ネットの履歴書
第85回『レビューはどこまで信じるべきか』

  • ソルナ株式会社が開発した究極の履歴書。それがネットの履歴書』これまでの履歴書や職務経歴書とは何が違うのか。なぜ究極と言えるのか。その秘密に迫ります。

小さなブルーオーシャンを追え
〜ネットの履歴書〜

第85回『レビューはどこまで信じるべきか』

 

安田

朝日新聞に載ってた「やらせレビュー」のニュースはご存知ですか?社長が執念の追跡で犯人を見つけた話。

三澤

知らないので今検索してみます。これですね。「やらせレビュー、執念の追跡」ってどういうことなんだろう。

安田

いままで評判よかったのに突然すごい評判が落ちちゃって。調べてみたら「ここの商品よくない」って書き込まれてた。

三澤

サプリメントの会社なんですね。わざと低評価の投稿をさせて競合他社の信用を傷つけたと。なるほど。

安田

これってよくあることなんですか?

三澤

内々で「そういうことをやってくれませんか」って依頼はありますね。

安田

へぇ~。

三澤

もちろんお断りしてますけど。

安田

今回はバイトに書かせてたみたいです。

三澤

水面下ではよくあるでしょうね。

安田

で、社長さんが犯人を「執念で見つけた話」がニュースになって。これって執念で見つけられるものなんですか?

三澤

「怪しい人にモニターの仕事を依頼して犯人を特定した」って書いてますね。Amazonアカウント宛てに連絡したんじゃないですかね。「モニターどうですか?」って。

安田

こういうのって、ソルナさんに「レビュー書いた人を突き止めてくれ」って頼んだら、やってもらえるんですか?

三澤

コンプライアンス的にちょっと問題があるのでやらないんですけど。ちょっとしたアドバイスはします。

安田

アドバイスですか。

三澤

たとえばドラッグストアさんで「どうも社員が転売してるらしい」とか。

安田

ええ!

三澤

タイヤでもあったんですけど。「ヤフオクで転売してるらしい。誰なのかを調べたい」って。そういう時に「とりあえず買ってみたらどうですか?」ってアドバイスします。

安田

買ってみたら相手が分かると。

三澤

会社ではなく個人として買ってもらうんですけど。買ったら発送元の住所が出るじゃないですか。そうやって見つけていくことはできます。

安田

へぇ~。結構アナログですね。

三澤

いまはそういう「アナログなやり方」が主流です。あとは弁護士を入れて情報開示してもらうか。

安田

なるほど。

三澤

ただ、転売なのかどうなのかって意外とわからないです。Amazonで中古とか普通に売られてるので。

安田

確かにそうですよね。

三澤

どこからどこが違法行為なのか。特定するのがなかなか難しい。

安田

今回のやらせレビューの人は、バイトでいろんな書き込みをしてたそうです。1件500円で良いことも悪いことも書くんですって。

三澤

まあ相場はそんなもんですよ。

安田

1件500円で競合の評判を落とせるんだったら、やりそうな人はいっぱいいそう。

三澤

はい。やっちゃう人はいますね。ただこれは法的に威力業務妨害になる。もし見つかればリスクが高いです。

安田

前回の話にあった「行列を買う」っていうのは違法じゃないんですか?

三澤

微妙ですね。ネットでそれに近いことをすると景品表示法違反になるので。比較サイトで不正に数字を変えるとか。

安田

なるほど。

三澤

だから「食べてアンケートを書いてもらう」という立て付けにしてるんでしょう。

安田

じゃあこれも「悪口を書いてくれ」って頼むのではなく、「正直に書いてくれたらいいよ」なんて言いながら……

三澤

「……でも、わかってるよね?」みたいな(笑)

安田

汚いやり方ですね〜(笑)

三澤

でもこっちのほうが行列より立て付けが難しいです。ちょっとでも「悪口書いてね」という雰囲気や発言をすると、それは業務妨害でしょうから。

安田

たとえば星4つとか5つばかりのマンガのレビューでも、星1個の人ってたまにいるじゃないですか。

三澤

はい。

安田

商品を買っても、必ず悪口を言う人っていると思うんですよ。

三澤

はいはい。いますよね。

安田

あれはやっぱり、そういう「回し者」なんですかね。それとも単にひねくれた人なんでしょうか。

三澤

両方じゃないですか(笑)いろんな人が混ざってそう。

安田

単にケチを付けたいだけの人もいるんですか。

三澤

それはいるでしょう。本当に極端な評価をする人っていますから。

安田

じゃあ星ひとつでも、やらせとは限らない?

三澤

限らないと思います。やらせの可能性はもちろんありますけど。

安田

消費者も自分の中に軸があればいいんですけどね。多くの人は他人の評価に影響されますから。

三澤

ほとんどの人は影響されますよ。レビューとか評価を見て本を読んだり映画を見たり。

安田

だから「格付けランキング」みたいな番組が成立するんでしょうね。「これは間違いない」と思ったら実は安かった、みたいな。

三澤

絶対的な判断ができる味覚の人なんて稀でしょう。

安田

評判がいい店では「美味しくない」って言いにくいですし。

三澤

私は平気で言っちゃいますけど。

安田

普通は言えないですよ。「こいつは味のわかんないやつだ」って思われちゃうので。まわりの評価に合わせちゃう人のほうが多いです。

三澤

確かにそうですね。

安田

でも人の評判ってチェックせざるを得ないですよね。ネットで物を買うときやサービスを選ぶときには。

三澤

そうですね。一般的なマーケティングの手法では「いちばん上」と「いちばん下」はどけて考えるんですけど。

安田

極端な評価は見ないってことですか?

三澤

そうです。アンケートやデータを取るときにも上下3〜5%は削ります。

安田

どうしても目についちゃいますけど。悪いレビューって。

三澤

そうですね。気にする人は気にするでしょうね。だから食べログは極端な評価は削って点数の精度を上げてます。

安田

新たなサービスを生み出すときには異常値も大切なんですけど。なぜかものすごく売れた商品とか。

三澤

「たまたま売れた」で済まさないと。

安田

はい。偶然でないとしたら何が原因なのか。それがわかれば偶然を再現できますから。

三澤

深いですねえ。

安田

だけど買う側からしたら「ハズレ」はやっぱり嫌でしょうから。低評価のレビューがあれば避ける方向にいくでしょうね。

三澤

そうですね。いいレビューって、お店の人が書いたり、知り合いが書いたりする可能性もありますから。

安田

良いレビューだけを信じるってのも難しいですよ。

三澤

だからこういう「やらせレビュー」がなくならないんでしょうね。

安田

やっぱり自分自身の評価軸を持つしかないですね。

三澤

はい。難しいですけど。ネット時代の必須スキルかもしれません。

・・・次回へ続く・・・

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