売上は、顧客の数に比例する。
だから売上を増やすためには、
顧客を増やさなくてはならない。
どんな経営者も、どんな営業マンも、
どんなフリーランスでも、ここまでは考える。
だが実際に、顧客を増やせる人間は数少ない。
もちろん、コツコツと新規営業する事によって、
少しくらいの顧客は増える。
だが人生を変えてしまうような、
劇的な顧客増加を実現出来る人は稀である。
それは営業力が足りないからなのか。
あるいは継続力が足りないからなのか。
いや、そうではない。
多くの人は根本的な間違いを犯しているのである。
それは、顧客の定義を間違えてしまっている、ということ。
自社の商品を買ってくれる人。
お金を払ってくれる人。
そういう人を顧客だと定義しているから、
いつまで経っても顧客が増えていかないのである。
顧客を増やし、売上を増やすためには、
まず、この先入観から抜け出さなくてはならない。
では、どういう相手を、顧客と定義づければいいのか。
その答えを出す前に、理解しておかねばならないことがある。
それは、お金と顧客の順番である。
顧客が増える事と、お金が増える事と、どちらが先だろうか。
答えは簡単である。
顧客が増えない事には、お金も増えない。
顧客が増えるから、お金も増えていく。
つまり、顧客が先なのである。
ここで、ある矛盾に気がつかないだろうか。
商品を買ってくれる人や、
お金を払ってくれる人を顧客だと定義すると、
お金と顧客は同時に増えていく事になる。
なんだ、見込み客の事を言っているのか、
と思う経営者もいることだろう。
だがそこに、大きな落とし穴があるのだ。
多くの経営者にとって、
見込み客とは「いずれ買ってくれそうな、
いずれお金を払ってくれそうな人たち」である。
つまり、買ってくれる見込みがない人を、
見込み客とは言わないのだ。
顧客とは、買ってくれる人。
少なくとも、買ってくれる見込みのある人。
この定義でいる限り、劇的に顧客を増やす事は出来ない。
もしも明日から、いや、この瞬間から
顧客を増やしたいのであれば、やるべき事は簡単である。
顧客の定義を変えるのだ。
買ってくれる人ではなく、役に立てる人。
それを勝手に「顧客」と定義するのである。
どんなに小さな事でも構わない。
1円にもならなくても構わない。
ほんの少しでも相手の役に立てるのならば、
「この人は自分の顧客である」と定義するのだ。
すると、どんどん顧客が増えていく。
どんな些細な事でもよければ、役に立つ事は簡単だからだ。
どんどん勝手に役に立つ。
どんどん顧客が増えていく。
では、どうやって、その顧客をお金に変えるのか。
実はそんなことは考えるまでもない。
顧客が増えれば、売上は勝手に増えていくからだ。
経営者や営業マンの常識からは、理解しにくいロジックだろう。
勝手に売上が増えるはずがない。
多くの人はそう思っている。
だからお金にならない顧客を増やそうとはしない。
その結果、いつまでも顧客は増えず、売上も増えないのである。
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