第40回 人手不足も利益不足も「ブランディング」で解決

この対談について

住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。

第40回 人手不足も利益不足も「ブランディング」で解決

安田
「人手不足による倒産が過去最多」と言われていますが、それだけ人材確保が難しい時代になったということですね。採用コストも物価が上がるにつれてどんどん高くなっていますし。

渡邉
本当にそうですね。人を採用して定着させようと思うと、給料を上げるだけじゃなく休みを増やしたりしなければならないし、福利厚生も充実させないといけない。
安田

そうそう。でも、その結果会社の利益がどんどん減っていってしまう。「人手不足を解消しようとした結果、利益不足で倒産しちゃいました」というような、本末転倒なことまで起こり得るんじゃないかと思うんです。


渡邉

ああ、なるほど。確かに「人手不足の解消」だけにフォーカスしてしまうと、そういうことが起こってしまうかもしれませんね。

安田
人手不足と利益不足。両方同時に解決していかないといけませんよね。渡邉さんとしては、どういうやり方があると思いますか?

渡邉
人材面でも利益面でも好調な会社の共通点として、「ブランド力がある」ということだと思っていて。しっかりブランド力があるから値上げもできるし採用力もある。さらに言えば定着率も高いわけです。
安田
ははぁ。値上げも採用力も定着率も、すべて「ブランド力」が起点になっていると。ちなみにランリグさんには「ブランド力を上げたい」というような相談もあるんですか?

渡邉
お客様側からダイレクトに言われるというよりは、様々なご相談の解決策として「ブランディング」というキーワードを出すことが多いですね。とはいえブランディングのとらえ方はまちまちなので、定義のすり合わせからじっくり行う必要がありますけれど。
安田
確かに。今でも「ブランド力=知名度」くらいに考えている経営者が多いですもんね。

渡邉
ええ。あるいは「ブランディング=クリエイティブ」だと思っている方も多いですね。ホームページやLPさえ作ればいいと考えてしまう。そうではなくて、ブランディングというのは会社が目指すべき方向性や価値の「核」を作ることです。ホームページもLPもその「核」から派生していくものだということをまずお伝えしています。
安田
なるほど。ということは、ブランディングのプロジェクトが始まったら、まずはその「核」の定義から始めるわけですね。

渡邉
いわゆる「会社のコンセプト」を明確にするところからですね。どういうターゲットから「大好き!」って言われたい会社なのか、そう言ってもらえる理由は何なのか。コンセプトの重要性は、5年前や10年前と比べてもどんどん上がってきてますからね。
安田
確かにそうですね。私も集客とか採用とかいろんな相談が来るんですけど、突き詰めていくと10社中9社は「どう値上げしていくか」が課題なんですよ。逆に言えば、「値上げできる理由」がないから困っている。
渡邉

ああ、なるほど。「値上げできる理由」が浸透している=ブランド力とも言えますね。

安田
ええ。だから値上げする理由を聞かれて答えられなかったら、まずはそれを作るところからですよね。「そういう理由だったら高くても買います」っていう人が10人中1人2人くらいいたら充分だと思うんです。

渡邉
確かに。全員が納得する必要はないですし、むしろブランド構築のためには、「ターゲットの絞り込み」が必須ですからね。マーケットの3割以上をターゲットにしていたら、それは大手と変わらなくなってしまう。
安田

そうそう。最低でも2割以下とか、普通に考えたら1割以下に絞らざるを得ないと思いますね。


渡邉
ただ、皆さんそれを嫌がりますよね(笑)。気持ちはすごくわかりますが、それをやらないと値上げはできない。
安田

お客さんの要望に沿い過ぎると、結果的に商品がどんどん「普通」に寄ってしまうんですよね。逆にお客さんを絞り込むことで、「それでしか満たせない何か」を追求できるようになる。


渡邉
わかります。たとえば美容院でも、平日の日中しか予約を受け付けていない所があります。これは平日の日中に自由に動ける人=社会的地位が高い人=優良顧客の可能性が高い、という考えに沿った戦略だと思いますね。
安田

まさにそういうことですよね。あるいは納期で絞ることも可能です。「このサービスはここにこだわってるから、この納期でしかできません」というような。

渡邉
その通りですね。『その道のプロ』でも、初めに「人」「金額」「納期」を決めて、それに納得くださるクライアントさんに購入いただいています。あくまでこちらが提案する形で、先方の要望に応えるものではないんですよね。
安田

なるほど。まさにブランディングを実践されているわけですね。

 


対談している二人

渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役

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1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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