人間は理性で判断する知的な生き物である。そこが他の動物と決定的に違う。動物には合理的判断というものができない。人間は先のことを考えて合理的な判断ができる。人間は動物のように愚かなことはしない。と思い込んでいる人は多い。だが実際の行動を見てみるとそれが間違いであることがよくわかる。
動物は必要なものしか食べないが人間は必要以上に食べる。体を害するようなものまで食べる。動物は餌を求めて必要最低限の移動はするが余計な移動はしない。人間は観光と称して地球の裏側まで移動して無駄な時間とお金を使う。そのお金を稼ぐためにストレスを溜めまくり心や体を病んでしまう。
月まで行こうとしたり、髪の毛を赤く染めたり、穴の空いた服を着たり、カロリーゼロの商品を作って食べたり。挙げていけばキリがなくなるくらい人間は意味不明であり、愚かな行動をする生き物なのである。人間以外の動物は決してこのように無駄なことはしない。とても合理的な生き方をしている。
私たちはこの人間という、わけの分からない奇妙な生物を相手にして生きていかなくてはならない。上司も、部下も、お客さんも、みんな人間だからである。ペットフードを食べるのは動物だが買うのは人間。仕事をするにも、商売をするにも、ただ生きていくにも、私たちは人間を避けることができない。
人間を相手にいかにお金を稼ぎ、いかに相手に喜んでもらい、いかに心地よく生きていくか。これは私たちがプレイする人間ゲームのテーマである。プレイヤーとしてうまくこのゲームをやり切れば楽しく豊かな人生となる。ゲームが下手だとストレスフルで貧しい人生となってしまう。ゲームは人生なのだ。
では上手くプレイするには何が必要なのか。それは人間の定義である。人間は頭が良くて常に合理的な判断をする生き物である。こう定義する人は残念ながらゲームをやり損なってしまうだろう。人間は理屈より感情を優先してしまうおバカな動物である。こう定義する人がゲームをコントロールするのである。
安くてお得な商品でないと売れない。こう考えるのは人間がわかっていない証拠。損得という計算できる理屈を人間の感情は簡単に超えていく。だってこっちのほうが好きだもん。かわいいもん。あっちはなんか好きじゃない。なんかかわいくない。1割の理性と9割の感情で動く生き物。それが人間なのだ。
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