日曜日には、ネーミングを掘る ♯105 新型コロナウイルス

今週は。

世界中で猛威を振るう
新型コロナウイルス。

濃厚接触者、PCR検査、
エアロゾル、クラスター、
そしてオーバーシュート。

それまで耳慣れなかった言葉が、
あっという間に日常に溶け込んでいく。

コロナウイルス自体の名称は、
それを電子顕微鏡で観察したとき
樹冠や太陽コロナを想起させる像を
つくることに由来するといわれている。

不謹慎を承知で言うが、
新型コロナウイルスは、美しい。

ゴッホが描いたひまわりのように、
容易ならざる生命力に充ち溢れている。

直径わずか80-220ナノメートル
(10億分の1メートル)程度に
しか過ぎないコロナウイルスと
人類の戦いは、サイズこそ違え、
旧約聖書「サムエル記」に記される
ダビデとゴリアテの戦いを想起させる。

世界保健機構の事務局長、
テドロス・アダノム・ゲブレイェソス
というどこか古代めいた名前が
そう思わせるのかもしれない。

テドロス氏の出身は、
アフリカの角と呼ばれる
エリトリア国。

エリトリア人は、
体格的に持久系スポーツに
向いているといわれ、
世界陸上2015北京大会で、
金メダリストとなった
ギルメイ・ゲブレスラシエも
同国の出身である。

対中国への対応で
批判を浴びているテドロス氏であるが
神はこの長い戦いにふさわしい人材を
選んだのではないだろうか。

私は、そう思っている。

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