変と不変の取説 第2回「お金が崩壊するとき」

「変化だ、変化だ、変化が大事だ」とみなさんおっしゃいますが、会社も商品も人生も、「変えなくてはならないもの」があるのと同様、「変わらないもの」「変えてはならないもの」もあるのです。ではその境目は一体どこにあるのか。境目研究家の安田が泉先生にあれやこれや聞いていきます。

 第2回 「お金が崩壊するとき」 

安田

泉さんって企業の研修講師もやってますよね?

はい。

安田

常々疑問なんですけど、座学でのスキル研修って意味あるんですかね?

研修の仕事は、間違いなく人工知能が取って代わるでしょうね。

安田

え!そんなこと言っちゃっていいんですか?

だって人工知能くんと個人個人が、直接やり取りしたほうが早いじゃないですか。

安田

そうなんですか?

アンケートに応えて、あなたはこれとこれが弱いから、この教材を勉強して、とか。

安田

なるほど。

何を学んだらいいかを瞬時に判断して「この映像を見てください」とか「この本を読んでください」とか「これが本の抜粋の一部です」とか。だいぶ効率は良くなります。

安田

じゃあ、合同研修みたいなものはなくなると?

合同研修は効率が悪いので、なくなるんじゃないんでしょうか。

安田

泉さんの仕事なくなっちゃうじゃないですか。

私がやってるのは研修じゃないんで(笑)。なくならないんですよ。

安田

場作りでしたっけ?

はい。本人が気づきやすいように場作りをしているだけ。何も教えてないです。

安田

ちなみに、どこまでAIに取って代わられるかって話がありますけど。

はい。みなさん、それが気になるみたいですね。

安田

私が一番注目しているというか、不思議なのは、お金儲けをAIがやっていること。

もう人間のトレーダーとか、ほとんどいませんからね。為替も株式の投資も人工知能くんがやってます。

安田

そうですよね。囲碁や将棋のプロが勝てないのに、普通の人間が投資ゲームで勝てるはずないですよね。

世界中の情報を分析して、どの通貨や株が上がるか下がるか、瞬時に判断して瞬時に売り買いする。どう考えても人間が勝てない分野ですよ。

安田

金融投資って、物を作って売るよりも遥かに簡単に、遥かに効率よく金を稼げちゃうじゃないですか。

圧倒的ですね。

安田

それってつまり、金儲けにおいて人間はAIに勝てないってことでしょ?

お金を増やすということに関しては、勝てないでしょうね。

安田

そうなった時、人間は金儲けを止めるんでしょうか?

あはは(笑)。面白いですね。金儲けという仕事自体をAIに奪われると。

安田

はい。だけど金儲けが目的じゃなくなったら、人は何のために働くんでしょう?

何かを売りたいという気持ちとか、何かを欲しいという気持ちとかは、人間にしかないので。人間の生産活動と消費活動はなくならないですよ。

安田

それは実態経済みたいなもんですか?

そうです。

安田

でも物の生産や消費がなくても、金融経済ならお金を稼げちゃいますよね。

はい。稼げますね。

安田

実態経済で稼ぐお金も、金融経済で稼ぐお金も、同じ価値じゃないですか?

お金としては同じ価値ですね。

安田

「金融で稼いだ1万円では、うちのクラブでは遊べません」みたいなことはないわけですよ。

(笑)そりゃあそうです。

安田

だったら、どちらで稼いでも同じなら「簡単なほうで稼いじゃおう」と思うんじゃないですか?

すでに、そうなって来てますよね。

安田

実体経済を支える人が、いなくなったりしないんですかね?

なりませんね。残念ながら金融経済で稼げる人は一握りなので。

安田

普通の人は損するだけで終わりますか?

損するか、稼げてもほんの少しでしょうね。

安田

では実体経済はなくならないし、金融経済もなくならないと。

実体経済はなくならないですが、金融経済はどこかでバブルがはじけちゃうんじゃないですか。

安田

はじけますか?

はい。本来の価値とは違う価値がどんどん増えていくので、どこかで破たんする。

安田

本来の価値とは違う価値?

