正社員として採用したからには、責任がある。
彼らは歳を重ね、結婚し、いずれ子供もできるだろう。
家族がきちんと生活していけるように、
少しずつでも収入を増やしてあげたい。
いや、増やしてあげなくてはならない。
そう考えている経営者は、意外と多い。
一方で採用される側も、何となくそこに期待している。
正社員になったからには、
少しずつでも給料は増えていくだろう。
いずれは家族もできるし、
養っていけるだけの年収になりたい。
このまま頑張っていれば、きっと収入は増えていくはずだ。
雇う側は増やしたいし、雇われる側は増えてほしい。
だったら増やせばいいじゃないかと、考えてしまう。
だがそれは不可能なのである。
そして、それが不可能であるという事実を、
本当はみんな分かっているはずだ。
20歳前後で社会人となり、
仕事を覚えながら収入は増えていく。
これまでも、これからも、この部分は変わりない。
違うのはここからである。
ほとんどの会社員の年収は、30代で頭打ちになるだろう。
そして横ばいのまま40代を通過し、
50代に入ると年収は下がり始める。
残念ながら、
40~50代に与えられてきた管理ポストはもう無い。
あるのは現場の仕事だけだ。
現場でのパフォーマンスが下がれば、
当然のことながら給料は下がる。
この現実をきちんと受け止め、
会社員は決断しなくてはならない。
増えない収入のまま会社に残るのか、
それとも会社から離れて自分の力で稼ぐのか。
会社に残っても、いずれは定年が来る。
定年になって会社を離れた後も、
人生100年時代には働き続けなくてはならないのだ。
会社を離れて稼ぐ力を身に付ける。
それが必須となる日は近い。
辞める気などなくても、卒業する日は必ず来るのだ。
だとしたら、定年になってからではなく、
若く、エネルギーがある内に、
その準備をしておいた方がいい。
会社を離れても通用するスキルを身に付け、
買ってくれる顧客を増やしていく。
顧客と繋がるには時間がかかる。
だからこそ、準備しておくことが重要だ。
今は、ほとんどお金をかけなくても、
ネット上に自分の店を出すことが出来る時代。
そこでコツコツと情報を発信し、
自分に興味を持ってくれる人を増やしていく。
人がどんどん増えていけば、そこにマーケットが生まれ、
商品は売れていく。
それは、私に興味を持ってくれる人が集まる、
私だけのマイマーケット。
それを手に入れることが、
自由と安定への一番の近道なのである。
まずは自分を発信すること。
全てはそこから始まる。
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