資本家のいない会社

資本家のいない会社

資本家がお金を出して会社をつくり、
そのお金で人を雇って働かせ、
稼いだ利益を資本家に還元させる。
これが株式会社を通じた資本主義の仕組みである。

その仕組みによって社会が大きく発展したことは事実だ。
大きなビルを建てたり、
工場を建設したりするためには、
大きな資金が欠かせない。
資本家が金を出し、人を集め、社会に必要な会社を作り出す。
それは間違いなく立派な仕事だと思う。
だがいつの間にかその精神は
利益を出す事に偏り過ぎてしまったようだ。

人の役に立つ事が目的ではなく、
利益を出す事を目的として会社がつくられていく。
役に立つための投資ではなく、資金を増やすための投資。
どんなにきれいごとを言っても、
それが現代の投資の本質である事は疑いようがない。
労働者はその仕組みの中で雇用され、働かされ、
利益に貢献させられるのである。

ずいぶん穿った見方だと、
感じる人もいるだろう。
だがそれが資本主義の本質なのだ。
お金を持っている資本家が、
そのお金を使って、
持てる資金を更に増やすための仕組み。
それが株式会社なのである。

だから当然のことながら、
最大の利益享受者は労働者ではなく、
取引先でもなく、出資者でなければならない。
なぜ上場企業が利益を上げ続けねばならないのか。
なぜ昨年対比で利益を増やし続けねばならないのか・・・

 

『[安田佳生メールマガジン] 2015.4.22 資本家のいない会社より引用

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