私も入ってます。企業型確定拠出年金。
もうちょっとで2年ですね。
もっと早く入っときゃよかったです。非課税で会社からお金を出せるってすごいです。
ちょっと誤解を生みそうな言い方ですけど(笑)
違いますか(笑)どう言えばいいんでしょう。
税金や社会保険が控除される前のお金で「老後の資金を積み立てる」ってことですね。
でも受け取るときには税金がかからないわけでしょ?
退職所得控除があるので極めて税金が安いということです。
一応税金はかかるんですか。
出口のところでかかります。
それは何%ぐらい?
今の安田さんの状況だと実効税率5%ぐらい。運用でめちゃくちゃ増えてたら話は別ですけど。
納税額はどうやって決まるんですか。
退職所得控除という無税の枠があるんです。それがすっごく大きいんですよ。
へえ〜。
最初の20年は毎年40万円ずつ無税枠が広がっていきます。だから20年間で800万。つまり20年勤めた人は800万の退職金が無税でもらえます。
21年目以降はどうなるんですか。
21年目から70万ずつ積み上がっていきます。そうなってくると、ほとんど税金がかからない。
すごい。やっぱり早くやったほうが得ですね。
それは間違いないです。私は新卒の時からやってます。
私の場合は55歳から始めたので、これ何歳まで出来るんですか?
安田さんは65歳までの設定ですね。
じゃあ65歳で受け取れる?
65歳から受け取りができます。それを70歳に変更することも可能になりました。
受け取り時期を延ばすメリットってあるんですか。
5年分さらに運用を続けることができます。
お金に余裕があればそういう方法もあると。
分割で受け取ることもできます。20年分割とか。
20年分割?
たとえば1年目は受け取って、残り19年分また運用するとか。正直、分割でもらった方がいいと思います。
それはどうして?
運用しながら受け取っていった方が資産寿命が延びるので。今の長生き時代には合ってると思います。
なるほど。ちなみにその先延ばしは何歳まで出来るんですか。
今だと、新しい制度で75歳まで。
75まで!支払いは65までですよね。
積み立ては70歳までできます。伸びました。
へー、すごく伸びましたね。
おそらく年金もどこかで70歳に伸びる。そういう意図があるんでしょうね。
それでも困らないように?
そう。まずこっちを固めてから徐々に年金支払いを伸ばしてくスタイル。
恐ろしい。ちなみに私の契約も変更できるんですか?70歳までは貯め続けることができるように。
できます。安田さんも70まで貯めた方がいいでしょうね。
ということはあと13年はいけると。合計15年になるわけですね。
はい。15年は大きいですよ。15年×66万円ですから。
1000万円に近くなりますね。税率は5%なんでしょうか。
ちょっと計算してみましょうか。
運用して増えた分で税金が賄えるぐらいでしょうか。
いや、もっと受け取れると思います。そんなに税金かからないです。
なんと!
66万円×15で990万になりますと。仮に運用で一切増えなかったとすると、手取りが960万5453円ですね。
おお!ほとんど税金かかってないですね。
ほとんど変わらないです。
じゃあ、もし運用して増えてたら、元の金額より増えますよね。
それは増えますね。
すごい!
15年だったら倍ぐらいになります。
いくらなんでも倍はないでしょう(笑)
年5%の複利ってすごいんです。
5%は確定なんですか?
ドルコスト平均法というのがありまして。毎月定額で5万5000円ずつ投資していく。平均の相場が上がっていれば増えるという法則です。
減ることもありますよね?
もちろん。でも基本的に世界経済が伸びてますから。増える可能性が高いと私は思っています。保障はできませんが。
5%も増えるって相当リスクが高い投資に見えますけど。
安田さん、それは日本の常識に毒されてます。金利0.1%以下なんて日本だけです。世界経済はこの数十年間伸び続けてますから。
なるほど。つまり15年前と同じ金額ってことは、実質減ってるのと同じだと。
その通りです。日本人は貯金が好きですけど、実質減ってることに気付いてない。
私も気付いてませんでした。ちなみに確定拠出年金をやらない経営者さんは、存在を知らないんでしょうか。
知っててもやらない人が多いです。手数料を払うのが嫌とか。あとは「ちょっとよく分からないからやめておこう」というケースもあります。
もったいない。老後資金という点で考えれば普通よりも節税になるのに。
そうなんです。
ちなみにこれって途中で死んだらどうなるんですか。
家族に支払われます。お亡くなりになったときに相続財産として。借入がある経営者は「差し押さえ資産にならない」というメリットもあります。
え!私みたいに自己破産したらさすがに無くなりますよね?
いえ。これが無くならないんです。差し押さえられない。
なんと!早く教えてほしかった。
久野勝也 (くの まさや) 社会保険労務士法人とうかい 代表 人事労務の専門家として、未来の組織を中小企業経営者と一緒に描き成長を支援している。拠点は愛知県名古屋市。 事務所HP https://www.tokai-sr.jp/
安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。