第47回 「人としての道」と「商売の道」

この対談について

住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。

第47回 「人としての道」と「商売の道」

安田
ランリグさんのホームページを拝見すると、「まず、人としての道がある」とありますよね。人として誠実に生きることを何よりも優先すると。

渡邉
ええ。僕が人と接するときに一番心がけていることです。同時に相手に求めることでもあるかもしれません。ずるい人は苦手なんです。
安田

ずるい人……私のことでしょうか?(笑)。


渡邉

いやいや、安田さんのことが苦手だったらここまでお付き合いしてないです(笑)。僕が感じる「ずるさ」というのは、例えば飲食店の店員さんにすごく横柄だったりするような、人によって態度を変える人のことです。

安田
ああ、それは私も嫌ですね。一緒に飲んでる相手がそんな人だったら、どれだけ重要なお客さんでも後先考えずに帰ったりしますから。

渡邉
そうそう、だから安田さんはずるさとは真逆だと思います(笑)。普通はまず政治的な判断というか、商売のことを考えますから。
安田
まぁそうでしょうね。渡邉さんはそういう人がお客さんで来たらどうするんですか?

渡邉
さすがに飲みの席でいきなり帰ることはしませんね(笑)。その辺の切り抜け方は、両親が商売をやっていたのを子どもの頃から見ていたので、自然と身に付いた気がします。
安田
なるほど。相手に嫌な思いをさせずに退散するわけですね(笑)。

渡邉
そうなりますね(笑)。商売人としての両親の姿から学んだ部分は大きいと思います。
安田
そう考えると、「人としての道」と「商売の道」って、重なる部分もあれば相反する部分もありそうですけど、渡邉さんの中では一致しているんですか?

渡邉
完全に一致しているかというと、そうではないですね。
安田
ほう。その辺りはどうやって折り合いをつけてるんですか?
渡邉

迷ったときはまず「人としての道」を外れないようにすることを最優先にして、「商売の道」はその判断をどうやってスムーズに進めるか、という方向で活かすようにしています。

安田
つまり仕事相手に対しても、ビジネスよりもまず人として向き合うということですか。それはお客さんだけでなくライバル会社に対しても同じなんですか?

渡邉
同じですね。というよりは、そもそも「競合」という概念がないんです。だからシェアを奪い合うのではなく、むしろ「一緒に新しいマーケットを作りましょう」という方向性で考えています。
安田

なるほど。むしろ同業他社は仲間だと思っている。


渡邉
ええ。相手からはライバル会社だと思われてるかもしれないけれど、全く気にせず協業を持ち掛けたりしますから。そういう時の伝え方やタイミングは、両親の姿から学んだことを活かせている気がします。
安田

たしかに渡邉さんはワイキューブで働いてくれていた頃から、いろんな人の変化によく気づいてましたもんね。そうやって相手をよく見てタイミングを見極めたりするわけですか。


渡邉
そうですね。わりと人間味あふれる地域で育ったので、人を見る目は養われた気がします。一見いい人そうに見えても、実は性格が悪い人とかいるじゃないですか。
安田

いますね。会社でもそういうところはありますし。「売れている会社が本当にいい商品を扱っているか」というと、そうでもなかったりする。大手の中古車販売会社がまだ話題になってますけど。

渡邉
そういう商売の仕方って、短期的には儲かるかもしれませんけど、だんだんと求められなくなっていくでしょうから、中長期的には難しいでしょうね。売れる売れないの前に、「本当にいい商品を扱っている」というのが大前提だと思います。
安田

会社における「人としての道」には、商品クオリティを担保することは必須だと。

渡邉
ええ。そう思います。「その道のプロ」でも「センリョク」でも、形のないものを扱っているので、言ったことは必ず達成するまで諦めないんです。それが私たちがお見せできる「誠実さ」かなと。
安田

なるほど。でもそれってけっこう大変ですよね。一般的なコンサル会社って、必ず予防線を張るというか、お客さんの期待値をコントロールしますけど、ランリグさんはそれをしないわけですか。

渡邉
あんまりしないですね。「何があっても最後まで責任を持ってやります!」というスタンスなので。
安田

ははぁ。それがランリグさんの「人としての道」であり「商売の道」ということですね。

 


対談している二人

渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役

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1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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