才能の法則

私にはどんな才能があるのか。
それを発見できた人は幸せである。
これこそが私の才能なのだと自覚することで、
人は人生の軸のようなものを手に入れることができる。

幸せかどうか。豊かかどうか。
満ち足りているかどうか。
軸がなければ私たちはそれを実感することができない。

私にとっての幸せとは何か。
豊かさとはどういうものか。
満ち足りているとはどういう状態か。
軸を持つことで今ここにいる
私に確信を持つことができる。

幸せや豊かさの本質とはそういうものだと思う。
では才能がない人はどうすればいいのか。
じっさい、私には才能があると
信じている人は少数派かもしれない。

だがそれは才能というものの定義を
間違えているからである。
多くの人は才能の種類を見限っている。

私ひとりをどんなにいじくり回しても、
そこから才能を発見することはできない。
なぜなら才能とは集団の中での役割だからである。

家族という集団の中での役割。
友達という集団の中での役割。
それと同様に、人には
社会という集団の中での役割がある。

本来、仕事とは
この役割のことを指す言葉だ。
だが残念なことに、多くの人は
お金を稼ぐ手段に貶めてしまっている。

才能とは社会での役割を
果たすために備わっている個性だ。
他の人より苦労せずにできてしまうこと。
それをやったことで喜んでくれる人がいること。
それが才能なのだ。

才能の数や種類は関わる人の数によって変わる。
10人の村では才能の数は少ない。
そこではカブトムシの上手な飼育は
才能ではないかもしれない。

関わる人の数が増えれば才能の数も種類も増える。
これが才能の法則である。
1000人の町、10万人の都市、
1億人の国へと人が増えれば増えるほど、
多くの個性が才能として認められるようになっていく。

ネットとスマホは爆発的に才能の数を増やしてくれた。
もしも自分の才能を活かしたいのなら、
これこそが自分の才能であると自覚したいのなら、
多くの人との関わりを大切にすることだ。

人はひとりでは生きていけない。
苦もなく人の役に立てる才能を発揮するためには、
それを必要としてくれる人が不可欠だからである。

自分の才能を発揮して
苦もなく100人の求めに応じてあげる。
その代わりに苦手な100の部分を
才能ある人に助けてもらう。

完璧なる才能の交換。
認め合う個性がお互いを支え合う状態。
これこそが最も満たされた人類の姿なのである。

 

この著者の他の記事を見る


尚、同日配信のメールマガジンでは、コラムと同じテーマで、より安田の人柄がにじみ出たエッセイ「ところで話は変わりますが…」と、
ミニコラム「本日の境目」を配信しています。安田佳生メールマガジンは、以下よりご登録ください。全て無料でご覧いただけます。
※今すぐ続きを読みたい方は、メールアドレスコラムタイトルをお送りください。
宛先:info●brand-farmers.jp (●を@にご変更ください。)

 

1件のコメントがあります

  1. 読んで、そうだ、そうだと「スカッ」としました。
    コラム、ありがとうございます。

時合健生 へ返信する コメントをキャンセル