)。
安田
そうそう(笑)。冷静な判断ができないんです。だから面接は2人1組でやるべきで、「惹きつける」人と、それはもう冷ややかな目で「見抜く」人。

渡邉
なるほど、おもしろいですね。ともあれ実際、社長っていうのはいろんなことを細分化して見ていかないといけませんよね。そしてそのピースのいくつかに「その道のプロ」がはまったら嬉しいなあと。
安田
要するに、中小企業さんが「こんな人いないかな」と声をかけてくれれば、渡邉さんが2000人の中からピタリとはまる人を紹介してくれるサービスってことですよね。

渡邉
そういうことです。もちろん登録者は集め続けていますので、我こそはという方はご連絡いただければと。

 


対談している二人

渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役

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1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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