稼げる、稼げない。
これは社員(雇われる人)がよく使う言葉。
儲かる、儲からない。
これは社長(経営者)がよく使う言葉。
お金を手に入れる、という同じ行為において、
なぜ違う言葉を使うのだろうか。
稼げる、稼げない。
この言葉を使う時には、
労働や時間をお金に換えるというイメージがある。
すごくキツイ仕事だったのに、あまり稼げなかった。
2時間しか働かなかったのに、結構稼げた。
という具合。
一方、儲かる、儲からない、という言葉。
こちらを使う時には、お金や、商品や、組織を動かして、
お金を増やすというイメージがある。
100万円で株を買ったら、
70万円に値下がりして儲からなかった。
3万円で仕入れた商品が10万円で売れて、
とても儲かった。
という具合。
労働の対価としてのお金と、
元手を増やした事によるお金。
そういうイメージではないだろうか。
ちなみにお金を拾った場合はどうだろうか。
あるいは遠い親戚の遺産が転がり込んだ場合。
この場合は稼いだという表現は使わない。
だが人によっては、
儲かったという言葉を使うことはありそうだ。
道端で1万円拾って、儲かった。
遺産が転がり込んで、儲かった。
という具合に。
まともな経営者なら、
そんなものは「儲け」とは言わないだろう。
だが多くの人にとって「儲かる」とは、
楽をしてお金を得る、という事でもあるのだ。
何れにしても、重要なのは意味の変化である。
使う言葉によって、その人の中での
「お金を得る方法」は変化するということ。
言葉の選択は、人生を変えてしまう。
フリーランスは会社員ではない。
だが労働者ではある。
そして同時に経営者でもある。
彼らはその報酬を、稼いでいるのだろうか。
それとも、儲けているのだろうか。
実はこの定義がとても重要なのである。
多くのフリーランス、ほとんどの会社員、
そして一部の社長でさえも、
稼ぐという選択肢しか持っていない。
だが、どうやって稼ぐのかを考えている限り、
儲けを得ることは出来ないのである。
時間や労働の対価としてお金を稼ぐのではなく、
何かを動かして、出来るだけ楽をして、
儲かる方法を考える。
それは社長のみならず、
フリーランスでも会社員でも実行可能な、
もうひとつのお金を得る方法。
稼ぐのではなく、儲ける。
たまたま儲かるのではなく、
確実に儲かる仕組みを作り上げる。
その視点を持つことこそが、
儲かる人になるための第一歩なのである。
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