リモートワークの境目

リモートワークは、
もはや標準的な働き方になった。
これまで不可能とされてきた
営業のような仕事でさえ、
もはやリモートは当たり前である。

インサイドセールスが強化され、
プレゼンテーションの時間は短縮され、
どうしても必要な場合は
zoomを使ってオンラインで説明する。

無意味な訪問、無意味な営業、無意味な出社は、
顧客からも社員からも嫌われてしまうのだ。
“出社しなくてはならない”という職場は、
休みが少ないことや給料が少ないことと等しく、
採用に最も不利な条件となっていく。

企業は本気でリモートワークに
取り組む努力をしなくてはならない。
ただしそれは単に
自宅勤務を増やすということではない。
ビジネスの構造を根本から
つくり変える必要があるのだ。

リモート時代の到来は
中小企業にとってもチャンスである。
これまで大手に偏っていた優秀な人材と繋がれる。
ブランド力やマーケティング力でも
大手に太刀打ちできる。
なぜなら人材もスキルもブランドも、
会社から個人に移行していくからである。

それがリモート時代の特徴なのだ。
リモートワークとは、
自宅やオンラインで仕事をさせることではない。
その程度の認識ではリモート時代を
勝ち抜くことはできない。
重要なのはリモートの定義である。

何を持ってリモートなのか。
ここが未来を分ける境目となる。
遠隔やオンラインで社員を
きちんと管理しコントロールすること。
もしそのように定義しているなら、
リモート時代に乗り遅れてしまう。
リモート時代の本質はそこではない。

リモートの本質は
管理とコントロールを手放すことである。
誰もコントロールしないのに
勝手に動いて成果をあげる。
そういう人材がどんどん集まってくること。
その結果ひとり当たりの生産性が
どんどん伸びていくこと。
これがリモート時代に躍進する企業の特徴である。

囲い込み、教育し、管理すればするほど、
優秀な人材は離れていく。
そもそもリモートになれば、
これまでのように人を管理することなど不可能だ。

会社が人を管理するのではなく、
人が勝手に動き勝手に成果をあげる仕組み。
それは根本的なシステム転換なくして成り立たない。
向き合わなければならないのは雇用という壁だ。

これまでの延長で雇用を考えている限り、
“勝手に動き成果を上げる人材”など現れない。
雇用の境目を超えない限り、
リモート時代の境目も越えられないのである。

 


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