第4回 主婦は職業。主婦の副業が、新しいモデル家族に
「働き方改革」「副業」「同一労働同一賃金」「夫婦共働き」など、働く環境がだんだん変わりつつあります。
すべてに通じるのは、
「右肩上がりの成長はなくなったので、賃金はそんなに上がっていきませんよ。」
「賃金上昇をモデルとした家族設計は、会社は保証できなくなりますよ。」
「個人で自分の収入は確保してくださいね。」
「自分のキャリアは自分でつくってくださいね。」
というメッセージにほかなりません。
昭和の主婦像は、結婚・妊娠・出産ののちに子供を育て上げ、働きに出た旦那の留守の間は家庭を守り・・・
それもこれも、右肩上がりの賃金を前提とした家族設計であり、家族内の役割分担をおこなっていたからこそ、成しえたモデルでした。
つまり、主婦は職業として機能していたと言えます。
一方、子供に手がかからなくなり、主婦が社会に出て行こうとすると、その主婦としてのキャリアはゼロとしてみなされることが多くあります。また、時間を切り売りして働く以外に、働く先を見つけるのは至難の業になります。
ここで、そんな制度や慣習に対して怒る!というのもあるのでしょう。
が、私としては別の提案があります。
主婦の副業です。
昭和と現在で大きく違うのは、閉じた噂話が公開で行われるようになったこと。
主婦の会話がインターネットやスマートフォンの普及により、社会性を帯びてきたことが挙げられます。情報はSNSを通じて、瞬く間に駆け巡ります。
おそらく会社員のネットワークよりも、主婦や子供のネットワークの方がはるかに情報も早く伝わるのではないでしょうか。
情報化社会は、収入を得る手段を身近にしました。
無料のホームページや決済システム、物流システムは商売を簡単にしました。
わからなくともさわっていれば、自然と使い方も理解できます。それは、メルカリで売買する主婦が世の中にたくさんいることで証明できると思います。人にもよりますが、個人の情報ツールを使いこなすのは、仕事でいやいや使わされる旦那さんよりも、はるかに上手い。
そして、主婦は融通できる時間を持っています。これが決定的に大きい。
これは、一日に費やす時間ということではなく、収益が出るまで旦那さんが頑張って時間を稼いでくれるということです。
会社がビジネスをするのに有利なところは、お金を使って一気に収益を上げるところです。収益が上がらなければ、撤退することもあります。それに対して、個人は粘りに粘って創意工夫しながら実績と顧客を積み上げることができます。
昭和のモデル家族は、役割の転換を求められています。
家庭内で役割分担した職業としての主婦は、そこで得ることのできるネットワークや経験を副業として役立てはいかがでしょうか?商売を模索する時間は旦那が支えてくれるでしょう。そこには「青い出口」が待っています。
それに対して、旦那さんの(上がっていかない)稼ぎを、文句を言いながらおうちで待つのは「赤い出口」です。
余談ですが、私が妻に任せたオイルの商売は、明確な収益が上がるまで3年かかりました。
収益が出るまでの間、喧嘩も絶えずイライラする毎日を過ごしました。しかし、オイルが売れたとき、子供が「売れたよー!」といって駆け寄ってくる姿は、全てを許せる喜びと、社会に認められたような満足感がありましたし、今もあります。
その後、オイルの収入が私の会社員としての収入を上回ったことは、独立のひとつの要因になりました。それはまた別の話で。
- 著者自己紹介 -
人材会社、ソフトウェア会社、事業会社(トラック会社)と渡り歩き、
営業、WEBマーケティング、商品開発と何でも屋さんとして働きました。
独立後も、それぞれの会社の、新しい顧客を創り出す仕事をしています。
情報流通量の多少が、価値の大きさを決める時代となり、
「出口」の情報流通量を増やすことに重点を置いています。
これが「出口にこだわる」マーケティングの基となっています。
また、「出口にこだわる」実証として、
モロッコから美容オイルを商品化し、販売しています。
<https://aniajapan.com/>
商品の「出口」で情報が増えれば、ファンが増える。
「出口」に注力することで、新規マーケットの創造に力を発揮します。
出口にこだわるマーケター
松尾聡史