ネガティブなポジティブ

苦手なことでも努力すれば克服することができる。
そのためには嫌なことから逃げてはならない。
どんな困難にも折れない忍耐力を身につけよう。

君にはそれができる。
私にはそれができる。
そう鼓舞していろんな課題や難題に取り組んでいく。
それこそがポジティブな生き方であると
信じている人は多い。

なぜなら私たちはそのように教育されているからである。
漢字の書取りが苦手でも、英語の勉強が嫌いでも、
分数の計算が遅くても、努力すればなんとかなる。
できないのは単に努力が足りないからだ。
と教え込まれて育っている。

得意・不得意・好き・嫌い、などというものは、
言い訳にすぎない。やればできる、誰でもできる。
とくに勉強と仕事に関しては努力がすべてである、と。

子供の頃から、こういう教育がなされているという事実。
それはじつに恐ろしいことである。
よく考えてみてほしい。
私たち人間はとても賢いはずだ。

だから亀に走ることは求めない。
うさぎにライオンと戦うことも求めない。
そんなことは無意味だからである。

だが人間に関しては違う。
努力でなんとかなると信じている。
いや、信じ込まされている。

亀は早く走れない代わりに固い甲羅を持っている。
だったらそれを活かせばいい。
ライオンは草を消化できない代わりに狩りができる。
だったら肉を食べればいい。

なぜこの当たり前のことを人間はできないのだろうか。
それは得意・不得意・好き・嫌いという
感覚を奪われているから。
不得意・嫌いはネガティブだと信じ込まされているから。

まずは刷り込まれた先入観をリセットする。
そして新たな設定をリロードする。
好きと嫌い、得意と不得意は対等であること。
そしてどちらもポジティブなワードであること。
これがベースとなる設定だ。

やるべきことはシンプルだ。
草が主食なら草を探す。
足が速いなら足を生かす。
ただそれだけ。

好きなこと、得意なことを徹底して伸ばす。
嫌いなこと、苦手なことから徹底して逃げる。
するとどういうことが起こるか。

まず努力することが苦でなくなる。
だからどんどんスキルアップする。
そして言い訳することができなくなる。
じつはこれが自責へのいちばんの近道なのである。

ポジティブとは自責で生きることにほかならない。
嫌なことから逃げる。不得意なことを放棄する。
ネガティブに見える行為を徹底することで、
人生はポジティブなものへと変わるのである。

 

 

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1件のコメントがあります

  1. まずは刷り込まれた先入観をリセットする。
    そして新たな設定をリロードする。
    好きと嫌い、得意と不得意は対等であること。
    そしてどちらもポジティブなワードであること。
    これがベースとなる設定だ。

    確かにと納得しました。感銘を受けました。
                    以 上

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