このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法: ウサギとクマとグリズリー
突然ですが、あなたはウサギです。
ご自身をウサギだとイメージしてください。
「あなたは、今どこにいますか?」
そう問いかけます。
「草原に」「山に」
「ウサギ小屋に」
はたまた
「月にいます」なんて、
ウサギである自分自身をイメージして
答えてくださることでしょう。
今回は、
「草原にいるウサギ」という設定で
続けさせてください。
広い草原でノンビリと
草でも食べていてください。
すると、、
100メートルほど離れた草藪が
「ガサガサッ」と揺れ動きます。
ウサギであるあなたの反応は??
続けて、
草藪から野太い声がします
「ウサギさん!一緒に遊ぼうよ~」
「・・・」
遅れて、大きなクマが
ヒョコリと顔を出し、
「こっちにおいでよ~」
ニヤリと笑いながら
手招きするのです。。
「ウサギのあなたは、どう反応しますか?」
これは、
ある大手メーカーの工場で
現場スタッフとして働く方々の
リーダートレーニングなどで
10年以上、用いられている
シミュレーションケースのひとつです。
現場リーダーの方々の多くは
地元の高校を卒業後に
その大手メーカーに就職し、
工場現場に配属され、
長年、勤め続けている40代、50代。
ケースの中で、ウサギである彼らは
とにかく、一目散に、真っ先に、
振り向きもせずに、
などの形容詞をつけ、
「逃げる」という選択をします。
では、クマが
「怖くないよ。美味しいものあげるよ」
「だからおいでよ~」
と逃げ走るウサギの背中に
声をかけたら、どうしますか??
彼らは
「絶対に行かない!行くわけがない!!」
と口をそろえます。
前段、長くなり失礼いたしました。
当然ですよね。
野生の世界では
食物連鎖の頂点に近い位置にいるクマと
おそらく下層に位置するウサギとでは、
住む世界が違い
交わるシーンは、捕獲、捕食、
もしくは、全力逃走あるのみ、
といったところ。
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