第36回 「お医者さんが外部業者とうまくいかない理由」
お医者さん
う〜む、なんで業者さんってこちらの意図をちゃんとわかってくれないのかな。病院にとってベストなプランを提案しているというより、自分たちに都合のいいことだけを提案してくるって感じだ…
あるあるですね。外部業者に対してそういった不満を持つ先生は大勢います。
絹川
お医者さん
やっぱりそう? ほんと困ったもんだよね。……って、あなた誰?
ドクターアバターの絹川です。お医者さんの様々な相談に乗りながら「アバター(分身)」としてお手伝いをしています。
絹川
お医者さん
ふうん…いろんなお医者さんと話す機会があるってことなんだね。
そうなんです。そして先生たちの多くが業者さんに満足していません。
絹川
お医者さん
どうにかならないもんかね。こちらの課題解決にまっすぐ向き合ってくれる会社が見つかるといいんだけど。
正直に申しまして、それはかなり難しいと言わざるを得ません。
絹川
お医者さん
どうしてそう思うんだい?
端的に言えば、特定のサービスや商品しか扱っていない会社がほとんどだからです。
絹川
お医者さん
つまり……選択肢が限られているということ?
ええ。彼らができる提案は前提として、「自社が扱っているサービスや商品を活用するもの」に限られる。先生の話を聞いて、もし「他社製品の方が合っていそうだなあ」と思っても、そんなことは言えないわけですから。
絹川
お医者さん
まあ、そりゃそうだ。でも、だからといって「じゃあしょうがないよね」で済ませることもできないよ。こちらとしては死活問題なんだから。
仰るとおりですね。そこで私がよくするアドバイスが、「業者の取りまとめを行う人間を置く」というものです。
絹川
お医者さん
業者の取りまとめ?
ええ、つまり、先生はその「取りまとめを行う人」に要望や課題を伝える。その人はその内容に沿って業者を選定し、契約を行うというわけです。
絹川
お医者さん
ふ〜ん、でも、そうすることで具体的に何が変わるのかな。
先生の病院の現状を飲食店に例えるなら、今は先生自ら市場や農家に出かけていって食材を仕入れている状態です。
絹川
生産者と直接話せるメリットはあれど、それぞれが作っている種類は限られているので、ほしい食材をすべて揃えるにはとても時間がかかります。
絹川
お医者さん
ふむふむ。確かに。
でも、先生と生産者の間にもうひとり、「様々な生産者さんとつながった、確かな知識を持った目利き」のような人がいたらどうですか?
絹川
お医者さん
なるほど!つまり買い付け自体を外注するわけだ!
仰るとおりです!そうすれば先生は何件も生産者を訪ねる必要がなくなります。それに、やっぱり目利きのプロに選んでもらったほうが鮮度や状態がいいものが手に入るでしょう?
絹川
お医者さん
なるほどな〜。そこを誰かに頼むなんて考えてもいなかった。……いやしかし、そもそもそんな優秀な人、なかなか見つからないんじゃない?
先生の目指している方向にもよりますよね。どういう分野に詳しい人が必要か、まずは整理されてみてはいかがでしょう。
絹川
お医者さん
うーん、できればその整理から一緒にやってくれる人がいいんだけど。
それなら私が適任かもしれません!ぜひご相談ください。
絹川
お医者さん
でも……お高いんでしょ?
実は最近、「先生の行きつけのお店でご馳走してもらえたら、無料で相談に乗ります!」っていうプロジェクトを始めまして。もしよければそちらにお申し込みください!
絹川
お医者さん
へえ! それくらいでいいならお安い御用だよ。美味しいものを食べながらだと話も弾みそうだね!
医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。
著者:ドクターアバター 絹川 裕康
株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。