仕事脳と遊び脳

仕事とプライベートがきっちり分かれている。それが良い会社の特徴だと思っている人は多い。休みの日にも仕事の電話がかかって来るとか。仕事中にくだらないプライベート話を聞かされるとか。そんな職場は最低だ。オンとオフをしっかりと切り分けて、仕事もプライベートも充実した人生を送りたい。

プライベートな時間に仕事を持ち込まれるのも、仕事時間にプライベート感覚を持ち込まれるのも、割り切っている人にしてみれば迷惑な話なのだろう。その気持ちはよく分かる。だがこの切り分けがとても大きな損失をもたらしている事に気づいている人は少ない。それは一体どのような損失なのか。

ひたむきに仕事だけに取り組む時間。仕事のことは一切忘れてプライベートを楽しむ時間。ここを明確に分けることで脳みその半分が眠ってしまうのだ。人の脳には脳梁という橋のような部分があり右脳と左脳を繋いでいる。ここを切断された人は右脳的な人格と左脳的な人格に乖離してしまうそうだ。

情緒を好む右脳的な私。ロジックを好む左脳的な私。その二つが繋がることで情緒的かつロジカルな私という人格が出来上がる。素晴らしい絵画を堪能している時にもその価値を計算してしまう私。給与計算している時にも昨日食べたスイーツの美味しさを想像してしまう私。それは中途半端なダメ人間だろうか。

なぜ脳の機能は左右に分かれているのだろう。なぜ分かれたものをわざわざ繋ぐのだろう。それが最も効果的に脳を使う方法だからではないのか。仕事中にプライベート感覚を持てるかどうか。プライベート中に仕事意識を持てるかどうか。実はここがパフォーマンスを左右する大きなポイントなのである。

遊び感覚やゲーム感覚を持って仕事に取り組んでいる。これが稼ぎ上手な人の特徴である。プライベートな時間にもビジネスアンテナが反応する。これもまた稼ぎ上手な人の特徴である。そもそも仕事とプライベートを切り分けているのは便宜的な理由に過ぎない。脳みそはそのようには出来ていないのだ。

仕事脳と遊び脳は分かれているようで繋がっている。そこを行き来することで見えなかった景色が見える。出てこなかったアイデアが出る。稼ぎが何倍にも増える。なぜなら仕事や金儲けの本質は遊びだから。大きなお屋敷も立派なビルも人間が編み出した人生ゲームのアイコンにすぎないのである。

 

 

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