ズレたアイデア

アイデアとは何か。
アイデアはどうやったら生まれるのか。
アイデアは尽きないものなのか。
斬新なアイデアが欲しいのなら、
あるいはアイデアで食えるようになりたいのなら、
これらの質問に向き合わねばならない。

私にとって、アイデアとは何なのか。
これを考えずして前には進めないのである。
なぜなら、そこには明確な答えが用意されていないから。
アイデアとは、言うなれば「新しい答え」
もしくは「新しい定義」のようなものである。
既にある答えや、既にある定義は、アイデアとは呼べない。
なぜならそれは、誰かのアイデアだから。

私にとって、アイデアと呼べるのは
「私のアイデア」だけである。
私の、オリジナルのアイデア。
そして、オリジナルのアイデアとは、
アイデアの定義そのものなのである。
私にとってアイデアとは何か。
私の定義を見つけ出すことによって、
アイデアは「私のアイデア」となる。

アイデアとは、アイデンティティに他ならない。
他人との違いこそが、アイデアの源泉なのである。
アイデアが出ないという人は、発想力が足りないのではない。
単にやり方を間違えているだけだ。
たとえば外国人が日本に来て感じる違和感。
それはそのまま、日本人にとってのアイデアとなる。

なるほど、海外ではこうなのか!というアイデア。
そしてそれは、外国人にとってのアイデアでもある。
なるほど、日本ではこうなのか!というアイデア。
生まれ育った環境が違えば違うほど、アイデアは生まれやすい。

これを反対側から見てみると、
なぜアイデアが出ないのかが分かる。
同じ業界、同じ世代、同じ地域、という括りの中で、
アイデアは枯渇していく。
似たようなアイデアしか出ない。
それは同質化によって、思考の違いがなくなっているから。
異質なものを除外する習慣が、
私たちからアイデアを奪っていくのである。

ズレてはならない、という暗黙の了解。
私たちはそれを、とても重要視する。
それは、アイデアを生み出す場においても、繰り返される。
つまり、「ズレたアイデアを出してはならない」
という刷り込みだ。
ズレないために市場をチェックし、ズレないために事例を学び、
ズレないために他人の思考を考慮する。

その結果、ズレないアイデアばかりが積み上げられていく。
つまり、何の新鮮味も斬新さもない、ありふれたアイデア。
それはもはやアイデアとは呼べない。
元々私たちは、一人ひとりが違う人間だ。
思考にも、行動にも、ズレがある。
そのズレこそが、アイデンティティであり、アイデアなのだ。

市場を顧みず、事例を学ばず、
他人を意識せず、自分の頭だけで考える。
当然のことながら、市場からズレ、
業界からズレ、他人からズレる。

結果、オリジナリティー溢れる
ズレたアイデアマンが、ここに誕生する。
どんなに平凡な、普通の人に見えたとしても、
人は一人ひとり違う。
その違いを、決して手放さないこと。
おかしいと思われる思考や価値観を、
自分の一部だと認めること。
ズレこそが、アイデアの本質なのである。


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2件のコメントがあります

  1. 今週のメルマガで、神様がパンダの顔に色を塗っているイラスト、パンダの目を閉じてじっとしている様子が可愛くていいですね。また色紙にしてほしいです。

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