
今回は30代・会社員、ペンネーム・ダボスケさんからいただいております。いつも楽しく拝聴しております。今回は人事についての質問です。弊社は社員500人程度のローカルエリアの製造メーカーです。近年、社員の経験と部署の活性化を期待して、約5年単位をめどにジョブローテーション制度を進めています。しかし、人事異動の調整に際して各部署の部長に相談すると、やはり優秀な社員は自部署からよそへ出したくないという意思があり、各部署の意見を聞きすぎると全体最適より部分最適を優先してしまうので、うまくまとまりません。しかし、社長は人事をトップダウンにしたくないので、できるだけ人事部でまとめるよう促しています。私は人事についてはある程度トップダウンで行わなければまとまらないと思うのですが、いかがでしょうか。また、ジョブローテーション自体の考えが時代錯誤かなとも思っています。近年、働き方や業種内容の変化も日進月歩なので、10年20年前の5年程度の経験がそのときにどれだけ役立つのか、甚だ疑問です。それよりは、本人の適性と希望を鑑みてスペシャリストを育てるほうが役立つように思います。また、メーカーの性質上、新製品の開発などにはなかなか5年では成果が出しづらく、未来の柱になる製品、事業の構築よりも、どうしても目先の売上を優先する考えの部長が多いようにも感じます。ということで、人事はトップダウンでするべき?そもそも、ジョブローテーションは必要?以上2点についてお聞かせください。よろしくお願いします。ということです。

そういう人を抱えながらどうやってやっていこうかっていうときに、「もうリストラするしかない」とか「より効率的にしていかねば」って感じで、もうからない仕事とかをどんどん下に出していくんですよね、下請けに。で、下請けはさらにその下請けに出すわけですよ。だから、この規模の企業さんで、もし下請けでやってるんだとしたら、結構大変だなと思ってですね。

もうからないっていうか、だんだんと同じ仕事をやってると収益が薄くなってきてるってことですね。そういう意味でも、この方のおっしゃってるように、言われた仕事をただ単にこなすだけではなく、自分たち独自の新たな価値を生み出すってことが会社の至上命題になってますよね、いま。どうなんでしょう、人事は。会社全体を考えると、A君はBという部署に持ってったほうがいいと。だけど、A君の部長は「いや、うちからは出さないよ」って言ってくると。じゃあ、トップダウンで決めたらいいのか、でも、トップダウンでは社長は決めたくないと。どうしたらいいんでしょうか?

はい。業種によっては必ず人事部を経験しないと上に行けないとか、あるんですよ。それは総合職みたいな考え方があって、大きい会社は。トップに行くのに「この部署しか知りません」みたいなのだと全体がわからないじゃないですか。あとは、他の部署とのバランスとか力関係も考え、いろいろ経験しておくみたいな。

そうすると、「わかった」っつって引き下がってもらって、そこにいるべき人材なんだったら、そこにいてもらって、そこで活躍してもらって、別の行ける人が行くっていう。で、どうしても行けなくなるんだったら、本人と相談して「この時間だけやってくれ」とかっていう話をする。

僕も、でも、同じで、ジョブローテーションが素晴らしいかどうかとか、トップダウンがいいかどうかっていうより、そもそも会社員の仕事って会社が決めるもんでしたけど、そもそもそれが時代遅れなんじゃないかって気がしますけどね。

だから、本人が「自分はこの仕事やりたい」っていうことでやるのが一番いいんじゃないですかね。で、その仕事が会社の中にないんだったら辞めていただければいいし、生かせるんだったらそれを生かせばいいしっていう。まず、だから、「この会社で一生働くっていうのありきで仕事を入れ替えるべきか、スペシャリティーを磨くべきか」みたいなのが、もう、それ自体が時代に合ってないかなって気が私はしますけれども。

でも、たとえば「転職先ないから、会社の言うとおりジョブローテーションしとこう」ってやるとするじゃないですか。やったけど、ホント、この人の言うようにまったくスペシャリティーがつかず、それで会社が最後まで面倒見てくれりゃあいいんですけど、会社自体がなくなっちゃうこともある時代で、あるいはリストラにあうとか、もしくは、最後までいけたとしても60とか65じゃないですか。さらにそこから長いですよね、人生が。

そうですね。それはたしかによくないと思います。私、ジョブローテーションのよいところって、偏りがちょっと減ることかなと思うんですよね。あと、スキルのシェアができたりとか。どこどこで効率よくやってるのに別の部署ではめちゃ効率悪くて、それを知ってる人が効率悪いところに行くと、そのスキルをシェアできるっていうか展開できる、みたいなよさがあると思うんですよね。それを、べつにジョブローテーションしなくても、横どうしのつながりを、「風通しよく」ってよく言いますけど、そういうふうにすると代わりになるんじゃないかなって思ったりしたんですけどね。

だから仕事でも、たとえばコピーライターさんがデザイナーと仕事するときに、じゃあデザイン事務所で3年働くかっていったら、そういうわけじゃなくて。だから、連携できるかどうかっていうのは、その人の仕事のやり方とか価値観とかをお互い理解できるかどうかなんで。だから、栃尾さんのおっしゃるように、ローテーションするよりは、そこの連携の新しい方法を考えたほうがいいかなって気がしますね。ということで。

じゃあ、「トップダウンでするべき?」っていうのは「トップダウンでするべきじゃないんじゃないか」ということと、「ジョブローテーションは必要か?」というと、「そうじゃなくて、別の方法がいいんじゃないでしょうか」っていう感じですかね。
*本ぺージは、2019年8月1日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから
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