おもちゃのお金

モノポリーや人生ゲームには
おもちゃのお金が登場する。
ドラクエや三国志などのゲームにも
おもちゃのお金が登場する。
昔からずっと同じ。
ゲームを面白くするためには
お金という存在が欠かせないのである。

お金を貯めて武器を買う。
お金を貯めて防具を揃える。
お金を貯めて土地を手に入れる。
お金を貯めていろんな交渉を有利に進める。
より強くなれば、よりお金を稼げるようになり、
より稼げるようになれば、より強くなれる。

この繰り返し。
単純なルールであるが
大人にも子供にもこれがウケる。
とても分かりやすいから。
とてもシンプルだから。
そしてとてもリアルだから。

ゲームで強くなるには作戦を考える必要がある。
ただただ目の前の敵を倒せばいいというものではない。
どういう順番で強くなっていくのか。
ここを考え作戦を立てる。
まずは情報収集だろう。
いろんな人から話を聞き、
この世界で成功するためのルールを把握する。

細かいルール設定はゲームによって異なるが、
基本的な設定はほとんど同じ。
すなわちお金を稼ぎ、武器や防具や情報と交換し、
どんどん強くなっていくこと。
生まれた町でじっとしていれば安全であるが、
これでは強くなれない。

敵を倒せばお金が手に入るが、
ただただ金を貯めているだけでも強くなれない。
稼いでは使い、使っては稼ぐ。
この繰り返しである。
情報収集のうまさや攻略のうまさなど、
もちろんスキルには個人差がある。
だが概ね誰でも時間さえかければクリアできる。
ゲームはそのように設定されている。

現実社会はとてもゲームに似ている。
似せてつくっているのだから当たり前である。
しっかりと情報収集し、思い切って町を飛び出し、
何かに遭遇したら勇気を出して戦ってみる。
だが深追いは禁物だ。

稼いでは戻り、戻ったら稼いだお金を
武器や防具に変える。
そうやって少しずつ確実に成長していく。
ゲームならこんなに簡単なのに、
現実では極端にお金儲けが下手な人がいる。

一体なぜなのか。
それはゲーム感覚を失っているからである。
本物の社会は恐ろしい。
だから外には出ない。
現実のお金はそう簡単には手に入らない。
だから使わずに貯めておく。

ゲームならありえない作戦を立ててしまうのだ。
その根本的な原因はお金を意識し過ぎることである。
たかがゲーム。たかがおもちゃのお金。
その感覚こそがリアル社会に必要なのである。

 


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1件のコメントがあります

  1. 人生自体が自分の人生という舞台で主役というゲームを演じるという所でしょうか!

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