日曜日には、ネーミングを掘る ♯056 集学校

今週は!

昨日は、新しい学校の開校式で、千葉県の長南町というところに行ってきました。圏央道の市川鶴舞インターを下りて、車を走らせること5分。その学校が見えてきます。

おお、校門を入ると目に飛び込んできたのは、校舎の外壁に掲げられた新しいシンボルマーク。長南集学校!(ちなみにデザインは、株式会社モトモトの松本健一さんです)。グラウンドの周りの桜、まだ残っていますね。お天気も昨日までとはうって変わって春らしい陽気です。今日という日を祝ってくれているようです。
集学校については、このブログに何度か登場していますが、改めて紹介します。集学校は、パソコンなどの再生事業を行うリングロー株式会社(本社:東京都豊島区西池袋5-1-3、代表:碇 敏之)が主体となって取り組んでいるプロジェクト。

全国各地にある閉校を、地域の人たちが集い、つながるIT交流拠点として再生し、少子高齢化対策や雇用創出を含めた様々な面で持続可能な地域づくりに貢献していこうという想いではじまりました。私は、ぼんやりとした構想段階(2015年頃?)からかかわらせていただいておりまして、ネーミングや集学校ごとのコンセプトづくりなどで参加させていただいています。

プロジェクトは、2017年4月、山形県内の舟形町(人口約5500人)にある旧長沢小学校からスタート。2025年までに全国都道府県に1校ずつの開校を目指していますが、長南集学校は2校目となります。

開校式のことは、前もって集学校新聞で、地域に広報していましたが、果たしてどれくらいの人たちが来てくれるのか。校長になるリングローの鈴木陽子さんをはじめ社員のみなさん、心配されていたようでしたが、開校式が始まる10時前になると、広い体育館に地元のみなさんが段々と集まってくださり、用意していた椅子はほぼ満席になりました。
開校式のテープカットは、町長さん、教育委員会の代表、碇社長、鈴木校長をはじめ、今回のリノベーションの設計と施工を担当してくださった世古鮎美さん(株式会社ヒトカラメディア)と田中聡さん(クレヴァー株式会社)も参加して行われました。
開校式のあとは、集学校となった校舎へ(集学校として活用されるのは1階の一部)。私もリノベ中に少しだけお手伝いをさせていただきましたが、完成した後ははじめてです。スマートフォンで写真を撮りながら、歩いてみることにしました。

まず最初は、集学校のメインルームとなる『今日室』。かつての校長室と職員室が、文字通り「IT時代の今」を楽しむための開放的な空間に生まれ変わりました。このネーミング、自分でもなかなか気に入っています。
今日室に入ると、壁を使っていろいろな展示がされています。こちらは、リングローさんのビジョンです。
ビジョンに絵文字が入っているのは、なかなか珍しいと思いますが、めざす世界観が伝わってきますよね。

隣にあるのが、パソコンの分解図。アートワークのように見えますが、山形の長沢集学校で好評だったことから、長南でも展示することになりました。普段はなかなか目にすることがないパソコンの中身ですが、いろんな部品が使われていることがわかります。
反対側の壁では、リングローさんが自社工場で行うパソコンの再生過程を詳しく紹介しています。1台1台を大切に扱っていることがわかります。
今年の4月からは、再生パソコンの自社ブランドでの販売も始めていて、地域のみなさんはこちらで購入することができます。
今日室の一部はキッズルーム。早速子どもたちが、オープニングイベントの射的やゲームで遊んでいました。ちなみに、当日のメインイベントは、大人気動画クリエイター『おるたなChannel』の二人を招いての特別トークライブ。話題のYouTuberを見れるとあって、茂原市からも親子連れがたくさんいらっしゃって、会場となる体育館の前には行列ができていました。
こちらは長南小学校の想い出の品々を展示している『古部屋』。90歳くらいのおばあちゃまが、運動会の写真をじっと見ていらしたのが印象的でした。
長南集学校には、このほかにもお客さまの対応窓口となるコールセンターがあり、キッチンも備えています。
スタッフは、鈴木校長先生と地元で採用された3名。このメンバーで、地域のみなさんのITに関するさまざまな相談ごと、お困りごとに応えていきます。

鈴木さんは、集学校ができたことで、これまで住んでいた埼玉から家族で長南町に引っ越してきました。長南には、出身地である広島の尾道市と同じ空気を感じるのだそうです。「こういう所で、子どもを育てたかった」と言います。

さて、最後に紹介するのは、リングローの社長、碇敏之さん。ウェルカムツリーの前でポーズをとっていただきました。
碇さんは、まさに“型にはまらない”という言葉がぴったりの経営者。かれこれ10年以上のおつきあいとなり、リングローという社名もご提案させていただきました。ここにもまたひとつ、Ring(つなげて)grow(育つ)。うれしい春一日でした。

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