本来の価値っていうのは、実体経済のことですよ。どんどん、そこと乖離していく。

安田

どんどん乖離して、いずれ崩壊すると?

はい。今はそのプロセスに過ぎない。なんとか崩壊しないように、皆さんが頑張っておられるんじゃないでしょうか。

安田

皆さんって誰なんですか?

金融の人とか、先進国の政府とか、FRPとか。ああいうところが破たんしないように上手くやりくりしてるんじゃないですか。

安田

実態はもう破たんしているんでしょうか?

実態経済は破綻してないですけど、金融経済は破綻しているんじゃないでしょうか。

安田

金融経済が破たんしているということは、お金はもう既にその額面どおりの価値がないってことじゃないですか。

はい。そうだと思います。

安田

今、世界のトップ十数人のお金持ちが、全人類の資産の半分をもっていると言われてますよね?

そうみたいですね。

安田

その十数人が、持っているお金を全額使おうとしたら、大暴落が起こる?

間違いなく、起きます。

安田

そのお金に見合うだけの、交換できる物がない。

はい。実際やったら、超インフレになります。

安田

そうなったら、一番損するのは金持ちですよね。

お金の価値が大暴落しますからね。だから、そんなことは絶対にしないでしょうね。

安田

金融業界が止めてるんですか?

実際そういう動きがあったら、止めるでしょうね。でないと金融業界が破たんしてしまうので。

安田

業界が破たんするんですか。

はい。株価が大暴落した瞬間に、証券会社はつぶれちゃいます。

安田

パニックですね。

大パニックです。

安田

だったら、暴落しないほうが、人類にとっては良いことなんですか?

うーん。それは分からないです。易の話でいうと、自然のものは循環していくじゃないですか。また新しいものに生まれ変わっていく。でもお金だけは劣化しない。

安田

劣化しないなら、崩壊しないんじゃないですか?

いえ、違います。劣化しないものをつくっちゃったので、自然界の法則とは合ってないわけです。

安田

合ってないと、どうなるんですか?

自然界の法則と合わないものをつくった段階で、崩壊する運命なんですよ。

安田

それは易の法則みたいな?

易の考えでいうと、極まった時点で必ずはじけ飛ぶ。そして、また元に戻る。そしてまた膨らんで、また元に戻る。順かんしていくんです。

安田

頭が良い人が、ちょっと考えたら分かりそうなもんですけど。

そういう無駄なことは考えないんですよ。

安田

無駄ですか?だって、世の中すべての金融資産が暴落したらえらいことになりますよね?

えらいことになります。

安田

もう世界中がパニックになる。無秩序になる可能性がある。警察とか軍隊とかだって、給料払ってるから働いてくれるわけで。

そうです。給料が出ないと、誰もそんな仕事をやらなくなるから、治安がものすごく悪くなります。

安田

やっぱり大変じゃないですか!もっと真剣に取り組まないと。

まぁ国連も、持続可能な社会をつくろうとかって、いろいろやってますけどね。

安田

でも、金融価値を下げようとしてないじゃないですか。

それはしてないですね。

安田

どうして、やらないんですか?

だって、世界を動かしているのは、お金を持っている人たちですから。

安田

自らの資産価値を下げるようなことはしませんか?

絶対にやらないでしょうね。

安田

では、崩壊はもう、確実だと。

間違いなく破裂しますよ。人工知能くんが入ってきた時点で、加速します。

安田

加速しますか?

人間の比じゃないじゃないです。スピードが桁違いです。

安田

10年後にはトップ十数人のお金持ちが、人類資産の9割をもっている可能性もありますよね。

10年もかからないかもしれませんよ。

安田

どんどん加速する?

はい。易的に言うと、どんどん極まっていくんです。

安田

そうやって、極まっていって・・・

崩壊するんです。

…次回第3回へ続く…


場活師/泉一也と、境目研究家/安田佳生
変人同士の対談


第1回:「変わるもの・変わらないもの」
長い間、時間をかけて構築された、感覚や価値観について問い直します。

ブルー・オーシャン戦略は、未知の新大陸を探しだす作業ではありません。
新たなブルー・オーシャンは今いるレッド・オーシャンの中に無数に存在するのです。

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