【読むPodcast | マネトレ58-後半】「出口戦略に貢献できる知的財産の専門家とは?」第159回

出口戦略に貢献できる知的財産の専門家になりたい、という弁理士さんからの質問に答える後半。会計における取得原価主義。特許を取得すると何に計上されるかわかりますか?(音声はこちら

大久保

まずねぇ、中小企業やベンチャーの知財サポートを独立してやっちゃいけないと思うんだよね。

円道

ほぉほぉほぉ。

大久保

だって、知財ってやっぱ大企業のもんじゃない?

円道

基本的には。

大久保

なんかさ、「下町ロケット」とかもさ、あれ、中小企業みたいな感じだけどさ、割と売上デカいもんね(笑)

円道

そうですね。たしかに。

大久保

まあまあ結構規模がデカい。中堅企業だよね、いわゆる。

円道

はい。

大久保

じゃなきゃ、そんな開発できないもんね。

円道

まあ、そうね。

大久保

だから、知財がどうこうの前に、たぶんそこをターゲットにすると死ぬよ?っていう。やっぱ、大企業とつながってる中小企業がちゃんと伸びるという部分もあるわけで。で、弁理士ってそういう意味じゃ、特に大企業のほうが案件数多いから、そこのパイプをちゃんとつくれるというか、つくってから独立するとか、ちゃんと大手何社かとつながるみたいなね、そういう……。ちょこちょこ取るじゃん?そういう企業って、ちゃんと開発にも金かけるしさ。ベンチャーなんか金かけらんないからね、はっきり言って。

円道

まあ、そうですよね。R&Dなんてあるわけもなく。

大久保

そんなことやってる場合じゃないからね。「売上つくんなきゃ」みたいなとこがあるから。まあ、ゼロとは言わないけど、なんか、ちょっと危ないんじゃないかなって思ってしまったという。ぜんぜん質問と関係ないけど。

円道

独立を見据えたときの、対象にするとこがちょっとズレてないかなっていう感じですね。

大久保

そうそうそうそう。まあ、俺もあんま詳しくないんだけどね。

円道

そうなんですか?

大久保

あんま詳しくねえけど、なんとなく、ちょっと思っちゃったっていう。

円道

これ、でも、権利取得のときの事務費用というのはB/Sの固定資産に入るんですか?

大久保

無形固定資産っていうやつなんで、金額によりけりだと。

円道

へぇ~。なんか、ここ、感覚的には面白いですよね。

大久保

へぇ、そうなんだ。

円道

だって、なんで固定資産?だって、作業でしょ?作業費ですよね。

大久保

ああ。20万以上だったら資産計上されるよ。

円道

へぇ~。

大久保

プラス開発費っていう、これ、上場企業とかじゃないと出てこないけど、開発費っというのを資産計上すること……まあ、いまは正しいと言われてる会計基準ではないんだけど、基本的には費用で落とせる、試験研究費で。だけど、そこに人員とかかかってるから、そういうのを資産計上することもなくはないという。中小ならね。

円道

なるほど。じゃあ、まさにここに書いてあるとおりですね。

大久保

そうそう。だから、基本的には取得原価主義なんで、P/Lに落ちるのもそうだよね、落ちちゃうよね、経費だからね。だって、価値があるものをB/Sに勝手に載せちゃったら会計が成り立たない。

円道

というのは?

大久保

基本的に会計って取得原価主義なのね。

円道

……ん?

大久保

(笑)えーとね、買った値段で載せなきゃいけない。

円道

はい。取得原価主義ですね。

大久保

だって、簿記を、左と右が合うから。左に建物1千万ってあったら、右側でお金が1千万出ていくっていうのでバランスしてるから。

円道

はい。

大久保

1千万で買ったものが「2千万の価値です」ってやっていったら、もう意味がわかんなくなる。まあ、時価にしたいならそういうこともあるんだけど、ないので、基本的にはおっしゃるとおり。ただ、出口戦略の中で、べつにB/Sに載らないから価値がないということではないというか。

円道

ほぉほぉ。

大久保

べつにB/Sの価値で買うだけじゃないので。「この知財がいくらの売上をつくれるのか」とか、この知財があることによる経済的効果があるわけでしょ?それがなければゴミだけど。だからゼロなんだよね。だけど、「これがあるから年間1億円利益出ますよ」みたいなことがあれば、その知財が切れる、「商標権何年」とか「特許何年」とかは、まあ、全部を見てくれないだろうけど、そのうちの金額はもちろん売買価額に乗っかってくると。それぐらいクリティカルな知財だったら。むしろ、逆にそれがあるのに商標を取ってないとか、取ってなくてお金取られちゃってるとか、逆にリスクになる可能性があるから、そういう意味で知財はすごく重要だとは思うけど。だから、そういう意味じゃ、出口戦略にちゃんと貢献してますよと。意味がある知財であれば、っていう。で、これは、ちゃんとB/Sに載ることもあるのよ。

円道

何としてですか?どういうもの?

