この記事について
自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。
より良い未来を拓く自己対話のチカラ
あなたは、「これって、シンクロ?」と思う、不思議な感覚を体験したことがあるでしょうか。自分と相手と同じ時期にまったく同じ体験をする‥‥、そんなことが、あるオーダー絵画で起こりました。
Sさんとは今から10年ほど前、私の作品を購入されたときからのお付き合いになります。その頃は、お互い駆け出し。Sさんはコンサルタントとして、私はオーダー画家としてスタートした頃に出会いました。そして5年ほど前、オーダーメイド絵画の依頼を受けた時、不思議なシンクロがスタートしました。
オーダーでは、はじめに2時間ほどかけてセッションをします。そうして過去、現在、そして未来へとつながるお話を聴いていくうちに、徐々にイメージが浮かんできます。複数回セッションをする中で、明確になっていくケースが多いのですが、Sさんの場合は、最初から、すでに「ある想い」が浮かんでいるという印象を強く感じました。
後でわかったことですが、Sさん自身も、思い浮かべたイメージと、私が連想したイメージが重なりあっていく手応えを感じていたそうです。ただ、そのときは単なる偶然だろうと思っていました。
話を聞いてから、私が受け止めたイメージを何枚もいろんな色やかたちに描きます。何もないところから生み出すというよりも想いを写しとっていくという感覚の方が近い。絵の制作を通して、Sさんの心の中に漂っている世界がイメージできると自然と筆が進んでいきます。今回はまるで無意識の世界でつながっているかのようでした。
人は誰でも過去の体験に影響されながら、揺れ動きながら、何度も振り返りながら、少しずつ成長しています。
自分の道は自分だけが知っているのです。
だから、本来の自分を見つけるのは第三者ではなく、やはり自分自身と向き合って、自分自身を見つめ、自分との対話の中でしか捕まえることができません。
しかし、現代社会に生きる私たちは「自分との対話」をしたくても、忙しい日常に流されて、できそうでできないものです。
ところが自分の気持ちを写しとった一枚の絵に向き合うと、本来の自分自身との対話が自然と生まれてきます。
それは、今まで生きてきた過去の記憶を呼び起こし、今の自分の気持ちが反映している現在を通過して、これから向かっていく未来の自分を映し出した絵であると同時に、本来の自分と向き合える絵としての役割を果たしてくれるからです。
そのため、いつもなら50枚以上の習作を描きイメージをさまざまに写し取りながら、何ヶ月もかけて本画を描き進めます。でも、今回は違いました。
イメージがそのまま投影されるかのように、本画のイメージそのものが変化していったのです。それも思い描いたタイミングが、ふたりともほぼ一致していました。
Sさんも「絵が完成するまでの期間に意味があったのだと思います」と言いました。
これをシンクロと呼んでいいのかどうかはわかりませんが、無意識につながっていたかのような不思議な体験でした。
完成した絵をSさんが尊敬する気功教室の先生にみてもらったところ「これは究極だな……」と感嘆して見とれていました。
やはり第三者の目で見ても、この絵が発している「未来に向かって行動するエネルギーを引き出すパワー」を感じてくださったようです。
その後、Sさんは、コンサルタントとして独自のプログラムを開発、運命を感じるパートナーと出会い、結婚。さらなる進化をしています。
自分との対話は、古代ギリシアの時代から受け継がれる「汝自身を知れ」という格言からも普遍的なものだといえます。一体、本来の自分は何をしたいのか、どうありたいのか‥‥。過去、現在、未来を曇りない目で見通すことで、より良き未来が拓けてきます。
著者の自己紹介
ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。
今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。
人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。
人生
の節目には様々なテーマが訪れます。
経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。
こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。
でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。