大久保

特許権とか。

円道

パテントとかですか?

大久保

そう。その価値が載るのは、合併したときとか。

円道

ほぉ。

大久保

要するに、買うじゃない?出口戦略で。この特許1億円ですと。だけど、いまのB/Sには20万で載ってますと。でも、1億の価値があって買いましたと。時価で買い取って連結すれば、特許権1億円っていうのは表示される。

円道

ふーん。

大久保

だから、これはあくまで自分が開発をしたときの経理処理の話で、そこの次の出口に行った先、だから上場企業とかで特許権とかデカく出てんのがあったら、それは買収した会計をしてれば、そうなってくるということです。

円道

そのタイミングでの財務諸表上では出てこないけど……

大久保

うん、出てこないけど、売られたあとにはそういう……。中小企業ではやんないと思うけど、大企業に買われたりしたらそんな感じにはなって表現されるということと、あとはその特許を売ったときだよね。要は買った側。買った側はその価額で評価する、もちろん。要するに、あくまで取得原価主義なんで。100万円かけて特許取ったと。で、その特許を「他社が欲しいです、1億円で」と。で、売ったら他社のB/Sには1億円で載って、うちのB/Sは……

円道

20万?

大久保

20万はなくなるから0になるけど。だから、9千9百……

円道

大丈夫ですよ(笑)

大久保

何万円が譲渡益になって、納税というか……になるという。

円道

そういう意味じゃ、めちゃくちゃあるじゃないですかね、価値というか。

大久保

あるよ。だから、それをちゃんと企業側が表現しなきゃいけないんだよ、売るときにね。「この特許があるから、こんだけの価値があります」っていうのは表現しなきゃいけない。

円道

まさに、じゃあ、この方がおっしゃってますけど、出口戦略のときこそ貢献できるじゃないですか、って感じですね、いまの話だと。

大久保

「その特許が欲しいから欲しい」っていう話もあるんだろうからね。

円道

なるほどです。けど、観点として、いまやってることの価値の話と、独立するときの弁理士としてのポジショニングみたいな話って、ちょっと違うじゃないですか。

大久保

そうだね。

円道

さっきおっしゃったように、ありますよね、大企業にひも付いてる弁理士の先生が独立すると結構多いのは、弁理士のマーケットって知財と調査会社があって、調査とかのほう、弁理士でやってたのに、独立すると、中小に向けると要は「商標登録ぐらいしかやることない」みたいになって。

大久保

そうなんだよね。で、こんど価格競争だからね。

円道

ですよね。

大久保

わかんないし、はっきり言って。「取れんの?取れねえの?」っていう話じゃん?

円道

はい。結構それは多く見ますよね。

大久保

そう。調査会社とかはいいもんね。大手とつながってるもん。

円道

そうそう。結局、そこをちゃんと持った状態で独立してる大手パイプの弁理士の先生とかは強いですよね。

大久保

こんど寿司食い行くから。

円道

あ、そうなんですね。弁理士と?

大久保

会長と。

円道

そういうこと。マジっすか。

大久保

いや、なんか……

円道

へぇ~。いろいろあるんですね。

大久保

そうそうそう。そんぐらい行ける利益出るよね。高級な寿司を遠慮なく誘ったもんね。客単3万ぐらいのところを、遠慮なく「ここ行きましょうよ」っつって(笑)

円道

……ということですね。

大久保

はい。だから、そこはちょっと考えたほうが。中小ベンチャーは弁護士でもしんどいと思うよ。だって顧問料払わないもん。税理士の場合は、数やって取るっていう戦略がとれるからやれてるけどさ。

円道

こんどタイミングあれば、中小とかにも弁護士としてがっつりハマってる宮島先生とか、機会があったら出ていただきたいですけど。

大久保

ああ(笑)

円道

マシンガントークで終わりそうですけど。

大久保

うるさいからいいよ(笑)

円道

いいじゃないですか。1回出ていただきたいですよ。

大久保

はい。

円道

まあ、というわけでね、やってまいりました。またご質問ありましたら、ぜひお待ちしております。

大久保

はーい。

円道

というわけで、ありがとうございました。

大久保

ありがとうございまーす。

感想・著者への質問はこちらから